積読日記

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講談社 青い鳥文庫

ねらわれた学園 (講談社青い鳥文庫)

ねらわれた学園 (講談社青い鳥文庫)

 そんなわけで昨日はイベント後、大井町駅前の某スーパーのレストランに場所を移して、例によって例のメンバーで、だらだらとダメなオタクトークをしてたわけなんですが、それもいい加減切り上げて引き上げようとしたとき、たまたま店の前が書店フロアでふと目をやると児童書のコーナー。
 面子のひとりが児童文学系のファンタジーを書いているカレイドスコープのすらさんだったこともあり、何とはなしに眺めていると、表記の青い鳥文庫で懐かしの眉村卓の作品が緒方剛志のイラストで再販されている。あれ、と思い他の作品の表紙も見てみると、眉村卓筒井康隆の古典ジュナイブルだけじゃなく、新作の表紙もいかにも今風のアニメ・コミック系のイラストになってる。まぁ、児童文学というと絵画風のイラストというこっちのイメージが、古すぎたんだけど。
 作品のラインナップもケストナーの『飛ぶ教室 (講談社青い鳥文庫)』なんかと並んで、いかにもライトノベル読者予備軍に受けそうな軽やかなタイトルが並び、さらに作家陣も他のレーベルではほとんど見かけない無名の新人から、大御所・宮部みゆきの名前まで並んでいる辺り、あまりの懐の深さに気が遠くなってくる。まぁ、宮部みゆきの作品は新作ではなさそうだけど、こうした国内ミステリーの第一線で看板張ってる作家の作品を小中学生に読ませようと発想する時点で、その辺の新興ライトノベル・レーベルにはない志の高さが感じられる。*1
 でも、考えてみれば、今をときめくあさのあつこもここから出てきたわけだし、おそらくいまだにホームグラウンドと考えているであろうことは、近刊予定に彼女の新作の名前がちゃんと載っていることからも判る。
 このレーベルの読者が次代のライトノベル市場を支える読者であると同時に、このレーベル自体の文芸的な豊穣さは、明日のライトノベルの行方を占う上で意外と大きな指針となるような気もする。

*1:もちろん、天下の講談社だからこんな殿様商売ができるとも言えるが。