『あの日の声を探して』@新宿武蔵野館(15/4/29(wed)鑑賞)
x引き続き本日の映画2本目『あの日の声を探して』@新宿武蔵野館に劇場入りしました。こちらもチェチェン紛争を背景にした陰々滅々なお話みたいです。……いやぁ、他人様の戦争ネタに「感動しに来ました」ってのも、罪悪感が(ー ー;) pic.twitter.com/yW7oZGy7Sh
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015, 4月 29
『あの日の声を探して』観終わりました。チェチェン紛争を舞台に、両親を殺されて一家離散に追い込まれた姉弟、EU人権委員会の調査員として難民キャンプに滞在する仏人女性、強制入隊で軍隊に放り込まれたロシア人少年の、それぞれの戦争を描く物語。これも雑な戦争が無駄な悲劇を生んでる話ですな。
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『あの日の声を探して』:まず9歳の男の子が目の前で両親殺されて、幼い弟抱いてひとりで逃げ出すところからして、キツイんですが、このままでは逃げきれないと判断して、民家の軒先に弟置いて逃げるとか、追い込みをかけるかける。たったひとりで、黙って「正しい判断」を下し続けてくんですな。
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『あの日の声を探して』:この歳にして、この判断力と決断力はまさにサバイバルの天才なんですが、その「決断ができる」ということと、「その決断で傷つかない」ことは別でね。喋れなくなったこの子が、難民キャンプで自分のバッグから、弟の衣類が出てきて、それを見て声もなく泣くとことか、な。
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『あの日の声を探して』:凄い演技力の子役なんだけど、実際に、チェチェン難民の子なんだそうで、この演技力をこの歳で身につけるには、どれだけ地獄を見てきたんだと思うと、それもまたキツい。いや、古今東西、戦争があるところには、どこにでも普遍的に転がってる話ではあるのだけど。
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『あの日の声を探して』:ぼんやり生きてきたロシア少年が、軍隊で死と暴力に慣れ、戦場に適応してゆく過程のエグさとか、「感動大作」というより「戦争を直視する」方が主眼なのかな。軍隊描写がどこまで正確なのか知らないけど、グルジア軍全面協力で戦車も装甲車も山盛り出るぞ!
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『あの日の声を探して』:いや、まぁ、ロシア陸軍の今の歩兵操典って、こんなに歩兵の突撃に偏ってたかなぁ、とか引っかかる点はあるのだけど、チェチェンのロシア軍が相当にエゲツなかったという話も聞くしなぁ。隊内のいじめとか、現場の荒みようとか、90年代のロシア軍なら有り得なくもないけど。
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『あの日の声を探して』:一方、EU人権委員会の女性調査員は、先の言葉を失った少年を引き取って同居しながら、EUを動かそうと悪戦苦闘する。ここでキーワードになるのが「他人事」という言葉で、こういう世界で起こっている悲劇にどう当事者性を持って向かい合うか、というのも本作のテーマ。
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『あの日の声を探して』:だいたい、私たちは私たちの日常を生きてるだけで精一杯なのであって、遠い異国の悲劇に首を突っ込む義理もリソースもない。しかし、自分自身を誇りも尊厳もある「人間」として定義した時、この悲劇を無視して「生きている」と言えるのか? 文明人の矜持が問われるんです。
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『あの日の声を探して』:そこにロシアから天然ガス供給に依存するEUとして、どこまでロシアと対峙できるのか、とかまた冷戦に戻して軍事費増やすのか、とかの国際政治の事情などがせめぎ合った挙句、実際のEU(と世界の)微温的な抗議で終わり、ぶっちゃけチェチェンは国際社会から見捨てられた。
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『あの日の声を探して』:しょうがない。まぁ、しょうがないんだろうけど、チェチェンの悲劇は間違いなく、その後のウクライナ紛争に間違いなく繋がっていったわけで、結局、隣町の火事を放置してると、いずれ自分の家にも火の粉は飛んでくるのだ。
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『あの日の声を探して』:ただそうは言っても、現実は複雑で、上っ面の理解で解決を急いでも本当の解決には繋がらない。当事者性を持って問題と向き合うことの重要性と、どうやってそれを得るべきなのかについて、いろいろと考えさせられる映画でした。
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