『太陽とボレロ』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/06/08(tue)鑑賞)
本日の映画『太陽とボレロ』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。水谷豊が『相棒』のご褒美で撮らせてもらっている映画……と高を括ってたら、前作『轢き逃げ』が意外に出来が良かったので、今回は素直に期待。まあ昭和の名監督の演出を間近に何十年も見てきた人ですしね(^^;; #fr22_n pic.twitter.com/62IPZYVgSh
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『太陽とボレロ』観終わりました。地方都市の市民オーケストラのお話で、スポンサー兼運営の檀れいを中心に描く群像劇。その檀れいが、地方のそこそこの資産家の跡取りで40代独身のお嬢様、という役に即した上品さと可愛らしさでお見事。全体のテンポも軽やかで品の良さが印象に残る映画です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『太陽とボレロ』:地方のアマチュア交響楽団「弥生交響楽団」は、チケット売上が低迷し、自治体からの助成の目処も立たず、スポンサーだった地元企業も支えきれなくなり、そこへ精神的支柱であった指揮者の藤堂(水谷豊)が癌で倒れ、代表の花村理子(壇れい)はやむなく解散を決する。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:だが、クセ者揃いの団員たちは一筋縄ではいかず、さっそくさよなら公演での藤堂の後任の指揮者の座を巡って揉める始末。せめてさよなら公演だけでも成功させようと、理子たちは奔走するのだが……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:日本国中、おらが自治体にコンサートホールがあり、中規模クラスの都市ならアマチュア交響楽団のひとつもあったのも今は昔。自治体の補助が入っているにせよそうでないにせよ、体力のないところから脱落していっているのは他の文教施作と一緒。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:本作の弥生交響楽団もそのひとつで、代表を務める服飾店経営の檀れいと中古車ディーラー経営の石丸幹二の持ち出しでかろうじて持ってたのが、この所の不景気でそれもままならず、支えきれなくなる。地方の資産家階層もダメージ受けてるもんね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:そうは言っても、箱と場さえ用意すれば、昼間は別の仕事をしているアマチュア音楽家が、オーケストラ編成できるだけの人数、自分の楽器を携えて集まってくるのは、この国の地域社会の豊かさでもあります。まあそれもいつまで続くのかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:あそこに集まってる人たち、全員が芸大出というわけでもないにせよ、町場の音楽教室レベルでも一定水準の演奏教育を受けて、高価な楽器を自腹で購入してるわけでしょ。今やどこでも続いてるだけ奇跡だけど、こういう土壌があってこそ、国際水準の音楽家が生まれるわけでさ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:でも、ちょっとした中産階級のウチなら、どこでもアップライトのピアノが埃被って置いてある時代はもう終わり。ウチの実家にもありましたけど、息子の私の部屋にはない(^^;; この映画は、そういう文化的な黄昏の時代を、それでも品よく笑って迎えましょうという物語です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:で、本作は解散を決めるまで前半いっぱいかけて、意外としぶとくジタバタします(^^;; 万策尽きたヒロインが資金協力を申し出てきた昔馴染みの百貨店バイヤーと一夜を共にしかけ……まあ結局、ぶっ飛ばして帰ってきちゃうんだけど(爆 #fr22_n
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『太陽とボレロ』:この辺、ヒロインを中心にオーケストラ経営層として、あるいは40代独身女性の歳相応の苦境の描写を丁寧に積み重ねてるんですが、あんまり冗長に感じないのは編集のテンポがいいんですね。それも単にカット繋ぎを急いでがっついてる印象もなく、過不足なく繋いでゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:何というか、そこには上品さすら感じる。前作も編集はセンス良かった印象があるけど、監督の水谷豊が直接編集してるわけでもないにせよ、これにOK出せるセンスはあるわけで。表現として失礼ですが、監督の実年齢に似合わず若々しいフィルムです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:あとオーケストラの経営層に、ヒロインの檀れいと相方の石丸幹二の中年男女がいて、歳相応に責任ある大人として振る舞っているものの、いい歳して結婚もせずに一文の稼ぎにもならない音楽事業に入れ込んでるだけに、少年少女のような初心さもある。この辺の匙加減ね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:演奏家サイドでは、明るくまっすぐなバイオリンの森まりあと調子のいい二枚目半のトランペット町田啓太のカップルが、代表の中年カップルと対をなしてこの映画の間口を広げてくれます。町田啓太はNHKでウッチャンとコントやってるので、二枚目でも芝居が軽くて楽しい。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:その二組のカップルの間に挟まれる団員たちは、皆、どこにでもいる普通のおっちゃんおばちゃんたちです。気のいい人も、偏屈な人もいるし、しょーもないことに拘って揉めたり、厄介ごとを引き起こしたりする。でもそれこそ、市民オーケストラの「市民」たるゆえんですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:解散が決定してからは、そうした一般団員に、倒れた老指揮者の水谷豊を含む群像劇として展開し、やがてさよなら公演へと収束してゆく。先に触れたように、この映画は地域文化活動の黄昏の物語なのだけど、でも笑ってさよならの日を迎える方向を目指す。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:この弥生交響楽団の気のいい仲間たちが、この映画の後、どこかのオーケストラに参加するのか、ひとりで演奏を続けるのか、それとも音楽から離れてしまうのかは、きっとそれぞれだろうけど、でもきっとこのさよならの日のことは笑って思い出せるよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日
『太陽とボレロ』:それは現実に、それぞれの地域で自分の携わる文化事業を遺そうとして、それでも万策尽きたと諦めざる得ない事態に至った人たちにも、いくらかの救いと再生の希望をもたらしてくれるのではないかと思います。そういう上品で、素敵な映画でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月10日