『ザ・シークレットマン』@新宿バルト9(18/03/01(thu)鑑賞)
本日の映画『ザ・シークレットマン』@新宿バルト9に劇場入りしました。ウォーターゲート事件を密かに告発したFBI副長官のお話。勿論、今のホワイトハウスがあんな有様なので、出てきた企画ですわね。日本でもやればいいのにね、岸信介の話で今の官邸を揶揄したりとか(^^;; #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月1日
『ザ・シークレットマン』観終わりました。役人は面従腹背。1972年、フーバー長官亡き後のFBIを揺るがしたウォーターゲート事件の捜査を指揮しつつ、ホワイトハウスからの圧力をかわし、「ディープスロート」として捜査情報をマスコミにリークしていたマーク・フェルト副長官のお話。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月1日
『ザ・シークレットマン』:マーク・フェルト。世界最強の捜査機関であるFBIを立ち上げ、それを世界最悪の盗聴機関に育て上げて、政治の干渉を排して50年間長官として君臨した魔王フーバー、その最側近の大番頭として、フーバー死後、彼の「遺産」処分を差配した男である。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:折も折、大統領選挙前に民主党選対本部に忍び込んで盗聴器を仕掛けようとしたボンクラどもがその場で捕まり、調べてみたら犯人は元CIAや元FBI職員たちで、ホワイトハウスの関与が限りなく疑わしい、という事件が発生する。世に言う「ウォーターゲート事件」である。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:ホワイトハウスから送り込まれた長官代理が、これの捜査打ち切りを命じたことで、この大番頭が静かにぶち切れた。彼の認識では、FBIは政治に対して神聖不可侵な「独立機関」であり、ぽっと出の大統領ごときに指図されていい安い組織ではないのだ。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:とは言え、彼も官僚なので、上司の命には「承知致しました」とうやうやしく頷いて、自分のオフィスに取って返すや部下たちに「捜査続行。絶対に引くな」と檄を飛ばし、マスコミに捜査情報を流して政権へと圧力をかける。まさに面従腹背こそ、役人の醍醐味。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:この辺りは微妙と言えば微妙な話ではある。選挙に選ばれた政権の言うことを聞かない官僚なぞ、国家統制上、論外である。だが同時に、彼は建国の理念を規範とする社会正義に基づいて行動しているのだから、これもまた職務に忠実であろうとしているだけとも言える。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:更にまぜっ返すなら、社会正義など言い訳に過ぎず、主なきフーバー王朝の最期の執政として、急速にただの一般官庁と化す落日のFBIにあって、無駄な抵抗をしているだけと言えなくもない。事実、別件のテロ事案で違法捜査を命じたことで、退職後の彼は告発を受ける。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:だいたい冷静になって振り返れば、フーバー長官の下、盗聴と謀略の情報管理を一手に担ってきた大番頭が、政権側の稚拙な謀略ごっこ如きに激怒する資格があろうはずもない。心を入れ替え、フーバー後の新生FBIに潔癖な「正義」を取り戻すことを求めていたにせよ。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:しかしそれも、対テロ捜査に窮すると、部下に無許可の盗聴を含む違法捜査を抵抗なく命じているわけで、彼の「正義」は合衆国憲法や法秩序の遵守とは、やや違った概念で存在していたようではある。勿論それは、大統領より上位の概念として。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:こうなると、もはやいったい何者に仕えた、誰のための「役人」だったのか。非常に興味深いが、しかしこの物語の面白みは、国家中枢が腐敗し暴走するとき、そこに立ち塞がったのは、こういう得体の知れない「正義」に衝き動かされるいち「役人」であったことにある。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:ここでは、その「正義」の正当性を問うより、多様な「正義」観が社会のそこここに埋め込まれ、いざとなればそれが起動して、合衆国大統領の暴走をも止め得るという「アメリカ」という社会のよくできた多様性に注目すべきでしょう。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:ちなみに任期未了で辞任したニクソン大統領なのだけど、実はウォーターゲート事件そのものが辞任の原因じゃないんですね。犯人たちと政権を繋ぐ糸は、最後まで疑惑のままだった。実際、支持率も大して下がらず、大統領選も再選を果たしている。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:おそらく「まだその話を蒸し返すのか」「いつまでやってるんだ。マスコミは他にやることがあるだろう」と口にした、政権寄りの識者もいたかもしれない。TVの討論番組で「全部マスコミのでっち上げだ」と語るシーンも本編中にはあります。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:ところがそれが、一発逆転で辞任に追い込まれる。議会公聴会で、FBI長官代理が政権から捜査中止の圧力を受けたことを認めたからです。事件そのものより、隠蔽工作の存在が命取りとなった。まぁ、議会公聴会の権威が、米国ではそれだけ高いということでもあるけど。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日
『ザ・シークレットマン』:遠い異国の故事とはいえ、政治にはそういうこともある、ということを、私たち日本人も肝に命じておきましょう。そういった、現代の私たちの国で起きている政治状況なども重ね合わせながら観ることもでき、非常に面白い映画でしたね。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年3月2日