『ジョゼと虎と魚たち(2020)』@新宿ピカデリー(21/01/03(sun)鑑賞)
【12月25日公開】アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』冒頭シーン大公開!!
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本日の映画2本目『ジョゼと虎と魚たち(2020)』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。2003年に実写化されてる田辺聖子原作小説のアニメ化。キャラデザのイメージから、実写版や原作より生々しさを抑えて、プラトニックな少女マンガ風にしてるんじゃないかと思うんですが、どうなんでしょうね。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月3日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』 観終わりました。22歳と24歳の男女の話にしてはきれい事に過ぎるが、きれい事も貫き通せば、それはやはり美しいのだ、というお話。実写版とは着地点が違うので完全に別物だが、別の映画として見事に整ってるので、これはこれで文句ないかな。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月3日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:祖母と暮らす足の悪い女の子と大学生の男の子のお話……という点では実写版と同じなのだけど、実写版のように男の子側にセフレがいたりはせず(^^;;、今時高校生向けの少女マンガでも、もうちょっとさあ、というくらいプラトニックできれいなお話になっています。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:22歳と24歳の男女の恋愛なんだからそこはねー、というのが実写版の関係性描写だったのだろうけど、まあヒロインは引きこもりで実質女子中学生並のメンタリティだし、アニメ版の清潔感のあるキャラデザなら、ギリ有りかな。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:でもそれだけだと本当に「きれい事」で終わってしまうので、どうするのか……と思ったら、中盤で劇的な転換点となるある「事件」が起きる。そこから実写版とは明らかに別ルートに切り替わってゆくのだけど「そう来たか!」と膝を打ちましたね(^^) #fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:以下、多少のネタバレを許されるなら、性愛的な関係性で共感を深める実写版に対し、男の側をヒロインと同じ視座に立たせ、自身がヒロインに投げかけていた言葉の「きれい事」と当事者性を持って対峙する構造へと持っていった作劇の手腕は、お見事でした。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:同時にそれは、この手の話が陥りやすい「可哀想な女の子とボク」のポルノ的な陥穽を脱し、男の側とヒロインの役割の逆転を通じて対等な関係性を描き、実写版とは異なる美しさと尊さを伴った着地点へと物語を導いてゆく。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:…とまあ、大絶賛しましたが、とは言え、ですな。本作の在り様をまずは肯定しつつ、やはり「美し過ぎる」ことの危うさも指摘する必要もあると思います。セフレまでいた実写版の男の子像に対して、アニメ版は観客の不快点をあらかじめきれいに取り除いている。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:脈絡なく不意に牙を剥く外の世界の害意や悪意を、本作では「虎」に象徴していて、それ自体は描かれる(タイトルにもあるし)のだけど、実写版で性的なハラスメントまで「我慢すればいいんだ」とヒロインが受忍しようとするような場面は省かれています。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:そこまでいくと、「感動の恋愛映画」から逸脱して、障害者女性を取り捲く社会構造の告発へと踏み込んでしまう。啓発主義のインド映画を観慣れてると「別にいいじゃん」とか思わないでもないけど、日本アニメはそういう社会批評性を避ける傾向があるしなあ。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:「どこへ持っていっても毒にもクスリにもならないコンテンツ」であることで、日本アニメは国際性を獲得してきた経緯があるので、ほとんど無意識のレベルで毒抜きが行われたのは想像に難くないのだけど、「それでいいのか」という視点は在って然るべきでしょう。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:脱線ついでに続けると、日本アニメでも新海誠なんかは『天気の子』で環境問題とか女の子と性産業の問題を平気でぶっ込んできているので、作家性主導の企画なら通るけど、企業体とか製作委員会主導だと尖った社会性が無難にまるめられやすい、という話なのかも。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:だから、現実の障害者の方が、本作を「きれい事に過ぎる」と批判するのも判るし、本作の外側に描かれなかった外縁に更に厳しい現実があるということは、頭の片隅に置いて欲しい、という前置きの上で、なお本作で「きれい事」を貫いたことは大切だと思うのです。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:厳しい現実認知を欠いた物語は「報道的機能」としては間違いなのだけど、しかし物語には人々が目指すべき世界の美しさを指し示す役目もある。仰ぎ見て、そこへ行こうと観客に思わせる道を示すために、万難を廃して「きれい事」を貫くのもひとつの在り様ですよ。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:その道標(みちしるべ)があるから、人はその美しい理想の世界を目指すことができる。だからまあ、所詮、外見主義(ルッキズム)と言われようと、美男美女の恋愛映画にも意味はある、と思います、自分はね。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:古典的な「可哀想な女の子のお話」の類型を超え、「きれい事」を貫いて対等な存在として互いに敬意を育む男女の普遍的な恋物語に昇華した本作を、私はこれはこれで有りだと感じました。今回「アニメ」という表現手段が選ばれたのも、そのためなら理解できます。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日
『ジョゼと虎と魚たち(2020)』:で、それはそれとして。この映画の後、『私をくいとめて』で小4女子のメンタリティで実年齢31歳女子ヒロインの妙なリアリティを見ると、年齢に応じた成熟のロールが機能しない時代なので、別にこの映画の高校生みたいな恋愛観も有りなのかなとか思ってみたり(爆 #fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月4日