『華氏119』@TOHOシネマズ新宿(18/11/05(mon)鑑賞)
Netflix | 華氏119
https://www.netflix.com/title/81014833
本日の映画『華氏119』@TOHOシネマズ新宿に劇場入りしました。米中間選挙を目前にして鬼才マイケル・ムーアが送る米国政治情勢ドキュメンタリー。言われてみれば、初マイケル・ムーアになるわけですが、さて。#fr18_n pic.twitter.com/LgyQcEcCKZ
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』観終わりました。トランプの大統領選出馬を誰もが「たちの悪い冗談」と笑ってたその間、一貫して「民主主義を守りたければ、命がけで阻止しなければ」と訴え続けてきたマイケル・ムーアが、その落とし前をつけんと挑むドキュメンタリー。だが、彼が真に撃つのはトランプではなく…。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:そんなわけで、楽勝モードで開票前からパーティー状態だったヒラリーの選管会場が、トランプ当選でお通夜状態に突き落とされるシーンで笑かしつつ(いや、笑ってる場合じゃないが)、米国の民主主義の最前線をザッピング的に見せてゆく。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:トランプ一家と監督の意外な接点や、長く政権が続く間にリベラルであるはずの民主党中枢が保守化して支配(エスタブリッシュ)層と一体化していたこと(彼らはそれを「中道化」と称していた)。それに対する草の根の市民たちの運動が立ち上がる様子などなど、なんだけど。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:圧巻はミシガン州フリントで起こった水道水の鉛汚染のルポで、鳴物入りで就任した財界出身の州知事が、水道民営化して貧困地区のフリントへの水源を汚染された河川に付け替えて、子供を含む多くの住民に鉛中毒を引き起こした事件である。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:住民や学者がデータを突きつけたのを知事以下州政府がばっくれ続け、調査結果の捏造・隠蔽を続けたのも酷い話なのだが、騒ぎが全国規模のニュースになり、当時大統領のオバマが現地を訪れ、これで連邦政府が介入して解決する、と住民が喜んだのもつかの間……。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:オバマは市民集会で出された水に口をつけただけで呑まず、知事と適当に話をつけてさっさと引き上げた。状況は一切改善しないばかりか、その直後に市民が移住して空き家になった地区を舞台に、軍の市街戦演習が電撃的に実施される。まるで市民を脅すように。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:これが本当に私たちの知る民主主義の国、アメリカの話なのか。いや、本土の外で米軍が時としてどのように振る舞うかを、私たちはよく知っている。だが、米本土でこんなことまで起きていたなんて……。いずれにせよ、そうしたことの繰り返しが、市民の民主党支持を剥落させてゆく。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:ここに至り、監督が撃たねばならないと定めた標的は明らかだ。乱暴無礼なトランプ大統領はその表象に過ぎない。彼を大統領になさしめた民主主義のエラー、市民の生活や希望を圧殺する権力複合体としての「アメリカ」だ。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:既に全米のあちこちで、それぞれのイシューをきっかけに立ち上がった市民たちが、運動を始めている。SNSでネットワークを築き、連帯して集会やデモに駆けつける。特に校内乱射事件の悲劇を機に立ち上がった10代の若者たちも頼もしい。米国の民主主義復活の芽は確かにそこにある。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:が、である。事はそんなに単純な話なのか? 長く米国社会の矛盾を荒々しく暴き、鋭く衝き続けてきたマイケル・ムーア監督は、そこで敢えて理想的な民主主義国家であったワイマール憲政下の戦前ドイツが、ナチスに乗っ取られた経緯を、トランプの言動に重ねて警告する。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:民主主義とは、市民が政治への失望を深め、監視を怠り、参加を面倒がるようになれば、簡単に綻び、その亀裂にこそ独裁者は宿るのだと……。うん、まぁ、そうなんだけどな。そうではあるんだけどもな。うーん。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:本編中、マイケル・ムーアは統計値を次々と示し、個別イシューでは米国市民の大多数はリベラル的傾向を失っていないことを示す。事実、総得票数ではヒラリーはトランプに勝っていた。大統領選挙の制度、更には民主党の大統領候補選定の制度が、民意を正確に反映しなかったからだ。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:だから、市民生活に根差した若き候補たちが民主党を内側から乗っ取り、民主党の本来のリベラル性を取り戻せば、アメリカをトランプの、権力複合体の手から「取り戻せる」のだと。……判るんだけどね。でもそれ、トランプがやってること裏返してるだけなのでは(汗 #fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:トランプがやったのは、日々の生活の苦しさに怯え、それ故に権威主義や差別主義に共感する人々を動員して共和党を「内側から乗っ取り」、遂には政権を奪取した。政治的価値観の善悪好悪を取っ払えば、マイケル・ムーアの期待をかける「運動」とどう違うのか。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:とは言え、トランプが証明したように、それは有効で現実的な手段だ。もしかすると、それでリベラル的、民主主義的な価値観の人々の手で、政治や社会を取り戻せるかもしれない。しかしその時、トランプ支持層は大人しくその座を譲るだろうか。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:ムーアの夢見る新しい民主党は、現民主党上層部の共和党への融和的妥協や譲歩による、非民主的価値観の否定を中核とすることになるだろう。しかしそれは、トランプ支持層の価値観とはまったく相容れない。対話はそこで成立しないだろう。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:これは分断と対立が先鋭化するだけなのではないか。数億丁の銃火器が市井にあふれ、軍事技術を身につけた元軍人の市民がごろごろいる社会で。……結構、あかん気がするんだが。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:それとさっきの統計値だが、さてどこまで信じていいものやら。「あなたは権威主義者で差別主義者ですか?」と聞かれて「はい、そうです」と答える奴はいない。世間の良識から外れた回答は、可視化されづらい。トランプ支持層が事前調査で表面化しなかったことを忘れてはならない。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:いずれにせよ、この先、米国社会はより混沌を深めてゆくだろう。いやいや、まったく他人事ではない。この映画で描かれた米国内の状況の多くは、既に日本でも起きていることか、これから起きることだ。米国の風土固有の問題ではない。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:これは高度に成熟した民主主義国で、民主主義を支える諸制度がほぼ機能解析されてしまった結果、資本による力付くのハックが可能になった世界の、その先にある世界の物語だ。その段階に達した文明国は、我が国を含めて西側にはいくらでもある。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
『華氏119』:「行動せよ」とこの映画は主張する。独裁者の台頭を許すな、と。民主主義の死を座して待つな、と。それはいい。松陰先生の仰った草莽崛起(そうもうくっき)とは、まさにこのことであろう。だがその先に在るべき社会をどう見据えるか。なかなかに難問だと、この映画は示すのです。#fr18_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2018年11月5日
マイケル・ムーアの世界侵略のススメ [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2017/06/07
- メディア: Blu-ray
- この商品を含むブログを見る
キャピタリズム~マネーは踊る プレミアム・エディション [DVD]
- 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
- 発売日: 2010/05/26
- メディア: DVD
- 購入: 4人 クリック: 75回
- この商品を含むブログ (56件) を見る