『八甲田山』@池袋新文芸座(15/5/2(sat)鑑賞)
- アーティスト: サントラ,芥川也寸志
- 出版社/メーカー: インディーズ・メーカー
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: CD
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本日の映画『八甲田山』@池袋新文芸座に劇場入りしました。TVで大昔に観た気がするのだけど、ちゃんと劇場で観るのはこれが最初。基本、陰々滅々な山岳災害もの。日本映画黄金期の最期に位置する映画ですな。 pic.twitter.com/EuhS3Q2AXu
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』観終わりました。日露戦争直前、明治35年、山岳雪中行軍演習に参加した陸軍青森歩兵第5連隊の参加将兵210人がほぼ全滅。死者199人を出す近代山岳史上に残る未曽有の災害となった史実の映画化作品。1977年公開。失敗プロジェクトの基礎教養として、中級管理者は必見の映画。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:この事件では全滅した青森第5連隊に対して、ほぼ同時に八甲田山の反対側、太平洋側から少数精鋭の1箇小隊でアタックした弘前第31連隊の部隊が存在していて、第5連隊担当士官の神田大尉(北大路欣也)と第31連隊部隊指揮官の徳島大尉(高倉健)を主人公とするお話。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:この映画では、演習の決定から、予備調査や事前の予行演習を含む丁寧な準備段階を経て、第5連隊が全滅するまで、嫌と言うほどきっちり描き抜いてるので、要所要所で止めて「はい、ここで何が問題だったでしょうか? どうすれば、悲劇は避けられたのか」とレポート書かせたくなる(爆
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:いや、もう、あれだけ慎重に準備を進めてきた第5連隊のプランが、ちょっとした判断ミスや受け入れざる得ない上からの圧力で、凄い勢いでグズグズになってゆく有様は、日本中の全管理職が泣いた(つД`)ノ 本当に社会人は皆、観た方がいいです。こういう失敗事例は民族の資産です。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:演習当日に爆弾低気圧の直撃喰らったってのが、そもそもの不運といえば不運なんだけど、人為的な要因としては、演習中隊の指揮官である神田大尉とは別に、上司である大隊長が大隊本部小隊とともに同行していて、行軍中の指揮命令系統の混乱が要因として大きい(と作中では描いている)。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:映画としての演出もあるみたいで、史実に脚色も加えられているようなのだけど、天候などの環境が変わった時、どのタイミングでどういう判断を下すべきか、あるいは上と戦ってでも自分の判断を通すべきか否か。マネージャーの意志決定演習の問題集かって勢いですわ。勉強なるわー。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:まさに「死の行軍(デスマーチ)」と化した炎上案件の中級プロジェクト・マネージャーの失敗事例として、時代を越えて語り継ぐべき映画ですよ。お知り合いが管理職に就いたら、贈物としてこの映画のDVDを送りましょう。「縁起でもない」って怒られるかもしれないけど(爆
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:あとは、200人の兵隊をしれっと呑み込む冬の八甲田山系の恐ろしさですよ。いくらGPSや無線機などがない時代とはいえ、山でも沢でも、平地に降りても、次々に兵隊を白い闇に呑み込んでゆく。大自然への恐怖というか、畏敬の念を改めて思い知らされる映画です。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:結局、事件は悲劇だけど、そこから得られた様々な知見は、社会が引き継ぐべき知的資産であり、それを広く教養として広めるには、映画というツールほど向いているものはないです。ハリウッドが実話ものを好むのも、こうしたジャーナリズム的機能を信じてるからだと思う。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:これに対して、最近の日本では、あまりこうした国民的悲劇を社会として向き合う映画があまり観られないのが、ちょっと残念。震災時の自衛隊の救出作戦とか、原発事故の顛末とか、そろそろエンタメとして映画化すべきだと思うけどな。そろそろ、映画として社会の教養とすべきですよ。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日
『八甲田山』:そんなわけで、日本人なら、あるいは社会人、特に管理職にある人は、基礎教養として観ておくべき価値のある映画でした。池袋新文芸座では、今夜まだ19時からの回があるのかな。機会のある方は、これを機に是非。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年5月2日