積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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2014年度4月分総評

4月の鑑賞本数は16本。
この月のMVPは『LEGO(R)ムービー』になります。


『レゴ・ムービー』予告編 - YouTube
この月は当たり外れが大きかった……と言うか、TVドラマの映画化作品『チーム・バチスタFINAL ケルベロスの肖像』と『相棒 劇場版III 巨大密室!特命係 絶海の孤島へ』が特に酷かったという話なんですが(爆
どっちも話のネタの目の付け所は悪くなかったんですけどねえ。後者は「日本の右傾化」という話と「日本人民兵組織(民間軍事会社)」という話を思いついたまでは良かったんですが、そもそも「なんでそんなことしなきゃならないのか」という動機の部分がはっきり掴めないまま話を作ってしまったせいで、「何がやりたいのか自分でもよく判ってない連中が、勝手に自滅する話」で終わってしまいました。なんだかなー。
『THE NEXT GENERATION ‐パトレイバー‐第1章』はこの時点ではそんなに悪い印象はなかったんですが……以下次号!(「実験的だなー」とは思ってたけど)
 
それ以外の作品はそこそこ当たりが多く、事件の情報がネット上で勝手に暴走する『白ゆき姫殺人事件』、満を持しての中島かずき脚本の意外とハードSFでもあった『映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん』。
監視社会への警鐘をテーマとしながらちゃんとヒーローものとしても面白い『キャプテン・アメリカ ウィンター・ソルジャー』、複数父親家庭で育てられた息子ものという定番ホームドラマが韓国映画だと容赦ない流血のノワールwになってしまう『ファイ 悪魔に育てられた少年』など観応えのある作品が多かった。特に『ファイ 悪魔に育てられた少年』の「父親の数だけ父親殺しできるじゃん」というアイデアは盲点だった(おい)。
それと『たまこラブストーリー』もシンプルで純情な恋物語で素晴らしかった。TV版は何だったんだ、というw
 
そんな中で、月間MVPに選んだのが『LEGO(R)ムービー』。
いや、もう、キャラから大西部に沈む太陽に大海原まで、全部レゴだからね!(実際にはCG)
あのビジュアルのインパクトと怒涛のテンポで進む物語。そしてメタ的な世界観の構造それ自体をもって、創造性の本質を巡るテーマを語るクライマックスといい、実に衝撃的な作品でした。
 
監督のフィル・ロード&クリストファー・ミラーのふたりは、アニメ映画『くもりときどきミートボール』や実写のボンクラ・ポリスバディもの『21ジャンプストリート』などの監督で、アニメと実写の両方で活躍するクリエイター。
ハリウッドは、あんまりその辺の境界とか領分とか、頓着しないんですかね。
この映画も基本、ボケにボケ倒すハリウッド・コメディの力技で、その部分だけでも楽しい映画だったんですが、やっぱり何と言っても半分アートの領域に踏み込んでるスケールのビジュアルですよ。
この見渡す限りのレゴの世界で、ちゃんと観客を感情移入させて物語を語ることができるんだから、「表現」とは本質的に自由なのだと痛感させられます。
これについては、機会があれば是非、その目でご覧になることをお勧めします。
 
しかし、これを小さい頃に観た子供たちって、どんな作品を創ってくれるんだろう。
楽しみなような、怖いような……(^^;;