『ケンとカズ』@渋谷ユーロスペース(16/9/1(thu)鑑賞)
本日の映画『ケンとカズ』@渋谷ユーロスペースに劇場入りしました。自動車修理工をやりながらシャブの密売に精を出す地方都市のチンピラふたりを描く、インディーズ系の映画だそうですが、さて。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月1日
『ケンとカズ』観終わりました。寂れた地方都市の片隅で、社会のどん底を這い回る末端密売人コンビふたりのお話。一応、企業からのお金も入ってるものの、基本低予算の映画なんだけど、レイアウトとカット割りのセンスが抜群で、最後までテンションが途切れず、貧乏くささを感じない! #fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月1日
『ケンとカズ』:あと目力のある役者の顔つきと、芝居やカットの間合いのコントロールね。単に短いショットを重ねるだけじゃなく、じっと待つべき所は長めにカメラを廻す。それに耐える役者の佇まいも、特筆すべきでありましょう。これを27歳で撮ったって? 凄い才能が現れたもんだ。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月1日
『ケンとカズ』:寂れた地方都市で小さな自動車整備工場に勤めながら、職場ぐるみでシャブの密売に勤しむケン(カトウシンスケ)とカズ(毎熊克也)。だが、末端の売人の稼ぎなどたかが知れている。認知症の母親を施設に入れるために大金を必要するカズは、不穏に動き始める。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:自分たちのシマに進出してきた新興組織の売人を叩きのめしたふたりだったが、その報復でケンが襲われる。そのケジメをつける名目で、対立する組織のボスの元に乗り込むが、その場でカズはシャブを自分たちに流すよう提案する。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:組織を裏切って、対立組織のシャブを売ろうというのだ。驚愕するケンだったが、自身も身重の妻を抱え、このどん底の街から抜け出す資金を必要としていたこともあって、カズに押し切られる。ふたりは双方の組織の間で、危険な綱渡りを始めるのだが……というお話。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:ま、「組織」と言っても、零細な末端暴力団だし、掛かってる金もせいぜい数百万くらいかな。これだけ危ない橋を渡ってケンが貯め込んだ金が、80万てんだから推して知るべし。銃撃戦どころか、拳銃も出てこない。スケール的には非常にしょぼい話です。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:でも、そこに暴力はあって、人は死ぬ。拳と蹴りと、金属バットとナイフ。そんなものでも、人は死ぬ。地方都市の裏路地に広がる闇の中で、弱肉強食の掟に則って、弱いものは喰いものにされ、ハグレものは潰されて、人が死ぬのだ。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:日本土着の、しょぼくてひんやりとした暴力観が肌にひりつく。乾いていると言うより、痩せこけた暴力風土。観客の生きる現実の日常と地続きで、不意にスウィッチが切り替われば、この世界に簡単に引きずりこまれかねない現実感に、気持ちがざわざわとさざめく。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:その一方で、幼い自分を虐待した認知症の母親を殺したいほど憎んでいても切り捨てられないカズのように、妻と生まれてくる子供のためにとヤバい橋を渡り続けるケンのように、吹き荒れる情念を胸の裡(うち)に抑え込んで、破滅へと突っ走ってゆくふたり。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:組織から裏切りを疑われながら、必死にサバイバヴするふたりの姿に、スリルよりもせつない胸苦しさを覚えるのは、彼らの生き様が私たちの生きる姿と重なるからだ。愚かで罪深くも、足掻いて足掻いて、いつかここではない何処かへたどり着くことを祈りながら生きる姿に。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:すっかり韓国に押されっぱなしだった本邦ノワール界隈で、昨今、堂々と対抗できる作品が生まれつつある中でも、頭ひとつ抜きん出た作品と言っていいでしょう。それも日本土着の暴力風土を踏まえ、「私たちの物語」としてのノワールを描こうとしている。大変に頼もしい!#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:監督・脚本の小路紘史も、役者陣もまだまだ若くて無名だけど、それだけに今後の活躍に期待が高まります。ちなみに上映後に監督と主役ふたりの舞台挨拶があって(毎日やってるらしい)、いずれも劇中とはうって変わった好青年たちでした。(^_^) #fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日
『ケンとカズ』:あとその場で質問させてもらって面白かったのが、作中の時代設定で、「主人公がスマホを使ってるイメージが沸かなかったので、ガラケー持たせて、時代設定もそれに合わせた」だそうで。そこ起点なんだ(^_^; ユーロスペースで9/9(金)までだそうなので、是非。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2016年9月3日