『アンダーカバー』@ヒューマントラストシネマ渋谷(17/2/28(tue)鑑賞)
本日の映画『アンダーカバー』@ヒューマントラストシネマ渋谷に劇場入りしました。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) February 28, 2017
『アンダーカバー』観終わりました。『ハリーポッター』のダニエル・ラドクリフが、頭をゴリガンに剃りあげてネオナチ・コミュニティに潜入する若きFBI捜査官を演じる実話ベースのお話だそうで。まぁ、トランプ政権成立と深層底流で繋がってる話ですね。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) February 28, 2017
『アンダーカバー』:北アフリカから猛毒のセシウムが密輸され、行方不明となる。イスラム過激派の犯行と決めつけるFBI捜査本部主流派に対して、国内極右過激派の犯行と睨む女性幹部は、若き捜査官ネイト(ダニエル・ラドクリフ)を単独で極右コミュニティに送り込むが…というお話。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:潜入捜査官に求められるのは、銃の腕前でも格闘技の強さでもなく、捜査対象に近づくコミュニケーション能力と、相手の心を開かせる共感力…なので、元いじめられっ子で友達のいない(そのくせ、容疑者には共感して同僚からウザがられる)ラドクリフ君はぴったりw #fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:まぁ、とはいえ、前世紀に憲兵隊の潜入捜査官として極右組織に潜ってたチョビ髭の伍長が、最終的にどうなったかを思い出せば、この話がどれだけヤバいかよく判る。闇の深淵を覗く者は、また深淵からも覗かれるのだ。しかし、共感のナイフなしに闇の底へは潜れない。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:ネオナチたちの思想論理と激しい被害者意識へと共感を深めるラドクリフ君は、「こちら」へと戻ってこれるのか……? という辺りがこの映画のひとつのキモ。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:この映画では北米でのネオナチ、あるいは宗教右派、白人優越主義者たちの生態や関係性(それぞれ微妙に立ち位置が違って、相互に連携したり牽制したりしている)を描いていて興味深いです。スキンヘッズがホームパーティとか開いて交流してるのw #fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:いや、そりゃ、しちゃいけないってもんじゃないけどさ。彼らはこうやって草の根で人脈を作ったり、情報を交換して自分たちの理論を強化し、思想を練り上げている。……まぁ、悪趣味な被害妄想を純化させてるとも言うが(爆。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:更にそこに燃料をくべる者もいる。自分で信じてもいない差別や憎悪に満ちたフェイクニュースをネットやラジオで流布し、それを「娯楽(エンタメ)」だと言ってはばからない者。そういった者たちの振りまく「真実」で、自分たちの喪失感を埋め合わせようとしている。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:勿論、褒められた話ではないが、彼らは彼らの厳しい生活環境の中で、日々削られてゆく自尊心の埋め合わせを、そうした人種差別的妄想で埋め合わせている。それを愚かと嗤うのは簡単だが、代わりに彼らの魂を埋め合わせるに足るものがなければ意味はなさない。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:いつの時代、どこの国でも、「彼ら」が皆一様に口にする「とり戻せ!」という叫びは、そういうことなんだよね。まぁ、それは断ち切られた四肢が放つ幻肢痛のようなもので、「戻って」きたところで、都合よく繋がって埋め合わせがつくものでもないのだけど。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:少なくとも、彼らのコミュニティに深く深く潜り、憎悪と差別意識の堆積する分厚い沈殿物の奥底で育まれるテロリストの下にたどり着くには、それだけ彼らの意識に深く共感する必要がある。そしてその共感からその身を引き剥がして、「こちら」に戻ってくる力も。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:この映画で、セシウムを使った汚染爆弾(ダーティ・ボム)によるテロを目論む「テロリスト」たちは、上部構造を持たない。命令系統や資金の流れを追っているだけではたどり着けない。彼らに共感し、憎悪と喪失感の結節点(ノード)を探る以外、たどり着けない。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:アニメ版の『攻殻機動隊』が描いた、共感と共鳴によって拡散励起するこの「スタンドアロン・コンプレックス」は、既に私たちの生きる現実世界のテロの原風景だ。この喪失を再生産する構造それ自体を解体しない限り、解決はしない。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:人として生きるための最低限の生活資金と、最低限の自尊心のための愛情の再分配を。でも、そんな資源(リソース)はないというなら、私たちはこの喪失感や憎悪に折り合いをつけて生きるしかない。この映画で描かれるのは、その「折り合い」の仕方のひとつだ。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:現実にはどれほど再配分を手厚くしても、そこからこぼれ落ちる人はいるし、逆に治安維持を強化するだけでテロを抑えきれるものではない。人も資源も限られている。全員は救えない。でも社会から「見捨てられた」と感じる人々が大勢を占めれば、政治も世界も歪む。#fr17_n
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:トランプ政権成立後、この映画で描かれている米国の極右コミュニティはどうなってゆくのだろう。社会的承認欲求を多少なりと慰撫されて落ち着くのか、差別意識が肯定されたと暴走するのか。まぁ、我々も他所の国の心配をしている場合でもないけれど。#fr17
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017
『アンダーカバー』:そんなことを考えながら観た映画でした。小品だけど、米国の現在進行形の「現代(いま)」の一側面をうまく切り取った 映画だったように思います。#fr17
— 義忠@冬コミ申し込み中 (@yoshitada_n) March 5, 2017