シギサワカヤ『ファムファタル』第3巻(最終巻)
- 作者: シギサワカヤ
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2010/08/27
- メディア: コミック
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相変わらず、恋愛で一番キツイところをこれでもかとばかりに次々繰り出す展開に、どんどん胃が痛くなる(はは)。あー、でも3割くらい似たような経験あるな(おい)。この辺はたぶん一周廻って笑うところなのだろう。乾いた笑いしか出てこないのは、オレもきっとまだまだ修行が足りないからだ。
ま、それはさておき。この物語のヒロイン、由佳理は男の側から見てると何を考えてるのかさっぱり判らない。何かを理解したと感じた瞬間に、斜め上から裏切られる。訳がわからない。だから「幻の女(ファムファタル)」。
ただ、ずるずると切るに切れずにいるうちに、この女はこの女なりに、コミュニケーション不全に苦しみながら、もがいている姿が朧気ながら見えてくる。そういうのを見ちゃうと、まぁ、その何だ。男としてほっとけなくなるわな。大概、思い上がった勘違いだけどな。すぐにそれをさんざん思い知らされるんだけどな。畜生。
……何かいろいろ余計なトラウマを呼び起こされたりもしているが、まぁ、その辺のずぶずぶとダメな恋愛にのめり込んでしまう感覚を描かせると、やはりシギサワカヤは上手い。上手すぎて、毎度いろいろいらん記憶を刺激されて胃にもたれるが、そこも込みでこの作者の魅力だ。で、この展開でラストは青春ドラマみたいな爽やかさ、と。どうしてこうなった? な展開だが、(いい意味で)開いた口が塞がらない。作中の主人公同様、さんざんに振り廻してくれた。面白かった。やっぱり胃にもたれるけど。
次もこんなもたれる感じで、ひとつ。