『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』@池袋新文芸坐(15/7/8(wed)鑑賞)
Youth of the Beast/野獣の青春 trailer
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本日の映画、鈴木清順監督作品2本立ての1本目『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』@池袋新文芸坐に劇場入りしました。1963年公開作品。大藪春彦原作のアクション・コメディ。……大藪春彦でコメディ? 何があった、60年代?
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』観終わりました。大藪春彦原作、宍戸錠主演。拳銃所持の許可証を持ち、警察捜査の支援を行う凄腕探偵が、ヤクザを襲って武器を強奪する犯罪集団に挑むライト・アクション。いや、冒頭いきなり20人くらいヤクザが死んでるが、さらっとモブ扱いにするライトさw
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
本日の映画、鈴木清順監督作品2本目『野獣の青春』@池袋新文芸坐を観終わりました。こちらも大藪春彦原作、宍戸錠主演。ただし、こっちはハメットの『血の収穫』風の、組織に潜り込んだ風来坊が対立組織との抗争を煽って共倒れを目論むというお話。まぁ、主目的は、殺された親友の復讐なんですが。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『野獣の青春』:先にこちらのレビューから始めますけど、こっちの方は、僕らのよく知る大藪春彦そのもので、ハードボイルド風味。原則、内面語りはなく、回想シーンも「知人に説明」という体を取ってます。正体を隠しつつ、抗争を煽り、友の死の謎を追う。かなりせわしない(^^;;
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『野獣の青春』:情念描写に踏み込まず、理詰め理詰めでプロットを組み上げていて、ころころと入れ替わる情勢に合わせて、無駄なくスピーディーに語られる。というか、おっそろしく無駄がない語り口で、軽口ひとつもきっちり伏線として回収する隙のなさ。これ本当に日本映画なのかと疑いたくなる。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『野獣の青春』:落ちはストーリー的にはかなり衝撃的で、これ70年代以降の邦画なら情念たっぷりに描いてるところなんだけど、突き放して事実だけ描いているような印象。役者の芝居にも情念が不足気味に感じられるのは、70年代以降の邦画の情念過剰の芝居に慣れ過ぎてるからかなぁ。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『野獣の青春』:ただ本来、ハードボイルド映画って、このくらいのスタンスで撮るのが正しかったのかもな、という気もする。同時に、こういったプロット重視、情念軽視の映画を大量に撮ってたら、そら70年代的な情念過多な演出嗜好に流れていったのも、判らんでもない……。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:で、ここから先は両作通してのレビューとなりますが、もう何はなくとも、全盛期の宍戸さんのカッコ良さですよ! 先輩諸氏から伝え聞いてはいたものの、ここまでとは。広い肩幅にスーツをビシッと着こなして、ふてぶてしい笑みを絶やさない。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:(当時としては)ハイテクのワイヤレス盗聴器と連動する小型テープレコーダーを使いこなしてたり、状況によって銃器を使い分けたりと、大藪春彦作品の主人公らしいクレバーさと、それでいてやんちゃな表情も共存してて、実に魅力的な俳優ですな。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:70年代生まれの自分の抱く大藪主人公のイメージは、もっとバイオレンスなタフガイだったんだけど、60年代の映像化作品を観ていた読者のスタンダードなイメージは、このスーツ姿のスマートな宍戸錠だったんだろうね。意外とそこは衝撃でした。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:演出的には、奥行きを重視したレイアウトとかスピーディーなカット割りやプロットとか、全然古くない。これは鈴木清順だからなのか、60年代邦画の水準としてそうだったのか、もうちょっと作品を数掘ってかないと、断言はできないとこだけど。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:あとキャラ立てが凄くいい。どのキャラも登場するや、あっという間に「こいつはこんな奴だ」と判るようなエピソードの組立てになってる。それと皆んな、近代合理主義者ばかりなので、半世紀前の映画なのに、現代人が観ても感情移入しやすい。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:この辺は大藪春彦の原作の力かもしれないけど。一例として挙げると、『野獣の青春』では主人公が対立組織にスパイとして信用させるために、報酬として大金を要求するんだよねw 契約関係を成立させることが、近代人としての信用の基盤なんです。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:まぁ、結局、あとで裏切るんだけど(爆 あと両作とも、主人公を疑う組織が、主人公の身元を執拗に洗う場面があって、そのために警官に訊いたり、刑務所を訪ねたり、官報を確認したりもする。B級アクションでそこまでする映画、初めて観たw
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:現代より地縁血縁でがんじがらめの社会だったはずなのに、全然そんなウェットさが感じられない。だから現代でも通用する反面、ちょっと現実離れした、作り物めいた感触すらある。言うなれば……アニメに近い。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:その意味で、後に鈴木清順が『ルパンIII世』でアニメの監督もやったってのは、そう間違った筋でもなかったのかな。実際にこの目で観てみると、いろいろ腑に落ちるものが出てきますな。いずれにせよ、時代を超える普遍性のある映画でした。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:あとは、どちらも東京を舞台にしたお話なんだけど、全然空が広いのなw 特に『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』は、福生辺りの米軍基地周辺が舞台で、自分が行ったことのある場所の当時の風景とかも見れて、楽しかったです(^^)
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
『探偵事務所23 くたばれ悪党ども』『野獣の青春』:あ、それと両作品とも、BGMが洒落たジャズ調で、そこも素敵な映画でした♪
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月8日
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