『泰造』@東京国立近代美術館フィルムセンター(16/5/19(thu)鑑賞)
遙かなりわがアンコールワット―一ノ瀬泰造写真集 (1981年)
- 作者: 一ノ瀬泰造
- 出版社/メーカー: 一ノ瀬泰造写真集刊行委員会
- 発売日: 1981/07
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本日の映画『泰造』@東京国立近代美術館フィルムセンターに劇場入りしました。1985年公開。カンボジア内戦で死んだ日本人カメラマン、一ノ瀬泰造の伝記映画だそうです。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月19日
『泰造』観終わりました。1973年、内戦下のカンボジアで、共産党軍の支配下にあるアンコール・ワットを目指して行方不明となった若干26歳の戦場カメラマン一ノ瀬泰造。彼と母親の書簡の朗読と遺された写真、そして最後の帰郷の日々を中心としたお話でした。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月19日
【追記】ここから下、タイトルが『泰三』になってますが、正しくは『泰造』です。
『泰三』:そんなわけで、夭折の戦場カメラマン、一之瀬泰三の伝記映画です。特徴として、家族や友人に宛てた手紙、特に母親との往復書簡の朗読と、彼が撮影した写真(スチル)や動画を組み合わせたパートと、カンボジアで失踪する直前の最後の帰郷を描くパートで構成されています。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:学園紛争たけなわの日大芸術学部写真家を卒業後、UPI通信社に短期間勤務。自費で東南アジアの戦地に飛び、フリーランスのカメラマンとして活躍するも、共産軍支配下のアンコールワットを目指して失踪。後にクメール・ルージュに処刑されていたことが確認されています。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:彼が戦場カメラマンとて活動していたのは実質1年半ほどで、その間に敵味方の血しぶきを浴びるような最前線で、そこに生きる市井の人々の写真を多く遺し、その短くも鮮烈な人生で、青春のアイコンとして今も語り継がれています。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:映像化も何度かされていて、この映画の外、1999年に浅野忠信主演で『地雷を踏んだらサヨウナラ』、没後30年の2003年にはドキュメンタリー映画『TAIZO〜戦場カメラマン・一ノ瀬泰造の真実〜』が公開されています。……基本的な情報としてはこんなところで。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:で、まぁ、そんなわけで、主人公の一之瀬泰三は70年代初頭の人なんですが、こうして見ると70年代前半の青年のパワーというか、無茶具合は後の世代と格が違うというか。80年代にはこういう若者はいなくなる。いや、いたかもしれないけど、アイコンにはならなくなってる。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:それを一之瀬泰三死後10年経って、80年代半ばに郷愁や憧憬を持って振り返っているのがこの映画。彼の劇的な人生を劇的に描くのではなく、おそらく最後にして唯一の内省の季節であった帰郷時のお話を中心に描くのは、80年代だからなのかな。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:とは言え、再現パートとして、装甲車や歩兵戦闘の場面もちょっと出てきます。おそらくタイ軍辺りの協力かな。あの当時は、米軍お下がりの装備品がタイやフィリピンに流れてたはずだから。また本人撮影の捕虜交換の動画とか、貴重な映像も見れます。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:まぁ、普通の社会人の人生なら25~6なんて小僧同然ですよ。そりゃあ、無茶もするでしょう。でも好き好んで矢弾の飛び交う戦場で、最前線ににじり寄ってシャッターを押して帰ってくる。当時の若者としても破格の人生だったのだろうけど、これが70年代のエネルギーなのか。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:で、構成的にちょっと面白いと思ったのが、台詞という意味では、書簡を朗読する戦場パートの方が饒舌で、役者の芝居中心で描かれる帰郷パートでは、あまり言葉では内面は語られない。日常会話はするけど、内面を言葉で語るわけではない。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:いや、でも、どうなんだろうね。戦場で書く手紙の中でも、本心を語っているとは限らないしね。それを踏まえて、故郷で癒されながら、戦場に戻る覚悟と不安の水位を静かに高めてゆく彼の姿こそ、この映画の核であったのかもしれない。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:若くして亡くなったとはいえ、20数年間にも及ぶ人生を描く伝記映画で、どこを切り取るかこそが作り手のメッセージであり、思想そのもの。それが、この劇的なる人生を送った若者の中の、最後の帰郷と穏やかな内省の日々であったのは、いい着眼点だったと思います。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
『泰三』:ビデオ化もされてないようなので、こういう機会でもないと観れない映画ではありますが、機会がありましたら是非。他の映像化作品も、機会があったら当たってみましょうかね。#fr16_n
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年5月20日
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