『ALIVEHOON アライブフーン』@立川シネマシティ/CINEMA TWO(22/06/10(fri)鑑賞)
本日の映画『ALIVEHOON アライブフーン』@立川シネマシティ/CINEMA TWOに劇場入りしました。野村周平主演、土屋圭市監修。 eスポーツのドリフトキングがリアルのサーキットでもドリフトキングを目指すお話。さて、監督が『キカイダー REBOOT』の人というのをどう評価するかな(^^;; #fr22_n pic.twitter.com/SOm4bJnH0f
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『ALIVEHOON アライブフーン』観終わりました。モータースポーツもののスポ根ものとして、びっくりするくらい基本に忠実。で、その分、たっぷりと贅沢にドリフトレースを魅せるという、創り手が完璧に自分たちのミッションを理解している映画。これ、レースシーンの力を信じてるとも言えるか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『ALIVEHOON アライブフーン』:eスポーツの『GT(グランツーリスモ)』の日本チャンピオンの大羽紘一(野村周平)は、メカニック武藤夏美(吉川愛)によってドリフトチーム「チーム・アライブ」のドライバーにスカウトされる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:チームのオーナーで専属ドライバーだった夏美の父・亮介(陣内孝則)が、レース中のクラッシュで負傷し、ドライバーを引退するため、代わりのドライバーを探していたのだ。だが「eスポーツのチャンピオンが実車で通用するか」と亮介は相手にしない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:だが、現役ドライバーの小林総一郎を呼んでのトライアル走行で、彼の走りに喰らいつく紘一に、亮介は可能性を見出し、チームに迎え入れる。かくして、本番のレースに向けて、亮介は紘一をプロのドリフトドライバーとして鍛え上げてゆく……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:ドリフトレースとは、一般的な「誰が最初にゴールしたか」を競うレースではなく、2台の車輌のタイマン勝負。コーナリングの美しさなども採点対象となる「演技」要素の強い競技です。自分もこの映画ではじめて知りましたが(^^;;、こんなレースもあるんですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:「eスポーツのチャンピオンが現実のレースでもチャンピオンになる」というのが本作のキモになるファンタジー。現実にそういうドライバーもいるようですが、作中でもさんざん揶揄されているこれを「ひょっとして」と思わせるのが映画の力。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:ちなみにモータースポーツに限らず、プレイした時の視座(ヴィジョン)を正しくイメージできるのは、スポーツ全般にとって重要な要素で、よくできたゲームはプレイヤーのそれを鍛えることができます。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:実際にパイロットの訓練課程ではフライトシミュレーターでの飛行時間も経験値として評価されているわけで、『GT』クラスの高精度なシミュレーターのチャンピオンなら、素養は充分にありと見ていいでしょう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:まあ、実車レースで勝てるには、そこから長時間のレースに耐える体力や、人命を賭けてのレースに耐える抗ストレス性なども必要になるので、それだけで勝てるものではありませんが(作中でその辺の描写もちゃんとある)。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:そんなわけで、巨大な才能を秘めた未だ未熟なプレイヤーが、特訓やライバルとの死闘を経て才能を開花させ、成長してゆく……という定番のスポ根ものです。その意味では意外性はないものの、その定跡を非常に丁寧に、手を抜かずに積み上げるので、好感度は高い。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:というか、その主軸を無理して膨らませようとせず、愚直なまでに必要なことだけを積み上げてゆきます。例えば、主人公とヒロインの関係も恋愛よりもチームメイトとしての絆くらいで済ませるし、主人公の出自や過去とか無理に掘り下げない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:だいたい主人公は無口なコミュ障(職場の同僚ともまともに会話しない)なので、自分から動機とか哲学とか口にしないし、そもそも親兄弟とかどうしてるんだという話が一切出てこない(^^;; 演出家として、よくそこを弄るのを我慢できたな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:手っ取り早くドラマに厚みを持たせて、観客の感情移入を得る手法として常套手段なんだけど、本作ではそれをしなかったことがそんなに失点になっていない。まあ、そんなことせずとも、レース本番に向けて話はずんずん前へ前へと進んでゆきますからね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:そんなわけで、主人公自身が寡黙(寡黙なりに挫折や葛藤もあるが)な分、特訓やレースでの車輌シーンがたっぷり。尺も長いけど、まず色使いがビビットで鮮やか。車体のペイントだけでなく、内装やエンジンルームのパーツまでそうなので、そういう現象処理なのか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:目に鮮やかな色使いは、インド映画的でちょっと楽しい(^^) その一方で、ダンテ・ラム作品のように計器やデジタル表示などで情報量を盛ったりはしないのね。そういえば、車輌や運転技術についてテクニカルな説明もそんなになかったですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:専門用語も説明なくさらっと流してたけど、それが判らなくても話に詰まらないような作りになっています。じゃあ何をしてるか、というとひたすら車輌を撮る。ドローン撮と車載カメラを多用して、レースや特訓で走行する車輌をカメラがダイナミックに動いて追う。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:それが成立するのも、プロドライバーによる、センチ単位どころかミリ単位のコース取り精度を誇るテクニックあればこそ。競い合う2台の車輌が、数センチの車間距離で氷上を滑るようにコーナーに突っ込んでくるシーンなど、車輌描写に迫力と美しさが満ちている。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:個人的には、ダンテ・ラム流の細かく画面内の情報密度を上げてゆくスタイルが好みですが、これはこれで、車輌のルックスや動きの美しさに観客の意識をフォーカスさせることに成功していて悪くない。余計な情報を排除しているので、すごく見やすいんですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:反面、レースの規定(レギュレーション)とか、各チームの車輌選択やチューニングの戦略とか戦術の違いとかは、映画だけ観ててもよく判らない。そこは何の説明もないので(^^;; そこにこだわって、展開がもたつくのを嫌ったのかな。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:その辺は、ドラマパートでキャラの過去回想とか恋愛話とかで無理に深掘りしない姿勢とも繋がっていて、そこで情報量を盛ることで映画の旨みを積み上げなくても、俳優の芝居や車輛の動きの魅力だけで勝てるという勝算ありきの演出戦略なんでしょうね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:基本的にタイマン勝負、というドリフトレースのシンプルな競技スタイルも相まって、その辺は非常に成功しているように思います。こういうリッチなレース映画を邦画でも撮れるんだという発見は、邦画ファンとしても喜びです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
『ALIVEHOON アライブフーン』:ドリフトという運転テクニックは日本発祥とされ、『ワイルド・スピード』でもわざわざ東京舞台にしたタイトル回もあるくらい。国内モータスポーツにとって身近なテーマなるので、その入口として、こういう良質なレース映画から入ってゆくのもいいでしょうね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月17日
■監督フィルモグラフィ:下山天(1966年~)
『太陽とボレロ』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/06/08(tue)鑑賞)
本日の映画『太陽とボレロ』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。水谷豊が『相棒』のご褒美で撮らせてもらっている映画……と高を括ってたら、前作『轢き逃げ』が意外に出来が良かったので、今回は素直に期待。まあ昭和の名監督の演出を間近に何十年も見てきた人ですしね(^^;; #fr22_n pic.twitter.com/62IPZYVgSh
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『太陽とボレロ』観終わりました。地方都市の市民オーケストラのお話で、スポンサー兼運営の檀れいを中心に描く群像劇。その檀れいが、地方のそこそこの資産家の跡取りで40代独身のお嬢様、という役に即した上品さと可愛らしさでお見事。全体のテンポも軽やかで品の良さが印象に残る映画です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『太陽とボレロ』:地方のアマチュア交響楽団「弥生交響楽団」は、チケット売上が低迷し、自治体からの助成の目処も立たず、スポンサーだった地元企業も支えきれなくなり、そこへ精神的支柱であった指揮者の藤堂(水谷豊)が癌で倒れ、代表の花村理子(壇れい)はやむなく解散を決する。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:だが、クセ者揃いの団員たちは一筋縄ではいかず、さっそくさよなら公演での藤堂の後任の指揮者の座を巡って揉める始末。せめてさよなら公演だけでも成功させようと、理子たちは奔走するのだが……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:日本国中、おらが自治体にコンサートホールがあり、中規模クラスの都市ならアマチュア交響楽団のひとつもあったのも今は昔。自治体の補助が入っているにせよそうでないにせよ、体力のないところから脱落していっているのは他の文教施作と一緒。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:本作の弥生交響楽団もそのひとつで、代表を務める服飾店経営の檀れいと中古車ディーラー経営の石丸幹二の持ち出しでかろうじて持ってたのが、この所の不景気でそれもままならず、支えきれなくなる。地方の資産家階層もダメージ受けてるもんね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:そうは言っても、箱と場さえ用意すれば、昼間は別の仕事をしているアマチュア音楽家が、オーケストラ編成できるだけの人数、自分の楽器を携えて集まってくるのは、この国の地域社会の豊かさでもあります。まあそれもいつまで続くのかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:あそこに集まってる人たち、全員が芸大出というわけでもないにせよ、町場の音楽教室レベルでも一定水準の演奏教育を受けて、高価な楽器を自腹で購入してるわけでしょ。今やどこでも続いてるだけ奇跡だけど、こういう土壌があってこそ、国際水準の音楽家が生まれるわけでさ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:でも、ちょっとした中産階級のウチなら、どこでもアップライトのピアノが埃被って置いてある時代はもう終わり。ウチの実家にもありましたけど、息子の私の部屋にはない(^^;; この映画は、そういう文化的な黄昏の時代を、それでも品よく笑って迎えましょうという物語です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:で、本作は解散を決めるまで前半いっぱいかけて、意外としぶとくジタバタします(^^;; 万策尽きたヒロインが資金協力を申し出てきた昔馴染みの百貨店バイヤーと一夜を共にしかけ……まあ結局、ぶっ飛ばして帰ってきちゃうんだけど(爆 #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:この辺、ヒロインを中心にオーケストラ経営層として、あるいは40代独身女性の歳相応の苦境の描写を丁寧に積み重ねてるんですが、あんまり冗長に感じないのは編集のテンポがいいんですね。それも単にカット繋ぎを急いでがっついてる印象もなく、過不足なく繋いでゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:何というか、そこには上品さすら感じる。前作も編集はセンス良かった印象があるけど、監督の水谷豊が直接編集してるわけでもないにせよ、これにOK出せるセンスはあるわけで。表現として失礼ですが、監督の実年齢に似合わず若々しいフィルムです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:あとオーケストラの経営層に、ヒロインの檀れいと相方の石丸幹二の中年男女がいて、歳相応に責任ある大人として振る舞っているものの、いい歳して結婚もせずに一文の稼ぎにもならない音楽事業に入れ込んでるだけに、少年少女のような初心さもある。この辺の匙加減ね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:演奏家サイドでは、明るくまっすぐなバイオリンの森まりあと調子のいい二枚目半のトランペット町田啓太のカップルが、代表の中年カップルと対をなしてこの映画の間口を広げてくれます。町田啓太はNHKでウッチャンとコントやってるので、二枚目でも芝居が軽くて楽しい。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:その二組のカップルの間に挟まれる団員たちは、皆、どこにでもいる普通のおっちゃんおばちゃんたちです。気のいい人も、偏屈な人もいるし、しょーもないことに拘って揉めたり、厄介ごとを引き起こしたりする。でもそれこそ、市民オーケストラの「市民」たるゆえんですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:解散が決定してからは、そうした一般団員に、倒れた老指揮者の水谷豊を含む群像劇として展開し、やがてさよなら公演へと収束してゆく。先に触れたように、この映画は地域文化活動の黄昏の物語なのだけど、でも笑ってさよならの日を迎える方向を目指す。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:この弥生交響楽団の気のいい仲間たちが、この映画の後、どこかのオーケストラに参加するのか、ひとりで演奏を続けるのか、それとも音楽から離れてしまうのかは、きっとそれぞれだろうけど、でもきっとこのさよならの日のことは笑って思い出せるよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:それは現実に、それぞれの地域で自分の携わる文化事業を遺そうとして、それでも万策尽きたと諦めざる得ない事態に至った人たちにも、いくらかの救いと再生の希望をもたらしてくれるのではないかと思います。そういう上品で、素敵な映画でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
■監督フィルモグラフィ:水谷豊(1952年~)
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』@地元のシネコン(22/06/04(sat)鑑賞)
https://www.netflix.com/title/80124040
本日の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』@地元のシネコンに劇場入りしました。ファーストガンダム本放送時に捨て回とされたエピソードを、安彦良和自ら改めて2時間の外伝に仕立て直したお話。どうあっても割引効かないみたいなので、週末に観に来ました(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月4日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』観終わりました。実質20分の元ネタを2時間の映画に仕上げる安彦良和の手練手管に感嘆。それでも一切冗長に感じなかったのは、元ネタのテーマ性やプロットの骨格の良さに依るか。かつアムロにせよドアンにせよ、裏のエグみをちゃんと押さえつつね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月4日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:ジャブロー戦後、連邦軍のオデッサ攻略に合流すべくラス・パルマスで待機中のホワイトベースに、カナリア諸島アレグランサ島の偵察・掃討任務が下される。この島に向かった連邦軍部隊が、悉く消息を絶っているというのだ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:おそらくジオン軍の残置諜者がいると思われる。これを掃討せよという参謀本部の命令により、さっそく島に向かうアムロたちだったが、島には年端もいかない子供たちが住んでおり、更に謎のザクの襲撃によりガンダムが消息を絶つ……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:直前にNetflixでオリジナルの第15話を観てから鑑賞。便利な時代になりました。さて、その第15話の実質20分、前後のエピソードとも絡みが少なく、外部制作に廻して後に「作画崩壊」とまで評された話数です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:その20分の話を2時間に拡げるに当たり、しかしあまり無茶な再解釈がされているようには見えません。絶海の孤島に戦争を降りた脱走兵の男がいて、戦災孤児たちを守って暮らしている。そこにアムロたちがやってきて、一時暮らしをともにする。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:脱走兵というか、「勝手に戦争を降りた男」の話としては、『地獄の黙示録』の原作コンラッド『闇の奥へ』の名を出すまでもなく、古今東西によくある話で、安彦良和監督もインタビューで「抜け忍もの」と括ってましたね。普遍性の高いお話です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:骨格が強固なので、主筋は弄らずともディティールを膨らませるだけで2時間持たせられる。まあ、初代『ガンダム』はこのエピソードに限らず各話の脚本が秀逸なんですよね。それも技巧の秀逸よりも骨太さで唸らされる話数が多い。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:そんなわけで、オリジナルから膨らませるに当たってのキモは、当然、今回のゲスト、ククルス・ドアンのキャラクターということになります。オリジナルでは凄腕ということと、子供たちの親を殺したということぐらいしか背景がない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:そこで、映画化に当たってオリジナルになかった「残置諜者」という用語を上手く使っていて、ジオン内部でドアンが戦争を勝手に降りてるのに任務遂行中であるかのように欺瞞できている理由であり、クライマックスの大ネタにも繋がってくる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:とは言え、ドアンの回想シーンが長々とあるわけでもなく、短い回想と後は彼自身の言動でのみ語られる。内面語りとかもなく、抑制的。この辺のストイックさは、最近の邦画より1960年代辺りの邦画の香りがしますね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:このドアンですが、戦災孤児たちのよき父親代わりとして振る舞い、また少年兵でもあるアムロに兵士ではない戦士としての生き様を示す一方、映画で追加されたディティールの行間を読むと、エグみのある業の深さも見えてくる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:オリジナル版では島に上陸した連邦兵の命まで奪っていないんですが、この映画版では逃げるジムを背中からばっさり。それまでも島に近づく連邦MSを悉く殲滅してきたことが示唆され、何より元から島に居た本物のジオン軍残置諜者どうしたんだ(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:任務の性質上、最低でも2〜3人はいたろうに、不意を衝いて殺したのか。それも定時報告用のコード聞き出すのに、拷問くらいやってる可能性すらある。更にかつての戦友との対戦でも、釈明しようとか説得する気ゼロ。黙って殺るだけである。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:いくら島の子供たちを守るためとは言え、覚悟ガン決まりすぎて引く(^^;; 皆の頼もしい父親代りの裏で悪鬼羅刹の貌(かお)を持つことが、明示的に語られずとも暗に示唆されており、この辺がラストのアムロの台詞に繋がってくるわけですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:その子供たちとの関係も、父親役として晩ごはん一緒に食べたりしつつ、不意に「コイツらの親殺したの俺なんだよな」みたいなこと思い出してる訳で、平和な日常を過ごしながら、裏でごりごりメンタル削られていると思われ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:で、そんな調子でガンダム倒してコックピット開いたら、自分が保護していたような年頃の少年兵だったわけで、「子供たちを守るため」と称して悪鬼羅刹に徹していた大義名分がぐらついた、というのがドアン側から見たこの話ですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:同様にアムロも、任務から外れて子供たちと触れ合う日々に緊張が緩んで年相応の幼さを見せる一方、事態が悪化して兵士としてのスウィッチが入ると、不意打ちでザクのコックピット刺し貫いたり、生身の兵士をMSで踏み潰したりできる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:まあ連邦の白い悪魔ですからね、この子も。その己の悪鬼羅刹の部分を自覚して、ラストのあの台詞を口にしたのか、よく判らないまま言ってるのかは、何とも言えませんが。この後、この子を待ってるのは、冥府魔道な修羅の道行きな訳だし。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:今回はロケーションや作中時間が限定されているので、安彦良和の作家性の中でも史観の確かさの部分はあまり前面には出ていませんけど、戦争のもたらすエグみを、こうして露悪に堕するぎりぎりでまとめて見せる手際はさすが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:と、同時に、ケレンたっぷりなクライマックスのガンダム登場からの、時代劇の名優どうしの剣戟を思わせるMS戦とか、地に足のついたドラマと大胆なケレンの共存は、安彦良和作品の真骨頂で、本作でも存分にそれを堪能できます。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:安彦良和もお歳で、これから他に映画撮る機会があるのか何とも言えないけど、監督のフィルモグラフィの集大成であることは間違いなく、劇場で観る価値のある映画です。本当はオリジナルの歴史ものとか、もっとスクリーンで観たいとこですけど。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
■監督フィルモグラフィ:安彦良和(1947年~)
『冬薔薇(ふゆそうび)』@新宿ピカデリー(22/06/03(fri)鑑賞)
本日の映画『冬薔薇(ふゆそうび)』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。伊藤健太郎主演、阪本順治監督。人気絶頂の最中に轢き逃げ事件で転落した伊藤健太郎の復帰作。若手ながら演技力に定評もあった彼でしたが、自身の境遇とも重なるようなお話をどう演じてくれるのか、ですかね。#fr22_n pic.twitter.com/67Kv8Kdswy
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『冬薔薇(ふゆそうび)』観終わりました。いつも自分のことでいっぱいいっぱいで、底が浅い。それで友だちや仲間関係が長続きしない……ということに、本人自身、ぼちぼち気付きつつある不良少年のお話。いや、自覚がある分、抜け出し方が判らないのは余計に辛いよね、というな。うーむ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:家族経営の砂利運搬船船長・渡口義一(小林薫)の息子・淳(伊藤健太郎)は、入学した専門学校にも通わず、不良仲間と連んで過ごす毎日だったが、その仲間たちからも喧嘩の怪我で入院したことをきっかけに縁を切られる。それでもその場の口先だけで日々を凌いでゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:しかし、そんな己の身勝手で浅い言動が周囲の人々を傷つけ、そのせいで人間関係が続かないことに、本人自身も薄々気づきつつあった。一方、苦しむ息子の姿を知りながら、義一もどんな言葉をかければいいか判らず、距離を縮められずにいた。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:その内に、不良仲間のひとりが行きずりの暴漢に襲われ、彼らはその報復のために捜索に躍起になる。やがて彼らが見つけた暴漢の正体は、意外にも淳の身近な人物だった……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:伊藤健太郎演じる淳は、基本的にいっぱいいっぱいなので、相手の事情やそれを聞いてどう思うかより、自分の身勝手な都合をぶつけてしまい、呆れられて周囲から人がいなくなる。まあダメな子です。それも薄々、自分で自分の悪いとこに気づきつつある。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:そこには気づいてきたんだけど、いっぱいいっぱいな部分も変わらないので、どうしたらいいか判らないままふらついている。まあ、よく見れば、まったく人がいないわけではなく、お父さんと一緒に船に乗ってる船員の石橋蓮司らのお爺ちゃんズとかもいるんだけど。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:いかんせん、同年代にメンターがいない。不良仲間のリーダーも本質的には主人公と同じタイプのろくでなしだし、まともな勤め人(のように見える)従兄弟も「アレ」だったわけで、結局いっぱいいっぱいなのは彼だけではなくてどいつもこいつも役に立たない…(-o-;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:そんなわけでお父さんとの関係性が、唯一の救いというか、そこに何か光明があるや否や。ただまあ、お父さんだってずっといっぱいいっぱいで、船の経営が曲がり角に来る中で、ようやくそこに気づき始めているという意味では、息子と一緒なのよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:残念ながらジャンル映画的なカタルシスを求めるお話ではなく、そうやって誰もがいっぱいいっぱいに生きている時代の中で、どうやって「大人」になってゆけばいいのか探る映画です。お父さん目線では、息子にその道筋をどうやって示せばいいのか、というか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:主演の伊藤健太郎は、ダメな子でありつつ、彼を見捨てた人でさえ彼のその後が気になるような、本当に微妙な匙加減の芝居を見事に演じていて、やっぱり上手い俳優さんですね。まあ、この映画の成り立ち自体が、彼自身の境遇と重ね合わせたものですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:先の『トップガン マーヴェリック』とトム・クルーズの関係性のように、実写映画の強みは、作品本体の物語(ナラティブ)に実在する役者の物語(ナラティブ)を重ねて、映画の物語(ナラティブ)が強化されるという機能にある限り、完全にCGに置き換わることはありません。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:アニメでそれを担保するのは、声優や監督、キャラデザインなどになるのだろうけど、物語(ナラティブ)の密度という点では、やはり実写映画の方に一日の長がある。俳優・伊藤健太郎の復帰をベテラン勢が全力で支えるようなこの映画を観て、そんなことを思いました。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
■監督フィルモグラフィ:阪本順治(1957年~)
Netflix | 半世界
『夜を走る』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/06/02(thu)鑑賞)
本日の映画『夜を走る』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。足立智充&玉置玲央主演で男ふたりで車に乗って夜を行くお話……ぐらいしか予備知識入れてませんが、さて。#fr22_n pic.twitter.com/sC6CIeb3c8
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『夜を走る』観終わりました。地方都市の零細な金属加工会社のコミュニティに屍体いっこ放り込んだら、人もコミュニティも壊れるべくしてぐっずぐずに壊れてゆく、というお話。…にしては不思議な転がり方をしてゆき、あのラストは痕跡だけ残して主人公が俗世から消えたということかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『夜を走る』:地方都市の金属加工会社の営業職の秋本は、要領が悪く上司や取引先からもバカにされながら、淡々と日々を過ごしていた。ある日、後輩の谷口に誘われて呑んだ帰り、会社に営業に来ていた女性と呑み直し、彼女を車で送ることになるが、些細なきっかけで殴り殺してしまう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:一夜明け、屍体の処置に困ったふたりは、普段から秋本を怒鳴りつけていた上司・本郷の車に屍体を移す。それを本郷とともに発見した社長は、産廃業者に屍体の処置を押し付けた。こうして屍体は処分されたが、それ以来、秋本は罪の意識に苛まれ押し潰されてゆく……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:屍体押し付けもの、というジャンルがありまして(^^;; それはミステリーでもコメディでもあるんですが、そのドタバタは中盤まで。そこから先はどちらかというと、それによって壊れゆく者たちのお話になります。特に足立智光演じる秋本は、新興宗教のセラピーに取り込まれてゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:ただそこへ至る流れが現実なのか、秋本の妄想なのか判りづらい。意図があってやってるんだろうけど。ここ以降、秋本はどんどん「解放」されてゆき、やがてこのセラピーからも「解放」され、この浮世からも「解放」されるので、もうこの段階から現実から足を踏み外しているのか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:一方の玉置玲央演じる谷口は、妻子持ちで要領がよく若い浮気相手もいるが、奥さんの浮気も薄々勘づいている。それは「要領がいい」というより忙しなく動き続けていないと破綻するから走り続けているだけのような(^^;; なので屍体の隠蔽工作も「要領よく」立ち廻る。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:屍体も無事、上司に押し付けて、「実行犯」の秋本も出社しなくなり、谷口に平穏が訪れたか、というと、逆に精細を失っていく。そんな状態で、諸々「解放」されて吹っ切った秋本と再会して、地獄感が更に増してゆくという(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:先に触れたように、作中でリアリティラインが揺らぐ瞬間があって、そこを呑み込めるかどうかかな。自分はあそこから秋本が俗世からどんどん「解放」されて、(物語上の)精霊化してゆくお話だと捉えたので、なるほどそういう映画なのか、と。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:結局、「要領がいい」谷口だけが妻子との生活を守り切った、とも言えるし、「解放」されずに苦悩とともに浮世に取り残された、とも言える。どちらが幸せなのかは、観客の判断に委ねられる結末ですが、人生は苦く、今日も続く、と。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
■監督フィルモグラフィ:佐向大(1971年〜)
『犬王』@立川シネマシティ/CINEMA TWO(22/06/01(wed)鑑賞)
本日の映画『犬王』@立川シネマシティ/CINEMA TWOに劇場入りしました。古川日出男原作、野木亜紀子脚本、湯浅政明監督。室町期に実在した能楽師・犬王が琵琶法師の少年とともに時代にブレイクしてゆくお話、だそうで。一応、アニメの『平家物語』と『鎌倉殿の13人』の前半を予習してきました。#fr22_n pic.twitter.com/n0zSnOfIX1
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『犬王』観終わりました。室町ロックオペラ。『平家物語』の残響(エコー)が現代より遥かに色濃く世に満ち満ちたる時代に、公史にはない異伝を自分たちの物語(ナラティブ)として「拾い」、京の都のスターダムを駆け上がる若者たちの物語。結末の苦さ込みで良質の青春歌劇ですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『犬王』:室町の世、平家の呪いで盲目となった漁師の子・友魚は、長じて琵琶法師となり京の都にたどり着く。その地で、近江猿楽の名家・比叡家に生まれた異形の子・犬王と出会う。ふたりはまだ世に知られていない新たな「平家物語」を「拾い」、自分たちの物語として世に問うことを誓う。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:友魚が琵琶を掻き鳴らしながら洛中のあちこちで舞台の開催を宣伝し、河川敷に造られた舞台(ステージ)で犬王と友魚が踊り、吟(うた)う。激しく、情熱的なその舞台は、京の民衆を熱狂させ、舞台を重ねる内に猿楽の奥義に開眼した犬王は人間らしい身体を取り戻してゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:やがて、ふたりの評判が将軍家まで届き、将軍を前にした御前舞台に呼ばれことに。しかしその舞台は、犬王の父親であり、彼を嫌う比叡家現当主が妨害工作をして待ち構えていた。果たして、犬王と友魚の舞台と、ふたりの絆はどうなるか……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:本作の見所として、室町ロックオペラと言うべき、ダイナミックな歌謡と舞台のアニメ表現をまず誰もが挙げると思うので、そこは音楽に詳しい方にお任せするとして、観てて印象に残ったのが「創作活動」を「拾う」と表現している点でしょうか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:この世界では、「平家物語」がまずあらゆる表現の基盤として存在して、猿楽の名門や琵琶法師の組織などが内容や表現方法(スタイル)を規定している。そこから飛び出して自由を獲得するには、大衆に埋もれている未だ語られない「平家物語」の異聞を「拾う」必要がある。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:盲目の友魚の目には、その異聞が赤い光球として群れを成して世界に漂っているように見える。それを彼らは「平家の亡霊」と称しているけど、それは市井の人々の生活や言葉の中に溶け込んでいる、平家滅亡の哀しみや怨嗟の残滓のようなものかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:同時にそこには、人々が現世を生きる辛さや怒り、哀しみ、喜びなども重なっており、友魚がそれらに耳を傾けて、異聞の曲と吟(うた)を紡ぎ出すことを、彼らは「拾う」と呼んでいる。自分たちの感情を乗せて、高らかに自由を吟うためには、まず真摯な心で「拾わ」なければならない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:これは「創作とはなんぞや」という話と繋がってくる。どんな超天才のクリエイターであっても、まったくのゼロから有を生み出すわけではない。創作や表現が見るものの心に働きかける機序を解き明かすならば、相手が共感する要素をひとつひとつ積み上げることから始まるのです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:文章で言えば、相手の知る言葉を積み重ね、知らない言葉は知ってる言葉を組み合わせて説明し、読者を緊張させ、弛緩させ、脳内に世界の大伽藍を構築し、揺さぶるだけ揺さぶって、伝えたい感情の境地へと引き摺り込む。その第一歩は、やはり相手が共感可能な言葉を「拾う」ことです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:けれど、既成の権威によって定められた歌舞音曲で伝えきれない、吐き出せないでっかい感情がその身に渦巻いてしまっているなら、それは新しい言葉を「拾って」「拾って」「拾いまくって」叩きつけるしかない。この物語の主人公たちがやっていることは、そういうことですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:同時に、いかな時代のパラダイム転換時に生じた巨大な悲劇とはいえ、鎌倉という時代ひとつを越え、百有余年を経てなお、「平家物語」の「亡霊」が市井に満ち満ちて、それによって人生を踏み誤り、ねじ枉(ま)げる者を産み続けるのだから、凄い話ではあります。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:勿論、そこから更に時代を経た私たち現代人は、その後に積み重ねられた時代時代のさまざまな物語(ナラティブ)の残響(エコー)の中にいる。時にそれは逆流し、現実の生活のリアリティを上書きして、奇怪な復古主義の形で噴出したりもする。強く惹かれると同時に、怖い話でもあるよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:ここで描かれた物語(ナラティブ)は、600年前の遠い昔の物語だけれども、正史に埋もれた異聞を「拾い」、万古普遍の強度を持つ哀しくも美しい青春の物語として紡がれて観るものの胸を衝つ。それは創作という行いの本質を貫く力強さが、この物語にあるからでしょう。そんな映画でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
■監督フィルモグラフィ:湯浅政明(1965年~)
Netflix | きみと、波にのれたら
https://www.netflix.com/title/81253737
『東京湾炎上』@Amazon Prime(22/05/31(tue)鑑賞)
『東京湾炎上』@Amazon Primeを観終わりました。1975年公開。田中光司原作、丹波哲郎&藤岡弘主演のシージャックもの。特技監督に中野昭慶。他にも宍戸錠とか、テロリストに水谷豊もいる(^^;; かなり気合いの入った東宝スリラーですね(Wikiにはパニック映画とあるけど)。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:原油を満載して東京湾に戻ってきた20万トン級タンカー<アラビアン・ライト>は、遭難信号を拾って6人の漂流者を救助。だが、彼らは乗船するなり短機関銃などの武器を持ち出し、短時間で船内を制圧してしまう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:黒人を中心とするメンバー構成でありながら、全員が流暢に日本語を話すテロリストたちは、船内各所に磁気機雷を設置。鹿児島・喜山コンビナートを航空自衛隊により空爆てTV中継しなければ、タンカーを爆破すると日本政府に通告する。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:東京湾でタンカーが爆破されれば、流出して気化した原油と有毒ガスで関東一円が壊滅。喜山コンビナートが空爆されれば、鹿児島湾一帯が同じ事態となる。事態を憂慮した日本政府は、喜山コンビナート爆破の映像を特撮映像で作成して、偽装する計画を開始する……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:政府側対策本部長に鈴木瑞穂とか出てくると、本当に大事になってきた感があるな(^^;; 開始10分でテロリストがタンカーに乗船とか、序盤の展開も早く、テキパキ話が進みます。まあたった6人でタンカー制圧は、さすがに人数足りない気がしますが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:この手口は『キャプテン・フィリップス(2013)』と一緒だけど、あっちは5000トンのコンテナ船だしなあ。というか、犯人たちの乗るボートは、好天候の東京湾のど真ん中にどこから湧いて出てきたのか……とか、ツッコミ所は、なくはないですが(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:『ダイ・ハード(1989)』的なアクションというより、災害/犯罪シミュレーション指向なのかな。せっかく藤岡弘がいるんだから、彼がテロリストを斃してゆく展開でも良かったと思うんですが、『日本沈没(1973)』の後だけに、社会派シミュレーション寄りに引っ張られたか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:連合赤軍事件が1971〜1972年、73年には日航機がハイジャックされたドバイ事件など、時代は国際極左テロの季節。先進国の資源配分に異議を唱える犯人側の主張は、まあまあ説得力はありますが、あえてアラブ系にしなかったのは、現実的(アクチュアル)過ぎて生々しいと踏んだか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:このテロリスト達ですが、割と自分たちの主張を生真面目に捉えていて、80年代の『ダイ・ハード』のような「実は金儲けが目的でした」という展開にはなりません。この辺のテロリスト観の変化も、時代によって変化しているんですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:で、この映画の最大の見せ場は、鹿児島・喜山コンビナートの空爆大炎上…のフェイク映像。特技監督・中野昭慶渾身の大迫力映像ですが、特撮でフェイク映像作って犯人騙すのは『新幹線大爆破(1975)』と同じ。しかもこの両作品、公開日が1週間しか違わない(爆 何があった?(^^; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:どっちがパクったか、あるいは偶然なのかは定かではありませんが、少なくとも言えるのは、この時代の邦画界が自分たちの特撮技術に凄い自信を持っていたという表れでしょう。逆に言うと、ガンアクションとか格闘とかをそんなに推してる印象はないんですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:一応、終盤に海自特殊部隊(ダイバー隊)は出てくるんですが、テロリスト達はその前に内紛と船員の反乱であっさり壊滅してしまうんで、重装備の特殊部隊がじゃんじゃんバリバリぶっ放す絵面はないです(^^;; 特殊部隊の活躍シーンが見せ場になるという概念がまだ確立していない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:SBS(英海軍特殊部隊)による客船に仕掛けられた時限爆弾解体を描いた『ジャガーノート』の日本公開が同年春ですが、あれも特殊部隊がじゃんじゃんバリバリぶっ放す話じゃないか(^^;; あえて言えば、SASによる強襲が世界中継された英イラン大使館占拠事件も1980年ですし。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:なので本作での海自ダイバー隊は、原油タンク内に落ちた磁気爆雷の回収機材を持ってくるだけに留まります。実際の回収も藤岡弘がやってるし(^^;; 映画の面白さはひとつひとつの発明を重ねられて形作られるものなので、その発明前の作品では期待される見せ場も違ってくる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:そういうこともあってか、例のフェイク映像のパート以外は、今ひとつドラマの軸が弱い。藤岡弘が日本で待ってる彼女を思い出すパートはあるんですが、それ以外の船員に家族とか回想の場面もない。ドライでいいとも言えるけど、感情移入の回路が薄いとも言える。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:同じようなテロとフェイク映像のお話で、ほぼ同時期に公開されたのに、『新幹線大爆破』の名前の方が映画ファンの記憶に残っているのは、その辺の違いなのかな、と思います。あっちの方が個々のキャラが立ってる気がするし(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:しかし、邦画でもこういうスケールの大きなテロ映画が撮られていた時代があったわけです。その一方で東映ではブルース・リーに乗っかって、千葉真一が身体性を重視した格闘アクションを撮ってたわけで、そこら辺の流れと合流してくれれば…という恨み節もあるわけですが(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日