『殿、利息でござる!』@地元のシネコン(16/5/14(sat)鑑賞)
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本日の映画1本目『殿、利息でござる!』@地元のシネコンに劇場入りしました。「藩に金貸して、利息で年貢を取り戻そう!」という経済時代劇。それって閉鎖経済系内でリソースの奪い合いしてるだけのような……まぁ、そんな映画だそうで。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月14日
『殿、利息でござる!』観終わりました。阿部サダヲと瑛太主演。監督は、安定の中村義洋。前作『残穢(ざんえ)―住んではいけない部屋―』は今年2月でしょ。上半期に2本公開で、むしろ安定感増してるってのは、どういうことなのか。今回は松竹時代劇の安定感も相俟って、ですが。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月14日
『殿、利息でござる!』:江戸中期、仙台藩の宿場町・吉岡宿では、藩から物資の搬送という重い労役を課せられ、その費用負担から住民生活は困窮し、住民の逃散が相次いでいた。それを見かねた酒造家の穀田屋十三郎(阿部サダヲ)は、茶農家の知恵者・菅原屋篤平次(瑛太)に相談する。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:篤平次の「藩に金を貸して、利息で労役の費用を賄う」というその場の思いつきを真に受けた十三郎は、宿場町を駆け回って賛同者を連れてくる。事の成り行きによっては、藩から処罰も受けかねない計画に、十三郎はすっかりやる気になっている。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:「どうせどこかで止められるだろう」と宿場町の名主、惣名主に話を持ちかけたら、意外と皆乗り気。とは言え、目標金額は莫大で、まずは出資金集めに奔走することになるが……というお話。元ネタは実話だそうです。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:公式の推しとして「感動のドミノ」だとかで、まぁ、実際に泣けもするけど、言うほど強引に泣かしに掛かってくるわけではなく、実話だという元ネタの強度に素直に乗っかってる印象。監督以下、創り手のメッセージはもうちょっと違うところにあるのではないか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:このお話は、言ってみれば住民運動のお話です。行政が動いてくれないので、住民主導で、思いつきレベルのアイデアを形にして、人と資金を集めて、政治的経路を通して現実のものにする。そのためにどんな苦労、どれだけの想いの積み重ねが必要なのか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:もうひとつ、住民運動と言っても、このお話の主役は庶民というより宿場町の資産家たちなんですね。まぁ資産家と言っても大した規模ではないけど、ある程度の資本の蓄積がある人々が、集落全体の未来に対して、責任を持って行動する必要がある。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:彼らの行動の思想的基盤を突き詰めると、ある一家の陽明学の教養が見えてくる。……いや、「何事も慎みが重要」とか、資本主義頭から否定する思想重んじてるから、宿場町の景気が振るわないのでは、とか思ったけど(爆 #fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:そうした思想的基盤が、一族に血肉として継承されてるから、それが父親の遺志と知らぬまま息子たちが奔走する。そこが泣かせポイントといえばそうなんですが。その一族が中核となり、コミュニティの意志をどう結集してゆくか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:その辺は、監督の前作でやった「負の意志だけが、ディティールを欠いたまま継承・拡散する」という話の反転でもあるのね。情報の転移機能として、やってることは一緒です。人というメディアを介して、情報(意志)がどう形をなしてゆくのか、と言う。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:これは、この監督さんが近作で継続的に取り上げてきたテーマで、前々作『予告犯』も、そうと言えばそうだった。社会のど底辺の男たちの「予告テロ」が社会を変えうるか……と見せかけて、最後は非常に私的な「いい話」で回収しちゃったけど。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:お金の話に戻すと、これが資本主義がもっと整備された西の地域なら、結局、資産運用を藩に丸投げせず、金融業者に信託とかしてたろうけど、むしろ藩にもっと地域行政へコミットさせるのが主眼だったのかなぁ。当初、藩から拒絶されてもいるし。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:藩側からすると、あまりメリットないんですよね。一般庶民向けの金利(年利10%)で藩債を買う、って話だから。仙台藩の信用力なら、もっと低利で資金調達できるでしょうし。どちらかと言うと、資金調達段階で示された住民の意志を無視できなかったのか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:藩側視点だと、「利息」には、疲弊した自治体への助成金的な意味合いを含んでいたと思われ。なので、純粋な経済戦争もの、と言うより、住民運動ものであり、地方行政もののお話として捉えるのが、正しいのかもしれない。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:宿場町内に視点を戻すと、多額の資金供出(出資者本人に金銭的見返りはない。利息は労役の費用に使われるので)に反発する奴、渋る奴。話を聞いて、先走って触れ回る奴と、各々、手前勝手に動く人々を、単に抑え込むのではなく、その力と意志をどう活かすか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日
『殿、利息でござる!』:その辺は、地域活動あるある話で、江戸の昔も変わらない。そこから感情移入してゆく観客もいたことでしょう。監督自身の継続したテーマと絡めつつ、江戸の昔の住民運動のモデルケース話として、非常に興味深いお話でした。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月17日