『バナナ』@ラピュタ阿佐ヶ谷(19/11/04(mon)鑑賞)
本日の映画1本目『バナナ』@ラピュタ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1960年公開。獅子文六原作。華僑のひとり息子(津川雅彦)とシャンソン歌手の卵(岡田茉莉子)がコンビを組み、バナナの輸入で一獲千金を狙うもそう簡単に話は転がらず……というお話だそうですが、さて。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』観終わりました。「有名になりたい」とシャンソン歌手になると言い出した岡田茉莉子のリサイタル開催費捻出のために、華僑の息子の津川雅彦が神戸の叔父からバナナの輸入ライセンスを譲ってもらって商売を始めたら大成功。調子に乗るふたりに怪しげな連中が近づき……というお話。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:初手から中国人社会が本土の中共系と台湾の国府系に分断されているナレーションから始まり、主人公の父(というより、彼も主人公)の在日華僑の資産家 呉天童(2代目尾上松録)氏が、そういう政治的対立から距離を措き、のんびり暮らしたがってる様子が描かれる。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:奥さんは日本人なので、息子の津川雅彦は日中混血。チャキチャキの江戸っ娘で現代っ子の岡田茉莉子と付き合ってる…というか、彼女の我がままに振り回されてる(^^;; だいたい「シャンソン歌手になりたい」てのもほぼ思いつきで、周りがその気になるとやる気なくすというな(爆 #fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:黙ってれば和製オードリー・ヘップバーン級の美人で、この性格に更に江戸っ子の男前なとこもあって非常にキュート♪ まあ、結局、彼女がすべての元凶のような気もするけど。ただ全体通して観ると主人公とこのヒロインのお話というより、在日華僑のお父さんの家族観のお話のような。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:このお父さんは、ウチに出入りしている大陸系中国人学生に学資を出しているけど、別に大陸支持というわけでもなく、この学生から議論を吹っかけられても、ニコニコ笑って「僕は美味しいものさえ食べられれば、それでいいのさ」と取り合わない。政治的対立から超越していたいのか。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:まあ、この学生(小池朝雄)も調べてみたら学籍が存在しない、在日華僑でも黒社会系の有力者の元にも出入りしていると、とてもうさん臭い(^^;; この青年がバナナ・ビジネスで大金を得た息子に近づいて何やら企んでいる様子……。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:まあ息子の話はともかく、お父さんが奥さんから帰化を勧められても乗り気ではないのは、中国人としてのアイデンティティ云々というより、国家に深く帰属することを嫌ってる感じ。戦時中に色々あったのかしら……(匂わすようなことは口にする)。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:このお話、原作者も監督も役者も日本人なので、(まあ在日華僑に取材くらいしたろうけど)この時代の日本人の抱く「身近な隣人」としての在日華僑イメージに近いのかな。それでも同時代の邦画に見られる中国人像より、ステロタイプ臭が薄く感じられます。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:作中でお父さんがおどけて「カラテ(空手?唐手?)」の振りをしたり、息子がカラテで悪漢たちと格闘するシーンがあったりと、この時代は中国人と言えばカラテ使いだったのかな(^^;; 1973年の『燃えよドラゴン』でのブルース・リーも空手扱いだったので、中国拳法=空手だったのか。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:その一方で、小池朝雄演ずる大陸系青年のように、ぬめっとした得体の知れなさとかもあって、それもまたこの時代の日本人の持つ中国人像でもあったのでしょう。その一方で、あんまり儒教的な奇異なエスニック描写はなく、生活描写は日本人の富裕層とあまり変わりはない。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:この映画では、やはり在日華僑を「身近」に描き、日本人の観客から見てもその家族像、父親像に想いを重ねられるように描かれている。息子たちの友人たちも、ヒロインの家族も、別に華僑だからといって構える風でもなし。この辺のさじ加減が面白いですね。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
『バナナ』:「家族の物語」の描き方が今の映画のメソッドと違って、全然ドライにも感じられるんだけど、それでもラストでお父さんが飄々と父親としての役目を果たしにゆくとことか、観終わった後味も爽やか。それにつけても、ヒロイン岡田茉莉子の喰えないキュートさも魅力の映画でした。#fr19_n
— 義忠@諸々活動中「物語工房」 (@yoshitada_n) November 4, 2019
■監督フィルモグラフィ:渋谷実(1907年~1980年)
李香蘭 山口淑子 DVD5巻セット 蘇州の夜 サヨンの鐘 わが生涯のかがやける日 初恋問答 野戦軍楽隊 SKRI-005
- 出版社/メーカー: 株式会社ケイメディア
- 発売日: 2014/09/29
- メディア: DVD
- この商品を含むブログを見る