大岩ケンヂ『99（ツクモ）ハッピーソウル』

99ハッピーソウル (カドカワコミックスAエース)

　コミック版の『NHKにようこそ』のヒットで、滝本きゅんに夢の印税生活を提供した大岩ケンヂのオリジナル作品。
　数年前の作品なのだが、洗練された絵柄は原作抜きのオリジナルなためもあってか、いっそ自由奔放といっていいくらい実にいきいきと動き、崩れ、決まる。ちょっと薄めの胸のヒロインたちの脱ぎっぷりも清々しい（笑）。
　まぁ、基本設定がヒロインと母の形見のピ○クローターの精霊のコンビが捲き起こす、学園ハレンチ・コメディというかっ飛び具合からして、例え打ち切りにならなかったとしても決してメジャーには成りえない作品だったのだろうけど、何もかも振り切って走り去るようなこの疾走感は悪くない。
　大岩ケンヂがいつか再びオリジナルを手掛ける日がとても楽しみになる作品だ。