『探偵事務所23 銭と女に弱い男』@池袋新文芸坐(20/03/13(fri)鑑賞)
本日の映画2本目『探偵事務所23 銭と女に弱い男』@池袋新文芸坐に劇場入りしました。1963年公開。大藪春彦原作の探偵ライトアクション。続編あったのか(^^;; 前作は鈴木清順監督作品なので、名画座でちょいちょい掛かるのだが、柳瀬観監督のこちらは滅多に上映されないので、この機会に。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月13日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』観終わり。前作は大藪春彦原作とは言え、監督である鈴木清順のカラーもあってか、ポップなスラップスティック色があったけど(カラーだったし)、今回はモノクロで敵幹部の葉山良二と「女房」の星ナオミを挟んでのブロマンスもありのハードボイルド風味。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月13日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:情婦のヤサから出たところで、凄腕の銃の名手による暗殺の現場に出喰わした探偵事務所23所長、田島秀雄(宍戸錠)。第一発見者として新聞に顔写真が載ったことで、当の犯人である香港組織の幹部にして殺し屋・劉植文(小池朝雄)の接触を受ける。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:一方、沖縄ルートの密輸品を扱っているという銃砲店の調査依頼を、ライバル店と警視庁捜査一課から受ける田島。半ば強引に店の組織に潜り込んだものの、銃砲店店主の宮城(葉山良二)の「女房」である万里(星ナオミ)により、宮城との同居を命じられる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:宮城に警戒されながらも、徐々に信頼を得て、銃砲店の背後に存在する香港の秘密結社「14J」の秘密に迫る田島。それと並行して、対立組織を殲滅させた劉が、宮城を失脚させて香港に召喚して粛清せんと策謀を巡らせる。田島はそれを察知するが……。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:前作は鈴木清順がやりたい放題やらかしたので(^^;;、大藪春彦原作にも関わらず、ポップでスラップスティックな探偵アクションに仕上がってて、それはそれで面白かったのだけど、今回はその意味では大藪春彦色が強くなってよりハードボイルド風味。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:前半こそ、主人公が探偵事務所で面白特訓したり、変なライター使ってたりと前作から継承のコミカル描写が多いものの、潜入捜査がはじまると、互いに警戒しつつ、絆を深めてゆく宍戸錠と葉山良二のブロマンスに傾斜してゆく。間に女挟むのもベタだよね(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:話が進んでゆくと、香港の犯罪組織構成員なのに東京で銃砲店店長なんかしている葉山良二は、本来国民党参謀で「14J」創設メンバーなのに、国民党の大陸離脱以来、犯罪組織化してゆく組織内で主流派から外されての左遷人事だったことが判ってくる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:作中のこの「14J」は、勿論、実在の黒社会「三合会(トライアド)」系列の「14K」をモチーフにしたものですね。数多ある日活アクション映画でも、その創設背景の説明まで踏み込んでこういうディティールを描き込んでくるのは大藪春彦原作っぽい。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:大藪春彦っぽさで言えば、前作では主人公がオリンピックの拳銃射撃選手という設定(そんなのあったっけ(^^;;)は特に深掘りされなかったけど、本作では射撃練習場のシーンがしっかり描写され、怪しげな日本語を使う小池朝雄とのファーストコンタクトもここ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:話の舞台も銃砲店だったり、大藪春彦っぽいだけでなく、この時代の日本社会での市井の銃文化(ガンカルチャー)の在り様を垣間見させて興味深いです。主人公のような拳銃の所持許可を持った私立探偵はさすがにファンタジー……なのか、どうなのか(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:米軍流れの違法銃器の製造番号偽造して、店頭販売しちゃうなんて荒技、当時の銃砲業界のあるある話だったのかしら。入荷数と販売数の伝票調べたら一発でバレそうなものだけど。いずれにせよ、市民社会と銃が今よりずっと近かった時代のお話ですね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:物語は、かつての理想を失ってただの犯罪組織に成り下がった組織から、それでも抜け出せずにもがく葉山良二に思い入れを深めてゆく。仕事は「銭と金」で選ぶと嘯(うそぶき)きつつ、結局、それ以外のことに入れ込んでくと言うね(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:それと本作のもうひとつの特徴は、「組織」と対決する話だけれど、葉山良二にせよ他の構成員にせよ、「組織」に属しながら、ぎりぎりのところで自分の利害や怒りを優先して統率から外れ、事態を引っ掻き廻す。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:どんな強大凶悪な「組織」と言えども、所詮は自由に思考する「個人」の集合体だ、という組織観で物語全体が貫かれているのは、原作が大藪春彦だからか、1960年代という時代の空気がそうだったのか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:そんな感じで、ベタなお約束を日活らしくスタイリッシュな絵作りでまとめているのだけど、悪者は夜でもサングラスとか(^^;;、ちょっと記号化が過ぎる気もする。この辺を是とするかどうかで、評価は分かれそうですけどね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:監督は鈴木清順らの助監督を務めて、本作で監督デビューを果たした柳瀬観。その後、舟木一夫の映画とか撮ってた人ですが、やがて映画からTVドラマの世界に移り、映画監督としてのフィルモグラフィーは60年代で終わっています。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:デビュー作でこの出来なら、もっとアクション映画を撮っておいて欲しかったところなのだけど、この時代の監督さんにしては撮った映画の本数は多くなく、本作を含む数少ないアクション系のタイトルのいずれもDVDは出ていません。もったいない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日
『探偵事務所23 銭と女に弱い男』:そんなわけで、あまり観る機会の多くない本作ですが、前作の軽みを継承しつつ、宍戸錠と葉山良二のスタイリッシュなブロマンスというのは、そうそう他では観れない作品ですので、機会がありましたら、是非。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月15日