本日の映画2本目『ドライブ・マイ・カー』@池袋シネマ・ロサに劇場入りしました。村上春樹原作、濱口竜介監督。昨年はあれよあれよという間に、国際映画賞を総ナメして、オバマ元大統領の昨年の推薦映画に選ばれ、アカデミー賞も伺おうか、という本作。すっかり遅ればせながらですが。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』観終わりました。君去しのちの物語。20年連れ添った妻を失った舞台演出家が、チェーホフ作品の舞台化と劇場への行き帰り車内で、深く傷ついていた自身の内面と悲しみに向き合う。究極の私的空間である自動車車内で自意識を掘り返す話だから、そりゃあ米国人好きよね。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』:非常にわかりやすい例えとして、車内空間は主人公の内面世界で、そこで自分でハンドルを握って運転していた序盤から、妻の運転をハラハラしながら助手席で眺めたり、舞台の規約で指定された運転手に任せる羽目になったり、車=自意識のコントロールの話になる。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』:それと主人公は俳優でもある演出家で、奥さんの死後も、奥さんが生前に吹き込んだ舞台脚本の音声を聞いている。主人公は奥さんと仲睦まじく愛されていることを確信しつつ、手酷い裏切りも受けていて、その整理がつかぬまま、車内では奥さんの声に包まれている。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』:外ではしれっと真っ当な社会人面しながら、車内ではすっかりあかん感じに拗らせてる(^^;; そのまま感情を凍結させた自動機械として社会人をやってたところへ、雇われ運転手や同乗を許した人々との会話を通じて悲しみと向き合って人間性を取り戻してゆくお話ですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』:そうした車内で起きる出来事も興味深いんだけど、本作はそれとは別に、舞台の題材であるチェーホフの『ワーニャ伯父さん』や、奥さんが寝物語に語っていた女子高生の話など、さまざまな物語が多層のレイヤーとして折り重なって響き合っている。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』:特に作中の舞台では、多国籍の俳優がそれぞれの母語でチェーホフを演るという企画を、オーディションからワークショップを重ねて芝居を練り上げてゆくプロセスを丁寧に描く。そこで描かれる脚本(テキスト)/俳優/芝居の関係性の結び方は非常に興味深かったですね。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』:奥さんとの関係性を最小単位に含む広義の社会性とするなら、社会人であることを優先して、自分自身と向き合ってこなかった男のお話なんですよね。それは非常に普遍性の高いテーマで、ジェンダーの問題であると同時に、ジェンダーを越えたテーマでもある。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日
『ドライブ・マイ・カー』:それは世界で賞も取りますよ。国際的な映画論壇のテーマ性の文脈に乗ってるんだもの。とはいえ、それはそれとして、大人が大人になりすぎたことで失ったものを取り戻すお話として、静かに胸にくる映画でもあります。アカデミー獲って凱旋上映とかしないかなー。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年1月1日