『ビッグ・シティ』@ユジク阿佐ヶ谷(16/10/29(sat)鑑賞)
【映画 予告編】 シーズン・オブ・レイ(「チャルラータ」「ビッグ・シティ」)
本日の映画『ビッグ・シティ』@ユジク阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1963年公開。インド映画の巨匠サタジット・レイ監督による奥様映画。いや、意外とインド映画は女性映画、主婦映画が歴史があって、数多く作られてるんです。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月29日
『ビッグ・シティ』観終わりました。奥様が働きに出るお話。……いや、何で、奥さんが仕事に出るだけで、こんなに深刻なトーンになるんだって言う(^^;; 公開は1963年だけど、作中時間は1953年。独立の興奮の余熱の残る、地方都市コルカタ(つっても大都市だけど)が舞台。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月29日
『ビッグ・シティ』:大都市カルカッタに住む貧しい銀行員シュブラトと妻アラチ。シュブラトが仕事を掛け持ちにしてもなお苦しい家計を見かねて、アラチは仕事に出ることにする。好意的な夫と対照的に、引退した元教師の舅はへそを曲げて息子である夫とも口をきかなくなる。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:社会人経験のないアラチ自身も最初は躊躇いがちだったが、実際に働き始め、収入も増える内に、だんだん自信を持ち始める。そんな妻の姿に夫は不安をかすかな抱き始め、仕事を辞めるように命じるが、その矢先、夫の銀行が取り付け騒ぎで倒産してしまう…というお話。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:奥さんが働きに出るのを旦那が嫌がって、という話は、今年のIFFJでも何作か見受けられるので、未だにその問題引っ張ってるのか、と言いたくもなるけど、現代日本だって、奥さんの稼ぎが旦那を上回ると途端に夫婦仲がおかしくなる話はよく聞くしね。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:結局、古今東西を問わず、普遍的な命題と言えるのかもしれない。ちなみに今年のIFFJでは「僕は家庭で主夫がしたいんだけど」という映画もありましたが(^^;; まぁ、それはともかく。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:そんなわけで、ジェンダー問題のお話ではあるのだけど、同時に仕事を失った男どもが途端に情緒不安定になり、逆に仕事を通じてヒロインがどんどん自信を強めて自己主張を始める辺り、「仕事」を巡る物語と言えるのかもしれない。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:結局、人間の人格とは、自身を取り巻く世界との関係性の中で成立する「場(フィールド)」であるとするなら、仕事を通じて世界を操作する手応え、世界から評価される手応えを得ることで強化されるし、それを失えば動揺する。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:だから家族の支えが大事……てのはそうなんだけど、その家族関係だって、世帯内の収入のバランスが崩れれば揺らいでゆく。「一家の収入源だから」と言う理由で成立する家父長制は、お父さんが失業すると破綻する、と言うな(-o-;; #fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:正直言うと、自分の実家では母親は在宅で働いてたし、農村社会では女性も貴重な労働力なわけで、しかも夫婦ダブルワークが当然な現代日本から見ると、この辺の「奥さんが働きに出る」だけでこんな大騒ぎになるのは、ピンとこないところもあるんだけど(^^;; #fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:ただ家庭内のパワーバランスに、収入と職の有無が直結して、失業や就職が家庭に動揺をもたらすのは、時代や国に関わらず普遍的な現象だし、こうして映画として客観視できていても、自分の家庭で同じことが起これば、同じように動揺するだろうしね。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:後は引退して、息子世帯に世話になりつつも、メガネも買い換えられないほど困窮しているお爺ちゃんが、「自分に仕事がない」ことに(勝手に)苦しむシーンなんか、何か男は色々面倒くさい生き物だなぁ、と思わざる得ないですな。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:成功した教え子のウチを順番に訪問して、息子の愚痴こぼして廻って、挙句に途中でぶっ倒れるとかね。歳喰って気が弱った分、抑制が効かなくなってる。本人がそれ自覚しちゃてるのが、また辛いよね。……まぁ、この辺は老いの問題で、また別な話ですが。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:その他、作中の経済状況がちょっと不思議で、旦那は薄給の銀行員で、行員の給料ケチるくらいなんで潰れちゃうんですが、同時にヒロインは富裕層向けの訪問販売で入れ喰い状態。社長は大喜びで事業拡大を打ち出す。……景気が良いのか悪いのか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:当時のコルカタ周辺の経済状況が判らないので、あくまで実態に即しているとすると、中小の金融機関がぽこぽこ生まれては潰れるという状況を行政が放置している状態。どこかの銀行が潰れても気にしない。まぁ、まともな金融行政が機能していないとも言えるが。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:その一方で、奥様が興味を持てば、現金(キャッシュ)で即座に高額の買い物が出来る富裕層が一定数いるようで、どうも社会全体で資本がうまく廻ってない印象。地方債とか売りつけて富裕層に資本を吐き出させる政策と、それを支援する金融機関が必要なんじゃないか。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日
『ビッグ・シティ』:オチが夫婦仲良く失業オチとか、それでいいのかと思わないでもないけど(^^;、「夫婦が同じ地平に立った」と言う意味で、これはこれで思いの外、座りがいい。小さな家族のお話であると同時に、当時の大都市コルカタの社会も透けて見えてくる、そんな映画でした。#fr16_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年10月31日