『皆殺しのスキャット』@ラピュタ阿佐ヶ谷(17/12/24(sun)鑑賞)
そんなわけで、列に並んでやっと入れた『皆殺しのスキャット』@ラピュタ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1970年公開。既に屋台骨の傾いていた大映がヤケクソ……起死回生を賭けて撮った松方弘樹主演のバイオレンス・アクション。何だか暗視スコープで狙撃のシーンとかもあるそうですが、さて。#fr17_n pic.twitter.com/WOfR8KnSXx
— 義忠@冬コミ3日目(日)東ぬ09a (@yoshitada_n) 2017年12月24日
『皆殺しのスキャット』観終わって、上映後にヒロイン役の南美川洋子さんのトークに参加。大映末期のソフトポルノ路線の作品群で清純派ポジションで活躍してた方だけあって、当時からのファンと思しき先輩方の熱量が熱いな!(^^;; アイドルの引退から数十年後の集会って、こんな感じなのか…。#fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:で、本題の映画の話。主演に松方弘樹、仇役に成田三樹夫で劇盤に菊池俊輔という座組なので、東映と勘違いしそうになるけど、大映の映画です。まぁ、松方弘樹は松竹出身だし、成田三樹夫は元々、大映出身なんだから、別にありえない座組じゃないんだけどさ(^^;; #fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:お話は、カメラマンになると渡米留学したヤクザの次男坊(松方弘樹)が、何があったか(ガンオタクの血が騒いだ、みたいなこと言ってたが)平然と殺人もできる大藪春彦のキャラみたいな「殺しのメカニック」になって帰ってきて(汗 #fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:それが帰国早々、目の前で親父を暗殺されたものだから、組の後継で穏健派の兄貴の苦慮をよそに勝手に動きだし、そこへ正体不明の謎のスナイパー(峰岸徹)まで暗躍して、仁義だの人情だの、伝統だのを重んじる兄貴が振り回されるという……<そう間違ってはいない(^^;; #fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:お話の構造的に注目すべきなのは、兄貴の大事にしてる任侠カルチャーが、裏切りだの暗殺だのが当たり前に起きる周辺状況にまったく機能不全で、結局、弟の大藪春彦的軍事的合理性で全部、皆殺しにして終わるという、バイオレンス映画のモードの切り替えを象徴する点。#fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:その辺りはアクションの芝居にも如実に現れていて、ラスボスの屋敷で騙されてきたと知った兄貴が短ドス抜いての大立廻りは任侠映画っつーか時代劇的だし、暗視スコープ付きのライフルと煙幕弾装備で屋敷に潜入する行動はいちいち合理的だ。#fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:勿論、大藪春彦原作の映画化は50年代からやってることで、あの合理的で暴力への欲望を肯定する大藪春彦的世界観に当時の観客も慣れ親しんで久しかったはずだけど、それを任侠的様式美暴力と掛け合わせることで、何かの化学変化を期待したのか。#fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:いや、まぁ、本作でそれが成功していたかというと、そこは怪しくて、ふたつの暴力原理が拮抗するには、兄貴が愚直に描かれすぎて、いっそ間抜けに見えてしまう。松方弘樹の存在感が強すぎるとも言えるが、高倉健でも連れてこないと、そこは難しかったかもなぁ。#fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:もしかすると、『BLACK LAGOON』日本編でやりたかったことって、この辺の軍事合理性暴力と任侠的様式美暴力のせめぎ合いだったりするのかな。あっちにも成田三樹夫出てるし(^^;; #fr17_n
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『皆殺しのスキャット』:時期的には、日活アクションも様式化して力を失い、剥き身の暴力性を描いたマカロニ・ウエスタンが勃興し、各社各国で新しいアクション、新しいバイオレンスが模索されていた時代。そして邦画は『仁義なき戦い』で実録ヤクザ路線一色で塗り潰されるまで、あと3年…。#fr17_n
— 義忠@冬コミ3日目(日)東ぬ09a (@yoshitada_n) 2017年12月24日
『皆殺しのスキャット』:そういうアクション映画史の文脈を踏まえつつ観ると、より一層楽しめる映画でした。とりあえず、邦画で暗視スコープ映像が出たのこれが最初なんじゃないかな。赤外線投射式のアクティブ型でね。映像は緑がかってない、モノクロな感じでしたが。#fr17_n
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