『ダンケルク(1964)』@角川シネマ有楽町(18/02/18(sun)鑑賞)
Dunkirk trailer 1964 Week end à Zuydcoote
本日の映画2本目『ダンケルク(1964)』@角川シネマ有楽町に劇場入りしました。1964年公開。フランス映画版を4Kリマスターしたもの。事前情報ほとんどなしで来ましたが、さてメロドラマ系かガチの戦争映画か。この時期の仏映画だとどっちの可能性もあるしなー。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 18, 2018
『ダンケルク(1964)』観終わりました。ジャン・ポール・ベルモント主演、アンリ・ベルヌイユ監督の仏伊合作の映画。邦題通りダンケルクの撤退戦のお話なんですが、原題は「Week-end À Zuydcoote(ジュイコットの週末)」といい、ジュイコットはダンケルク近郊の海岸のことだそうです。#fr18_n
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『ダンケルク(1964)』:邦題は判るとして、原題の方が撤退戦の代名詞として有名な彼の地ではなく、あえてちょっと外した近郊の海岸の方を選んだのは、実際に映画を観れば、何となく腑に落ちる。ノーランの『ダンケルク』同様、苛烈な撤退戦を描きながら、ややオフ気味のトーンの映画です。#fr18_n
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『ダンケルク(1964)』:原隊からはぐれた仏軍兵士ジュリアン(ジャン・ポール・ベルモント)は同じ部隊の3人の兵士たちとダンケルク近郊のジュイコットの海岸にたどり着き、浜辺の砂丘に打ち捨てられた救急車を拠点に、撤退する英軍の船に乗船できないかと、付近を徘徊する……。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 18, 2018
『ダンケルク(1964)』:それだけ、と言えば、それだけの話。兵隊が遠い海岸線の向こうまで列をなしてたり、戦闘車輌があちこちに打ち捨てられてたり、屍体を積んだトラックが道を走ってたり、独軍の戦闘機が銃爆撃する中、主人公がふらふらとうろつきながら「兵隊の日常」を過ごす話です。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 18, 2018
『ダンケルク(1964)』:いや、それも本当に「日常」かと言われると、それも当然違って、兵隊が原隊からはぐれたら、もうそれは「異常な事態」であり、「非日常」ですよ。ましてや、負け戦の涯(はて)に数十万人規模の史上最大の撤退戦の最中の「日常」って何だ、て話ですよ。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 18, 2018
『ダンケルク(1964)』:それだけ状況が異常なんだけど、腹が減ったら飯を作って喰う。仲間が怪我をしたら、付き合って病院まで運ぶ。そこに知り合い医者がいたら、晩飯に誘う。しごく人間として当たり前の営みを続ける。……人間ならば当然? だが、戦時下、戦場の真っ只中でそれをやるか? #fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 18, 2018
『ダンケルク(1964)』:ある種の平衡感覚なのだろうけど、独軍が迫り、状況が凄惨さの一途を辿る中、その「平衡感覚」と現実の違和感はどんどん大きくなる。それでも粛々と事務的に撤退戦を進める英仏連合軍司令部の対応能力は讃えられるべきだろうが、いち観客の目線からは「気持ち悪い」。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 19, 2018
『ダンケルク(1964)』:その「気持ち悪さ」は具体的には画面構成で、手前で兵隊同士が気楽な冗談を語ってる背後、海岸線の遠くまで兵隊が独軍の砲爆撃で右往左往している。何気ない日常描写の背後で、ぞっとするような戦争状況が映り込む。1964年にCGなぞあるはずもなく、合成にも見えない。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 19, 2018
『ダンケルク(1964)』:これ全部実写かよ、と気づくと、この画面のひとつひとつを撮ろうとして作り手の執念や意志の巨大さに戦慄する。モブとは言え、人員を揃え、衣装を手配し、演技を指導し、セットを設えて、カメラを廻す。勿論、それを支える資金の手当があり、事務処理が発生する。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 19, 2018
『ダンケルク(1964)』:さながら本当の戦争に匹敵するマンパワーを投じて、たわいない冗談を交わす兵隊たちを描く。おそらく、時期的に実際にダンケルクの現場に居合わせた経験のある作り手や観客にとって、再現すべき、フィルムに遺すべき「戦争の手触り」がこれだったということなのか。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 19, 2018
『ダンケルク(1964)』:戦争という異常状況の中で、平衡感覚を維持し、日常として過ごそうとする兵士。それでも戦場で起きる様々な出来事と出会う内に、その平衡感覚が狂ってゆく。その感覚の失調こそが「戦争」なのだ、というちょっと不思議な戦争映画でした。#fr18_n
— 義忠@C94 8/12(日)東ユ-10b「物語工房」 (@yoshitada_n) February 19, 2018