士郎正宗『攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER (KCデラックス ヤングマガジン)』
攻殻機動隊1.5 HUMAN ERROR PROCESSER (KCデラックス ヤングマガジン)
- 作者: 士郎正宗
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/03/13
- メディア: コミック
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つか、掲載されている作品は既にデジタルコミック版の『攻殻機動隊 1.5』に収録されているものばかりなのだけど……いや、買いましたよ。お布施ですから。
何せ現役高校生の時代に、東京に住む従姉妹のお姉ちゃんにすがって『アップルシード (1) (Comic borne)』と『アップルシード (2) (Comic borne)』を送ってもらって以来のファンですもの。当時、そのあまりに精緻でエッジの効いた世界観に、田舎のぼんくら高校生だった自分は腰を抜かしたものですよ。
作中のちょいとした小物にまで、技術的背景どころか哲学の領域まで設定を練りこんで世界観を構築するところとか、実に衝撃的でした。
若い人は知らんでしょうが、当時のちょいとセンスのいいクリエイターは、みんないかに自分流にシロマサ・センス(笑)を取り入れるか躍起になったものさね(昔語)。
そういえば自分が特殊部隊好きになったのも、士郎正宗の所為といえば所為なんだよな。
そんなわけで、すっかりマンガを描かなくなって、イラストレータか企画屋みたいになってしまった今でも、そんな青春の頃の尻尾をなかなか切り捨てられない中年シロマサ・ファンは少なくない気がする。
そんな連中を狙い撃ちする、実にいやらしいこの企画。
そうと判っていても手を出さざる得ないオヤジの哀切、どうぞお笑いくださいませ。
でもこの本に収録されているエピソードのようなハイテク公安アクションこそ、まさにシロマサ・ファンが士郎正宗に求めていたテイストではあるのだよなぁ。
あぁ、この頃のシロマサに戻ってくれれば……って、これでマンガの『攻殻機動隊』は終了?
まぁ、『攻殻機動隊 (2) KCデラックス』を見る限り、もうまともにコンテ切る力なくしてたからなぁ……。あんまり衝撃でもなかったり。
こうやってひとつの時代が暮れてゆくのか(しみじみ)。