『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』@渋谷シアター・イメージフォーラム(15/4/11(sat))
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』映画オリジナル予告編
皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇(Blu-ray Disc)
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- 発売日: 2015/12/25
- メディア: Blu-ray
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メキシコ麻薬戦争: アメリカ大陸を引き裂く「犯罪者」たちの叛乱
- 作者: ヨアングリロ,Ioan Grillo,山本昭代
- 出版社/メーカー: 現代企画室
- 発売日: 2014/03/07
- メディア: 単行本
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本日の映画3本目『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』@渋谷シアター・イメージフォーラムに劇場入りしました。この映画館は初めて。何か、ライブハウスみたいね(^^) やる映画は、残虐なメキシコ麻薬戦争のドキュメンタリーなんですが。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』観終わりました。メキシコ麻薬戦争の最前線で鑑識官に従事する捜査官と、国境の向こう、安全な米国内で麻薬ビジネスや殺し屋を賛美する麻薬賛歌(ナルコ・リード)を歌う若き歌手を主人公としたドキュメンタリー。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:……いや、何つーか、表現の自由の極北っつーか、「さすがにこれはアウトだろー!」と思うが、アウトな理由をちゃんと自分の頭と自分の言葉で考えておかないと、僕ら自身の「表現の自由」すら脅かされかねない映画だったと思う。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:まず米国テキサス州エルパソに隣接するメキシコの都市シウダー・フアレス。麻薬戦争で年間数千人の死者が出て、現場に響く遺族の泣き声にさえ、住民は慣れきってしまっている。そこから橋を渡った米国エルパソでは年間数人の殺人しかないのに。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:そのエルパソでは、無邪気な麻薬賛歌(ナルコ・コリード)が新しい音楽ジャンルとして勃興し、若きシンガーが麻薬マフィアに憧れて、「リアルな歌詞を書く」ためにメキシコに行って住みたいと口にする。……何だよ、この地獄は。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:いくら表現の自由は認められるべきとは言え、日常的に麻薬マフィアのチンピラから小遣い銭を貰い、麻薬マフィアにエスコートされてメキシコ旅行とかはアウトだろうと思う。思うが……まぁ、ショービズと裏社会の関係は、どこにでもある話でね。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:さんざん自分も絶賛した『仁義なき戦い』シリーズなんて、アドバイザーに現役ヤクザがついてたり、歌手の地方興行のバックに地元ヤクザがついてたなんて話は日本でも米国でもあったわけで、現象としては不思議でもなんでもない。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:「殺人や暴力がクールだ」ってのも、そういう表現自体はバイオレンス映画好きの自分には否定しきれない。つい昨夜もそういうアニメを絶賛したじゃん。実際に規制が強化されたら、徹底的に反発すると思う。「表現の自由を守れ」と言って。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:勿論、判断の分岐点として、「現実と地続きかどうか」という点はある。しかし、安全な米国内でナルコ・コリードに熱狂する観客は、メキシコで行われている残虐な死と殺戮を、「他人ごと」として切断できているから、無邪気に楽しめてるんだよね。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:吐気がするほどの醜悪さ。彼らは、暴力のイメージすら隣国から収奪し、安全に、清潔な娯楽として洗濯(ロンダリング)して楽しんでいるのだ。だが、自分たちも同じようなことをやってるのではないか?
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:やってると思う。あらゆる創作は、他者のイメージを収奪し、新たな文脈(コンテキスト)を与えて「語り直す」行為だ。収奪される側の文脈に配慮してたら、何も語れない。それでも創作という行為が本質的に孕む暴力性から、自分は目を逸らしたくない。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:自分の中に、暴力を肯定する自分、死と悪に惹かれる自分、スリルを楽しんでいる自分がいるのは否定できない。同時に、暴力が人の営みの一部である以上、人と社会を理解するための理路(チャネル)でもあるのも事実だ。世界に繋がる窓ではあるのだ。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:だから、世界と向き合うためという口実においてのみ、バイオレンスを愛する自分を許す。それが、酷い詭弁であることを承知で。だから、薄めたカクテルを楽しむようにナルコ・コリードに熱狂する観客を嫌悪する。自分の醜悪さをそこに見てしまうから。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日
『皆殺しのバラッド メキシコ麻薬戦争の光と闇』:この映画を観たからと言って、別にバイオレンス映画好きを止めるわけではないし、自分の小説でバイオレンス描写を止めるつもりもないけどね。でも地球の裏側の出来事を描いたこのドキュメンタリーは、いろいろと突きつけられるものの多い映画でした。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年4月11日