『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』@東京国立近代美術館フィルムセンター(16/3/6(sun)鑑賞)
あの頃映画 「狼よ落日を斬れ 風雲篇・激情篇・怒涛篇」 [DVD]
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本日の映画1本目『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』@東京国立近代美術館フィルムセンターに劇場入りしました。1974年公開。幕末ものの3部作。……3部作? 上映時間は1本分のようだけど(^^;; #fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016, 3月 6
『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』観終わりました。時代の熱狂からどう降りるか、というお話。池田屋事件(1864年)から西南戦争(1877年)までの疾風怒濤の時代を、旗本の青年剣士(高橋英樹)の目線で描く。まぁ、青春の終わらせ方というお話でもあるかな。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016, 3月 6
『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:幕末、動乱の時代……。旗本御家人の子弟で剣の達人・杉虎之助(高橋英樹)は江戸で心形刀流伊庭道場の跡継ぎ、伊庭八郎と知り合い、朋友となる。一方、剣の師匠の指示で、男装の少女を護って京都まで連れて行くことに。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:道中、襲撃してきた薩摩隠密衆を斬り伏せ、少女を京の師匠の下へと送り届ける。そこで師匠が幕府側隠密衆の棟梁であることを知り、参加を申し出る杉だったが、師匠は江戸に帰るように命じる。納得のいかない杉は、しばらく京に残ることに。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:京で伊庭八郎と再会した杉は、伊庭に誘われて、洛中見廻組に参加する。そうした日々の中で知り合った4人の若き剣士たち、杉と伊庭八郎、新撰組の沖田総司、薩摩の中村半次郎は友情を育むが、やがて敵味方に別れて戦うことに…というお話。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:原作は池波正太郎。大映出身の監督・三隅研次は、はじめての松竹撮影作品の本作が遺作となる。享年54歳…そんなに若かったの? 確かに『新選組始末記』の三隅研二の総決算ともいうべき、幕末ネタ総決算映画でした。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:主要キャストは、主役の高橋英樹を筆頭に、中村半次郎が緒形拳、沖田総司が西郷輝彦、伊庭八郎が近藤正臣と、この時代の若手実力派を揃えた豪華さで、高橋英樹と緒形拳は江戸から明治にかけて生きた剣士の生き様をよく演じてのけてます。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:まず根本的に立身出世する話ではなく、むしろそこから「降りる」話なので、必ずしもテンションを上げてく話じゃないんですよね。主人公は何度も剣を置こうとするんだけど、時代の激流に押し流されるように剣を振るう。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:幕末の京都というその時代で一番沸騰している場所に来ながら、主人公は師匠から「江戸に帰れ」と言われてしまう。納得できずに、しばらく京都界隈をぶらぶらしているのだけど、師匠がそう言った理由をずっと考え続ける。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:そのせいか、主人公は幕末の歴史的主要イベントには参加せず、周辺的なイベントや状況の中でのみ、剣を振るう。これは歴史のメインストリームから距離をおく主人公(とこの映画)の視座の置き方を示しているようでもある。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:しかし、それでも歴史の激動は、人々の人生を振り廻し、悲劇をその身に刻み込む。勤王佐幕の抗争の中で、師匠と妻を殺された主人公は、その怨讐にその身を焦がす。そこから、どう「降りる」のか。どう、歴史から己の人生を取り戻すのか。#fr16_n
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『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:同時に、人生の過半をかけて、ずっとチャンバラ映画を撮り続けた三隅研二が、最後に「剣を置く」映画でもあるんだよね。そこまで踏まえて考えると、中村半次郎との最後の決闘を経て「剣を捨てる」主人公の姿は、深く胸を打つ。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016, 3月 6
『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:勿論、そこには、栄耀栄華を窮めた五社体制から大映、日活が脱落して、斜陽産業へと転がり落ちる日本映画界、時代劇映画界の「落日」もまた、照射されている。そして、誰の人生にも、必ず「落日」があり「剣を置く日」がくるのだから。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016, 3月 6
『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:大映で娯楽に徹した映画を撮ってきた三隅研二が、最後にその人生自体を総括するかのような文学的視座を持った本作を松竹で撮ったのは、必然であったのかもしれない。松竹が三隅の死水を汲む役目を担った、というか。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016, 3月 6
『狼よ落日を斬れ 風雲篇/激情篇/怒濤篇』:まぁ、そういう映画なので、若い人には受けは悪かったかもしれないけど、40代後半に観ると、しんみりと響く映画でした。勿論、チャンバラもたっぷりあるので、そこで娯楽性も担保はされてるんですけどね。機会がありましたら、是非。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016, 3月 6