『チャイルド44 森に消えた子供たち』@TOHOシネマズ六本木(15/7/6(mon)鑑賞)
本日の映画『チャイルド44 森に消えた子供たち』@TOHOシネマズ六本木に劇場入りしました。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日
『チャイルド44 森に消えた子供たち』観終わりました。1950年代、旧ソ連モスクワ。戦争の英雄にして、MGB(国家保安局)のエリート捜査官の主人公(トム・ハーディ)が、権力闘争に破れて転落しながら、建前上「存在しない」とされる猟奇殺人鬼を追うことで、夫婦の絆を深めてゆくお話。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日
『チャイルド44 森に消えた子供たち』:優れたミステリーの条件のひとつとして、ミクロ(個人)とマクロ(世界)のドラマが渾然となって、うねりを生じていることが挙げられるのだけど、本作はまさにその見本のような作品。夫婦の関係の根幹にまで影を落とす、体制の恐怖。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日
『チャイルド44 森に消えた子供たち』:密告の連鎖によって、簡単に奪われる社会的身分。「楽園に殺人は存在しない」というスターリンの建前の陰に潜み、次々に子供たちを毒牙にかける殺人鬼。そしてそれを追うことが、体制の矛盾を衝くことになるが故に、社会から逸脱してゆく主人公夫婦。……。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日
『チャイルド44 森に消えた子供たち』:特にスパイ容疑を掛けられた恋女房を庇って地方警察に左遷された挙句、「あなたと結婚したのは、MGBの制服が怖かったから」とか言われて、どん底まで叩き落とされてからが本番でw、そこから何かを取り戻そうとするかのように捜査にのめり込んでゆくのね。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日
『チャイルド44 森に消えた子供たち』:ここで面白いのが、若干の成り行きもあって、捜査にずっと奥さんも付き合うのね。事件の捜査自体が、男女の道行きとなっている。むしろ、その状況を成り立たせるために、陰鬱で窮屈な旧ソ連社会を選んだ節さえある。設定や世界観が、ドラマに染み込んでる。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日
『チャイルド44 森に消えた子供たち』:全体を通して観ると、主人公の社会的身分や人間関係を一度徹底的に解体して、それでも最後に残った本能としての正義感を軸に、事件の捜査を通してひとりの「人間」として再構築してゆく、という物語の機能構造になっています。古典的ハードボイルドですな。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日
『チャイルド44 森に消えた子供たち』:基本的にこういう構造のお話が大好き、というのもあるけど、スターリン体制下での社会の空気感の再現性とか、毎度お馴染みなトム・ハーディの苦悩する中年男ぶりとかw、バランス良く、最後まで推進力を失わない、優れたミステリー映画でした。超お薦め。
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月6日