『鬼はさまよう』@シネマート新宿(16/6/25(sat)鑑賞)
本日の映画1本目『鬼はさまよう』@シネマート新宿に劇場入りしました。「反逆の韓国ノワール2016」特集の1本目。猟奇殺人ものだそうですが、さて。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月25日
『鬼はさまよう』観終わりました。猟奇殺人鬼を追う韓国ノワールお得意のいつものアレ…と思いきや、開始30分で犯人逮捕。終身刑の判決まで出て、あれあれ?と思う間にヤクザの抗争殺人の話になって…しかし、後でちゃんと繋がって、すっきりしたけど、誰も救われないというお話(爆 #fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月25日
『鬼はさまよう』:連続女子失踪事件の捜査に従事する刑事テスは、追突事故の現場から逃げた車輛を追って、犯人を逮捕。だが、車内からは妹の髪の毛が発見される。慌てて連絡を取ろうとするも、失踪して連絡が取れない。押収した犯人の車の中からは、他の被害者の血液反応も発見される。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:続いて、自宅からは被害者3人の遺体が発見され、一連の事件の真犯人と目されたが、テスの妹を含む他の遺体の場所を犯人は頑として自供しない。必死で捜索するテス。妹の夫スンヒョンは追い詰められて実況見分中の犯人を襲うも果たせず、自殺未遂を引き起こす。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:結局、遺体未発見の被害者を残したまま、裁判で終身刑の判決が下され、犯人は刑務所に収監される。そして3年後、事件が風化しつつある中、テスが手掛ける暴力団組長殺害事件の捜査線上に、義弟スンヒョンの姿が浮かび上がる。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:元銀行員で裏社会との繋がりなどないはずの彼に何が……? そして事件は、刑務所に収監中の犯人を捲き込んで、意外な展開を見せる……というお話。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:犯人の内面描写とか事情の描写はほとんどなく(収監中の犯人が被害者たちを幻視するシーンはある)、猟奇殺人者の異常心理に迫る話ではなく、遺された遺族心理から復讐鬼と化して暴走する義弟と、それを理解しつつ「こちら」に踏みとどまって追う主人公の話ですね。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:突然の理不尽な悲劇に追い詰められる遺族心理に丁寧に寄り添いつつ、カーチェイスなどのアクションも盛り込んで、特筆すべきはプロットの巧妙さ。「収監中の犯人への接近方法」として「その手があったか!」と膝を打つんだけど、さらにそこから捻ってくるのね。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:とにかく理解不能で圧倒的な「悪」として揺るぎなく犯人が存在していて、その巨大な「悪」の前に、その前に揺さぶられる遺族たちのドラマが本作の旨み。被害者が殺された理由なり、必然なりが判ればせめても感情の落としどころになりそうなものだけど。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:それなのに、本作では遺体すら見つからない。感情の理路があらかじめ塞がれている。それが遺族の魂をぎりぎりと責め苛む。何かのきっかけで、へし折れて道を踏み外す者もいる。そこの苦しさで観客の気持ちを掴んで、物語は疾走してゆく。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:結局、ラストで決着はつくけど、あれは救済ではないですよね。犯人にとってはそうであったかもしれないし、「終わらせる」ことで解放されるものがあるにせよ。死んだ人間は返ってこない。それでも憎悪に圧し潰される日々が「終わる」だけましか、という話でしかない。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:それでも韓国映画はこの「苦しさ」を、手を変え品を変え、娯楽(エンタメ)で繰り返す。なんでだろう?それは作り手からすれば、スクリーンを通して「あなたの苦しさを私たちは知っている」と伝え続けることに社会的な意味を見出しているということなんだろうと思う。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:それだけ、韓国社会でこうした「恨」の感情が強く残りやすく、そのことに当事者自身も苦しんでいて、「どうにかしなければ」という問題意識が社会で共有されやすい、ということでもある。この映画自体はそんなに予算のかかった大作ではないんですけどね。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日
『鬼はさまよう』:次々に量産されるプログラム・ピクチャーの一作でしかないけど、そこでこんなに執拗にテーマとして取り上げるのは、そういうことだろうなと。そうしたかの国での映画の果たす役割などにも想いを馳せながら、よくできたプログラム・ピクチャーとして堪能致しました。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月26日