『死の断崖』＠国立映画アーカイブ(19/01/19(sat)鑑賞)

出版社/メーカー: TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)
発売日: 2009/11/21
メディア: DVD
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本日の映画２本目『死の断崖』＠国立映画アーカイブに劇場入りしました。1982年放映のTVドラマ。いわゆる『火曜サスペンス劇場』枠の一編なんですが、主演が松田優作で監督が工藤栄一。社長令嬢との恋愛でしくじって転落してゆくエリートサラリーマンのお話だそうですが、さて。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月19日

『死の断崖』観終わりました。寂しい男の話。仕事はできるのだけど、出自の貧しさと陰気なキャラのせいで、周りの人々に疑われて、やがて嫌われてしまう主人公。お話の骨格はほぼ『銭ゲバ』なんだけど、肝の置き所を変えるとこうなるか、という。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月19日

『死の断崖』：大企業の社長秘書の尾形(松田優作)は、社長の娘と付き合い始めたことで逆鱗に触れる。誤解を解こうと、ふたりきりで話せる機会を求めて、社長のプライベートをつけたら愛人宅で倒れた場面に出喰わしてしまう。医者を手配し社長の一命を救うも、身辺を探っていたのかと疑われる。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：娘との交際を反対され、妊娠している子どもも堕ろす、尾形自身も僻地に転勤させると告げられ、尾形は病死を装って社長を殺害する。完全犯罪が成立し、娘とも結婚して一族に迎えられた尾形だったが、仕事が忙しくなって妻との時間を取れなくなり、些細なことから妻の疑いを招く。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：自宅で諍いになり、足を滑らせた妻が頭を打って事故死。だが、疑われることを恐れた尾形は、遺体を自宅から持ち出し、自動車事故を装って始末する。これも警察に疑われることなく終わったが、唯一、フランスから帰国した義姉が、尾形の身辺を探り始める……というお話。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：てなわけで、資産家一家に婿として入り込み、一族を亡ぼす出自の卑しい青年の話…というプロットの大枠はまんま『銭ゲバ』だけど、当人にはそんなつもりはなかった、というのが肝のお話。ただ警戒心が強く、なまじ優秀なので色々手廻しが良すぎて、却って信用を失うという(^^;; #fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：あと陰キャ…というか、普段からいまいち情緒が薄く、他人の感情にも勘が鈍いところがあり、その辺も相俟って一度相手の誤解が始まると、行き着くところまで行ってしまう。で、誤解を解こうとすると、結局、殺すか死なすかという地獄絵図に(爆 #fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：ラストは自分を疑う義姉を山荘に閉じ込めて、１対１の対決が山場……なんだけど、「どうしたらいいと思う？」「(２人殺して)３人目なんて無理だよぉ〜」と迫ってくるという、ホラーなんだか、ギャグなんだかよく判らない別の地獄絵図に(爆そして尾形が最後に求めたものとは…。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：先ほど『銭ゲバ』の名を挙げたけど、松田優作のフィルモグラフィの文脈で捉えるなら、やってることはエゴイスティックに欲しいものを力尽くで奪い取る大藪春彦キャラなのに、内面はまるで逆に反転している。松田優作が70年代を通じて演じてきたキャラの鏡像ですね。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：『陽炎座』(1981)が前年、『家族ゲーム』(1983)が翌年で、これ一作で松田優作が役の方向性を転換した…というのは言い過ぎなんだけど、間違いなく模索期の作品ではあって、そこに本作のような、かつて自分が演じた役の「再解釈」の作品が入ってくるのは非常に興味深い。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日

『死の断崖』：本編に戻れば、結局陰キャラなのが悪い…って、そんなもの直しようもないしなあ。あえて言えば、もっと早く破滅を受け入れていれば、とも言えるけど、しかしそんなこと言われても。主人公が最後に望んだのが「誰かに分かって欲しかった」というのがただただ寂しい。そんなお話。#fr19_n
— 義忠@C99金曜東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月20日