積読日記

新旧東西マイナー/メジャーの区別のない映画レビューと同人小説のブログ

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義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第5&6回:まえがき

■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第1&2回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090609#1244559898
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第1回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090609#1244559899
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第2回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090609#1244559900
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第3回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090614#1244952601
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第3回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090614#1244952602
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第4回:まえがき
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090621#1245560162
■義忠『棺のクロエ1.5 花嫁強奪』第4回:本編
http://d.hatena.ne.jp/Yoshitada/20090621#1245560163
 
 連載第4回目。
 少佐vs第1山岳混成小隊の激突編、前篇です。
 
 とはいえ、今回のパートのキモは、山岳戦車云々よりフェリアの内面の掘り下げの方になります。
 
 自分の作品の場合、どんなお話を書いても基本となるテーマとして、「自分を取り戻す」というのがあります。
 もうちょっと具体的に言えば、「自分の人生を、自分のものとして主体的に生きること」です。
 ただそこは社会人の読者の方なら身に染みてお判りでしょうけど、そうそう簡単にできることじゃない。自分を取り捲く社会との関係の中で、意に沿わない生き方を強いられたり、この作品のフェリア王女のように心を閉ざして周囲の状況に流されたりしながら、まぁ、それでも大概の人々はどこかで「これが本当の自分だ」と思えるような小さな何かを心の支えにして日々を生きています。それは「家族」や「恋人」や、あるいは「仕事」や「趣味」や、ひとそれぞれの自分自身で見つけた「何か」です。
 でも、それを見つけ損なったり、失ったり、手に入れることができないと絶望したりする人もいます。
 というか、現実に満足できているキャラなんて、別にわざわざ物語の中に引っ張り込んでやる必要はないわけで、物語の駆動力となるのは、得てしてこうした「あらかじめ失われた人々」となります。
 このお話では、フェリア王女がまさにそうした役割を持ったキャラです。
 
 こういう構造の話ばかり書いているのは、自分が「克己」をテーマとすることの多い「冒険小説」を小説の範としているからか、それとも作者である自分の現実の人生を反映しているのか──どちらがより真実に近いかは、読者の皆さんのご想像にお任せすべきでしょう。
 いずれにせよ、そのキャラがそのキャラなりに「自分自身」を取り戻す物語の方が自分にとって書きやすいし、またそういう「物語」を読みたいと自分でも感じています。
 だから、まぁ、これまでも、これからも自分はこんなお話ばかり書いてゆくのでしょうね。
 それでも、なるべく手を替え品を替え、読者の皆さんを飽きさせない手練手管は尽くすつもりでおりますので、懲りずに今後もよろしくお願いしますm(-_-)m
 
 次回は少佐vs第1山岳混成小隊の激突編、後編です。
 乞うご期待。