積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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物語の強度

 ところで、『ガンダム00』ネタを扱ったら、いきなり(ってほどの数でもないけど)アクセス数が増えたんですが、やっぱり流行りものは強いですな。
 でもなぁ、あそこまで行き当たりばったりな話だと、語りたいテーマの説得力も失われちゃうだろう。
 
「あんまりマニアックな話をやると、スイーツなお嬢さん方がついてこれない」って意見もあるけど、実はそれ、嘘なんだよね。
 でなきゃ、『[asin:B000OPVT7Y:title]』なんてあんなヘビーな話、世界中でヒットなんかするはずがない。
 勿論、ディティールにこだわりすぎることが正しいとは思わないけど、作品世界の根幹の部分で政治や経済、更に言ってしまえばコミュニケーションの本質の部分について、そこに嘘がなければ観客はついてきますよ。
 だって、それは自分達の日々過ごしているコミュニケーション空間と確かに繋がっているのだから。これ以上の感情移入のチャネルはない。
 そして、物語の根幹部分で誠実であろうとすれば、おのずから表現レベルで要求される現実性(アクチュアリティ)も規定される。
 その要求に沿って表現している限り、それはマニア向けのトッピングではなく、物語の必然的表現だし、それは軍事や政治に疎い女性や子供に対しても充分に訴求力足りうる。
 逆に、そこを飛ばして観られたくらいで話の筋が通らなくなるような作品なら、それは物語の本質が脆弱なだけですよ。制作者はむしろそこにこそ恥じ入らなければ。
 
 そんなわけで、今回のエピソードで露呈してしまった『00』の表現のぬるさは、語るべきテーマへの誠実さすら視聴者に疑わせるほど、非常に深刻な事態であることを制作サイドには理解して欲しいのですが。