『この世の果て、数多の終焉』@渋谷シアター・イメージフォーラム(20/08/15(sat)鑑賞)
本日の映画2本目『この世の果て、数多の終焉』@渋谷シアター・イメージフォーラムに劇場入りしました。WWII末期、仏領インドシナ(ベトナム)で、協力関係にあった仏軍に日本軍がクーデターを仕掛けて駐屯地を襲撃。それを生き延びた兵士のジャングルでのゲリラ戦のお話だそうですが、さて。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』観終わりました。WWII終戦半年前に日本軍の奇襲によって兵士とその家族を全滅に追い込まれた仏軍兵士の生き残り。しかしその憎悪は、その手引きをしたベトコン指揮官に向かう。日本軍降伏後も彼の復讐のベトコン狩りは、いつ終わるとも知れず続くが…というお話。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:言われてみれば、本国フランス解放後の仏印のフランス軍ってどうしてたんだっけ?……という有様なので、ちょっと劇中の素っ気ない説明だけだと、歴史的経緯が判りづらい。パリ解放は前年1944年8月だし、何で45年3月になって日本軍が仏軍を襲撃するのか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:それも仏軍全体と全面衝突した風でもなく、特定の駐屯地だけの出来事のように描かれる。虐殺から脱出した主人公は、別の連隊に収容されるしね。まあ前線部隊間の衝突で、仏軍自体はすぐに日本軍と手打ちした(泣き寝入りした)ということかもしれないけれど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:更に判りづらいのは、主人公の感情で、虐殺の当事者ははっきりと日本軍描かれているのに、彼が憎悪するのは、その場にいないベトコン司令官であって、彼が手引きしたと固く信じている。その後の彼の戦う相手は、一貫してジャングルに潜むベトコンだ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:これは物語に論理的整合が欠けている、というより、主人公の心理における論理的整合性が始めからおかしく、更に言えば、この時期の仏軍仏印駐留軍の論理やフランス本国の仏印政策が論理的整合性を失いつつあったことを意味してるのかなあ、とは思う。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:以後、主人公はジャングル奥深くに遠征し、基地に戻って来れば、死んだ兄の友人だったという作家と対話し、あるいはベトナム人娼婦に耽溺してゆく。彼女への愛が、復讐の憎悪の炎を消してしまわないか、怯えながら。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:そんなわけで、戦争映画とは言え、どちらかというと、内省と対話の映画です。戦闘は唐突に発生し、一瞬で過ぎ去ってゆく。虐殺事後の惨殺屍体が無造作に転がっていることはあっても、その瞬間の恐怖とスリル、興奮が描かれることはない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:復讐が動機とは言え、仇と狙うベトコン指揮官の行方は一向に掴めず、手応えがない。そもそも、部下の多くは地元のベトナム人で、内通者もいそうで、どこまで信じていいのかも判らない。遠征のたびに焦燥だけが募ってゆく。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:そうした戦場の虚無と疲労感の映画と捉えると、フランス人のインドシナ戦争の感情的な総括でもあるのかな。結局、この後、米国が引き継ぐというので、さしてゴネるでもなく丸投げしてフランス人は本国に引き上げてしまうんですが。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日
『この世の果て、数多の終焉』:日本人も序盤ちょっと絡むとは言え、この時期のインドシナ(ベトナム)情勢は日本人の視野からすっぽり抜け落ちてるんで、そこは興味深かったです。とは言え、もうちょっと背景状況掴んでからでないと、辛かったかな。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月15日