『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』@TOHOシネマズシャンテ(17/1/16(mon)鑑賞)
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本日の映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』@TOHOシネマズ シャンテに劇場入りしました。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月16日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』観終わりました。ドローン戦争下の、或る1日の映画。付随被害(コラテラル・ダメージ)を許容してでも、テロリスト抹殺を実行すべきか。つーても、どうせ機密扱いで公表もしない作戦なんでしょ。内輪の規定の解釈で揉めてるだけのような。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月16日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:ケニア国内のイスラム原理主義者のアジトに、米英人テロリストが集まったことを確認した米英軍合同司令部は、爆装した無人機MQ-9リーパーの監視下、ケニア陸軍特殊部隊の突入を試みる。だが、その直前にテロリスト達はアジトを移動。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:そこは原理主義者たちの支配地区で、突入を強行すれば部隊や周辺住民への被害が大きくなる危険がある。しかし、昆虫型ドローンなどで更に偵察を進めた結果、テロリスト達は自爆テロを準備中であることが判明する。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:一刻も早くテロリスト達を排除しなければ、数十人以上の犠牲者がでる。リーパーによる爆撃を決意する作戦司令部だったが、ヘルファイア・ミサイルを発射する直前、標的家屋のそばで、幼い少女がパンを売り始めたことが確認される。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:司令部付き法務将校は、政治家の裁可を仰ぐよう指揮官に勧告。状況を見守っていた英国官邸内のタスクフォースでは、少女を犠牲にしてでも爆撃を実施するか、爆撃を諦めてテロの可能性を見逃すかの、ぎりぎりの議論が始まる…というお話。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:『サンデル教授の白熱教室』でお馴染みの「どっちの犠牲を選ぶか」という倫理問題……のように見えるけど、実際は組織がどう自己欺瞞を行いつつ、意思決定(デシジョン・メイキング)を行うか、の話でしょうかね。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:ここでは「他に手があったのでは?」という可能性は排除します。自分も観てて、思いつく手がなくはなかったけど、この映画の命題はそこにはありません。作り手は必要なら、その手段も封じた設定を提示してくるでしょう。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:登場人物の配役にも配慮が行き届いていて、爆撃を命じる指揮官が女性の大佐で、無人機の発射トリガーを握るのも米空軍の女性兵士。現実の米英軍の多様性を反映していると同時に、「男社会の抑圧性の問題」と解釈させないためでしょうね。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:作中の爆撃ミッションさながらに、精緻に観客の解釈の余地を削ぎ落とし、主題へと導いてゆく。その主題とは、現代戦における、暴力行使の意思決定メカニズムを描き出すことです。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:高度に張り巡らされた情報ネットワークによって、地球の裏側の爆撃機の放つ1発のミサイルの弾道すら精密制御可能となり、最前線のゲリラ兵がスマホで撮影した動画がSNSで全世界に拡散する時代の「戦争」における意思決定メカニズム。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:その昔、南北戦争の時代、リンカーンはホワイトハウスに電信機を引き込んで、前線の北軍総司令に戦況報告の要求と作戦指示をしつこく送り続けて、しまいには「うざい」と握り潰されて無視されたそうだけど(^^;; #fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:リアルタイムに戦況を掌握して、指示も可能となるなら、政治は口を突っ込まざるえない。同時にそれは、最前線の歩兵が直面する戦争の矛盾や葛藤を、戦争指導部レベルの政治が直接処理しなければならない、ということ。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:……いや、それで何かが解決するわけでも、解消されるわけでもないです。戦場から指導部にボトムアップされたからって、矛盾は矛盾であり、葛藤は葛藤だから。政治なりの「処理」がなされるだけです。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:かつては前線の歩兵が酒をかっ喰らってうさを晴らすか、銃口を自分の口に突っ込んで処理した戦場の矛盾を、政治はどう「処理」するのか。内輪で規定した交戦規定(ROE)に則っているのかどうかの問題に矮小化して「処理」するんです。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:ミサイルの着弾位置を精密制御し、事前に爆撃効果のシミュレーションが可能となった結果、被害半径内の死傷率について、事前に数値で確率を叩き出すことができるようになっている。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:けれど、無垢な少女を捲き込む可能性が65%なら攻撃不可で、45%なら可能という、その判断を隔てるものは何なのか。結局それは、自分たちで決めた内輪の数字でしかない。自分たちを納得させ、誤魔化すための数字でしかないのです。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:理不尽に殺される側にとっては、何の意味もない数字です。……ただ誤解をしないで欲しいのだけど、ここで攻撃を見送って、自爆テロが実行されてしまえば、また別の誤魔化し行うことになる。作中でもそのことに言及されています。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:そうやって軍事を含むすべての出来事を営々と誤魔化し続けることが、「政治」の本質とさえ言っていい。さらに言えば、ここで描かれている英米の軍人や政治家は、まだましな方なのです。少なくとも、彼らは記録を残す習慣があるから。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:残念なことに、私たちの国の官僚機構は、都合の悪い文書は破棄していいという観念で生きています。加えてこの映画のような多国籍軍事行動の情報は、条約を盾にほぼ非開示。研究者でさえ、相手国の開示情報によって自国のことを知る有様。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:後世の史家の検証すら嫌がるこの国が、「普通の国」面でこの手の対テロ秘密戦争に参加し始めたら、「身内の誤魔化し」という最低限の自制すら期待できないのではないか……。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:まぁ、それはともかく。この映画は、今も世界のどこかで行われている、現代の「戦争」の風景をただ切り取った映画です。何か解答や救いが、そこにあるわけではない。「戦争」にそんなものはないのだから、当然でしょう。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:そして、「戦争」に限らず、私たちの世界はこうやって誤魔化しを重ねながら駆動してゆく。それを頭から否定すべきではないとは思うけれど、やはり醜悪な風景ではあり、せめてその醜悪さから目は逸らしたくはない。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』:少なくとも、そうありたいと私は願います。それが現代に生きる人間のひとりとして、せめてもの誠実さであり、矜持であろううと信じるから。そんなことを思いながら観た映画でした。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) 2017年1月17日