『こみっくパーティー Revolution』第4話「私の想い……きいてください!」
今回のアニメ化版の画像がアマゾンになかったので、とりあえずゲーム版のリンクを。
- 出版社/メーカー: アクアプラス
- 発売日: 2003/05/30
- メディア: DVD
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今回も絵コンテ・演出は林宏樹で和樹の声も菊池正美なので、ますますもって『天地無用!』じみていた。主人公の些細な言動で周囲の女たちが勝手に癒されまくってくれるという、あれね。
勿論、現実の人間関係ではそんな段階までたどり着くには、相応の信頼関係の積み重ねが必要なのだけど、このアニメではそこをきれいさっぱりすっ飛ばしている。いや、そこは原作ゲームをやってくれということか。
しかし、そうしてみるとますますこのアニメ自体が同人誌みたいだな。結局、そうした信頼関係が構築されてゆく、ある意味非常にめんどくさい過程を描かず、その成果たる「ヒロイン達との親密な関係」だけをいいとこ取りで描いているわけなのだから。
ただここで同時に指摘しておかないといけないのは、原作ゲーム自体、そうした同人的な物語の二次利用をもビジネスに織り込み済みの──別な言い方をすれば、こうした物語の基盤(インフラ)を提供することも商品価値の一部としていることだ。
とすると、メーカー主導で制作された今回のアニメ化が、原作ゲーム内での関係性の上澄みを掻きまわす程度の内容のない作品になった理由が見えてくる。前回のアニメ化のように和樹の成長譚として語られてしまうと、主人公の成長に伴って作中のヒロイン達との関係性も変化するから、いずれ「物語」として「あがり」となってしまう。メーカー側が良い顔をしなかったというのも恐らくそこにあるのだろう。主人公とヒロインの関係性を適切なレベルで安定化させ、「物語」として早々に消費し尽くしてしまわないように、出来る限り商品寿命を引き伸ばしたいと考えるのは、資本主義社会下のゲーム会社の論理としてはしごくまっとうなものだ。
そんなわけで、今回のアニメ化のテーマは「皆さん、こんな風に『こみっくパーティー』のお話で遊んでくださいね」という「遊び方の説明」に他ならない。してみると、和樹達が作中でちっとも同人誌を創ろうとしないのも当然だ。この今回のアニメ版『こみっくパーティー』において、同人誌はこれを見ている視聴者が創るべきものなのだから。
……とまぁ、何だかもっともらしい結論に達しはしたが、本当かよ、おい。