『狼と豚と人間』@ラピュタ阿佐ヶ谷(16/6/5(sun)鑑賞)
本日の映画2本目『狼と豚と人間』@ラピュタ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1964年公開。三國連太郎、高倉健、北大路欣也主演で監督は深作欣二のアクションもの……という事前情報しかありませんが、さて。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月5日
『狼と豚と人間』観終わりました。ど底辺の貧民街出身の3兄弟が、互いに骨肉相食む地獄の拷問ゲーム。兄弟の絡み合った愛憎関係の濃厚な情念と、組織から奪った金と麻薬の在り処を巡って、秘密を握る末弟の口をどう割らせるかの知的なゲーム性が極限まで煮詰まって炸裂するお話です。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) June 5, 2016
『狼と豚と人間』:薄汚い貧民街の底で産まれた三兄弟。長兄(三國連太郎)は街に出て組織に属し、後を追った次兄(高倉健)はそれに反発してアウトローとなる。貧民街に残った末弟(北大路欣也)は、母親の死を看取った後、地元の若者たちと愚連隊を作る。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) June 7, 2016
『狼と豚と人間』:互いに反発しながら、次兄は末弟とその仲間たちの手を借りて、組織の金とヤクを狙う。襲撃には成功したものの、次兄が自分たちを使い捨てようとしていることを察し、末弟は奪った金とヤクを隠す。組織からも追われ、焦った次兄は、末弟と仲間たちを拷問にかける……。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) June 7, 2016
『狼と豚と人間』:で、この映画の本番は、ここから。金の在り処を知っているのは末弟のみ。仲間にも教えていない。この状況でその口を割らせたい次兄は、本人でなく仲間を拷問に掛けたり、あの手この手で揺さぶりをかける。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月7日
『狼と豚と人間』:一方、仲間の間でも、拷問に耐えるやつ、怯えるやつがいて。次兄とその仲間も、いつ裏切るか判らない。…と、複雑な駆け引きがそこにある。更に組織内部での生き残りを賭けて、長兄も命懸けの説得を行う。互いの立場とエゴと知恵をぎりぎりまで煮詰めて、煮詰めて…。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) June 7, 2016
『狼と豚と人間』:最後の最後、組織の突入部隊の重包囲下で、末弟が金の在り処を明かす代りに求めた交換条件が……。「うわー、ここでそれを言うかー!」という、状況を突破するのにまったく意味はないんだけど、兄弟には絶対に必要だった叫びが放たれる。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年6月7日
『狼と豚と人間』:冷たく凄惨な騙し合いのこの物語に、ここに一点だけ火傷しそうな熱量が打ち込まれるんですよ。このコントラスト! 自分にも兄弟はいるし、普段疎遠なので(別に仲は悪くないけど)、見事に抉られました。そして、それを受け入れられなかった長兄の惨めさも。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) June 7, 2016
『狼と豚と人間』:基本、ダメで、クズな三兄弟の、エゴとウソにまみれたどーしようもない話なんだけど、この叫びだけで一点突破で普遍的な「愛」に届くという見事な映画でした。東映も若手にこういう邦画クラッシックをリメイクさせる企画とか、どんどんやればいいのにね。#fr16_n
— 義忠@C90(日)東パ47a「物語工房」 (@yoshitada_n) June 7, 2016