『兵隊やくざ』@ラピュタ阿佐ヶ谷(19/01/03(thu)鑑賞)
本日の映画『兵隊やくざ』@ラピュタ阿佐ヶ谷に劇場入りしました。1965年公開。勝新太郎&田村高廣主演。大戦末期、ソ満国境近くの陸軍部隊に放り込まれたヤクザ出身の初年兵とインテリ三年兵のコンビの活躍を描くシリーズ第1作。これ前から観たかったんだよね(^^) #fr18_n pic.twitter.com/WnY2BKU52a
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月3日
『兵隊やくざ』観終わりました。今観ると完全に兵隊BL(^^;; 軍隊組織内で三年兵と初年兵という田村高廣と勝新太郎の関係性が、ラストの大脱走でひっくり返る。割と本質は共感の深化と関係性が逆転するダイナミズムのお話なんで、その意味でもBLって解釈でいいと思うんですよね。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月3日
『兵隊やくざ』:BL云々はちょっと置いといて(^^;; 後のシリーズは未見なので不明ですが、第1作の本作では、戦後日本に帰還した田村高廣演ずる有田上等兵が「20年前」の兵隊時代の思い出語りとして語られます。今の古参オタクが90年代末の美少女ゲームのシーンを語るようなものと考えると(爆 #fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:後のシリーズ作では変わってくるようですが、基本的に軍隊社会内部のサバイバルがメインで、外部の中国軍などとの戦闘は描かれません。ソ満国境付近配属なら、国境地帯のパトロール任務とかやってそうだけど、一切そういう描写はないからね(演習で行軍とかはしている)。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:本当にやってなかったのかどうかはともかく、小説書いたり映画撮ったりするような当時のインテリの軍隊の印象は、隊内で延々と続くイジメと暴力によるマウンティングの場であって、「こんな集団、とっとと滅びろ」とか、割と真剣に思ってた辺りがひしひしと伝わってくる(^^;; #fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:物語の語り手である有田は、そういう軍隊社会を嫌悪して、下士官になるのを拒否して上等兵のままでいる。下士官(伍長とか軍曹とかね)になると、現場レベルとは言え指揮権限が与えられるので、軍隊組織の中により組み込まれる。それが嫌だったんでしょう。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:しかし嫌悪しながらも、生き延びるために軍隊社会の観察を怠らない男でもある。彼の見るところ、軍隊は暴力を貨幣とする市場であり、彼我の勘定がきっちり合うまで暴力の応酬が続く。勘定を合わせられずに行き着くところまで行けば、人が死ぬ。最後は弱者の生命で払わされる。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:作中でその軍隊観が言葉で説明されることはないけど、暴れる大宮二等兵(勝新太郎)を止めるタイミングなどを見ると大体察することができます。大宮二等兵の顔が血まみれになるまで上官の暴行を見守りながら、暴力の勘定が揃った時点で反撃を許す。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:すべての暴力は勘定なんですよね。だけど、そういう勘定を無視して大宮二等兵が暴れる(^^;; 勘定ではなく感情で動き、理不尽な暴力には報復し、許せない上官には殴り込みを掛ける。後先など考えない。すべてを冷たい暴力の勘定でしか捉えられなくなった自分とは対照的に。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:自分にないロジック、自分にない熱量で世界を捉える男であるが故に、有田は大宮に惹かれ、彼を守ろうと知略を尽くし、最後には大宮二等兵に押し切られるように脱走計画に加担する。それをBLと呼ぶかどうかはともかく(^^;;、その関係性のダイナミズムこそこの映画の肝ですよ。#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
『兵隊やくざ』:外敵とはさっぱり戦わない話なので、「戦争映画」としては絵面の派手さは乏しいのだけど、意外と観終わったときの満足感があるのは、その辺の関係性のダイナミズムと閉塞を打ち破る痛快さがあるからなんでしょう。……いや、まぁ、この先何やるんだという気もするけど(^^;;#fr19_n
— 義忠@夏コミ申込み中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2019年1月4日
■監督フィルモグラフィ:増村保造(1924年~1986年)
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