2018年:今年のベスト映画10本(邦画部門)
今年のベスト映画(邦画部門)10本はこちら……。
※順番は鑑賞順です。
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『勝手にふるえてろ』
映画『去年の冬、きみと別れ』本予告【HD】2018年3月10日(土)公開
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『リズと青い鳥』
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『ミスミソウ』
映画『ニンジャバットマン』 日本用トレーラー【2018年6月15日劇場公開】
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『ムタフカズ』
10本……というと、まぁ、こういうことになるんですが、本当は入れたい実写作品がもう何本かあるものの、アニメもこれ以上、落とせないし……。
というリストであることをご理解いただきました上で(^^;;
まず実写映画の総括。
「邦画実写の復活」は前年に引き続き、今年も続いていて、カットや編集のリズム感の向上という意味でのクオリティと精度はぐんぐん良くなってます。それにここではリストに入れなかった『万引き家族』のように人間関係の繊細さを描かせれば、他国より頭ひとつ抜きでてると思います。
その一方で、スペクタクルな絵作りがどんどん観られなくなってきてて(^^;;、スケールがどんどん小さくなってきている。
低予算に現場が最適化し過ぎてきてるんじゃないかなあ。
その象徴が夏の邦画の台風の目となった『カメラを止めるな!』です。
近頃の邦画では珍しい幅広い世代の誰が観ても楽しめるホームコメディでもあるこの映画が、大手配給チェーンで全国的に公開されて、年末の今でも上映が続いていることは、夢のある素敵な話ではあると思うものの、「制作費300万」という点が喧伝され過ぎたきらいがあります。あんなの、スタッフが持ち出しで作ってるから安く上がったに決まってるじゃん。
同じくお金のなさそうなロシア映画界が「CGの活用でどんな絵も作れる」と気付いて以来、嬉々としてスペクタクル映画を撮りまくっているように、韓国映画が地味なミステリー映画でもワンポイント派手なカーアクションを入れて映画の印象を締めるように、邦画もスペクタクルな絵作りへの感度をなくさないで欲しいなあ。
あとはまあ、今年の邦画実写の話をするなら、避けて通れないのが『コード・ブルー』問題で(^^;;
結局、興収93億で国内年間興収首位を掴んだ『劇場版 コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』に、映画評論家や映画好きのシネフィル層がほとんど言及せず、「幻の映画」になりかけてました(爆。
実際、自分もこの目で観ましたが、「映画」ではなく「TVドラマ」の文法をぶれずにやり切った作品で、それだけに根っからの映画好きには評価の軸がない。批判の声さえないのは、そもそも彼らを観る気にさせるフックすらなかったか、観に行っても語る言葉が見つからなかったか。
それでも年間興収首位は伊達ではないわけで、この映画を観に行って楽しんで、満足した(かどうかは人それぞれとしても)観客がそれだけいたのは間違いないのです。
現実に存在する観客の「満足の理路」を無視してもしょうがないわけで、そこはむしろその「理路」と、そして何で自分がその「理路」に乗れないのかを考えた方がましなのかな……と思って観に行った時のレビューがあるので、お時間がありましたら読んでみてください(^^;;
次にアニメ分野について。
ここでは挙げませんでしたが、興収的には『名探偵コナン ゼロの執行人』が90億を突破して、『コード・ブルー』と最後まで興収首位を競い合いました。
これも小学生向けから腐女子のお姉さま向けまでのそれぞれの見せ場を強引に詰め込んで、それを力づくで納得させるという非常に荒っぽいことをやってのける映画です。おそらく繊細なシネフィルには耐えがたい映画ではあって、まあ自分もリストに入れませんでしたが(^^;;、このパワー感でここにきてなお客層を広げてるのも事実です。
これも日本のアニメシーン、邦画シーンの大切な一面なんですよね。
『さよならの朝に約束の花をかざろう』では、脚本家の岡田麿里を監督に据えるという、実写ではよくあるもののアニメでは珍しい試み(実写だと、画面レイアウトの設計を撮影監督に振ることも多いですから)でしたが、制作会社のP.A.WORKSが社を挙げて全面的にバックアップした甲斐があってか、見事な処女作となりました。
それと毎年三本くらいコンスタントに劇場作品を手掛けている吉田玲子が、今年も三本の劇場映画に脚本を書いています。その内二本が『リズと青い鳥』『若おかみは小学生!』で、一般や非アニメの客層に届く実力を証明した一年でした。
こうなると三本目の『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』もちゃんと観ておくんだった……orz
あとは『ニンジャバットマン』と『ムタフカズ』はいずれも海外との合作企画で、どっちも興収は厳しかったようですが、かなり尖がった映画に仕上がっており、個人的には大好きな映画です。
これもっと多くの人に観て欲しかったなあ。
せめて自分の書いたレビューが、その一助にでもなってくれていればいいのですが。
来年はNetflixやAmazon Primeなどの外資系配信会社主導の作品も増えるようですが、それが日本のアニメ・シーンをどう変えてゆくのか。
楽しみなような、怖いような……。
明日は今年のベスト映画10本(旧作部門)の予定です。
お楽しみに。