創作小説
今回、明日の冬コミでは新刊のご用意はないんですが、告知用のポスターをご用意しました。 イラスト:豚猫様 そんなわけで、夏コミ(C92)でリリースした『アイドルマスター シンデレラガールズ』二次創作で、渋谷凛を主役としたガンアクション小説『GUNS 'N L…
夏コミ新刊のご案内。 そんなわけで、今年の夏コミ(C92)では、小説サークル「カレードスコープ」様に委託して、『アイドルマスター シンデレラガールズ』二次創作で、渋谷凛を主役としたガンアクション小説『GUNS 'N L@DIES』をリリースします! 表紙イラス…
普段、映画レビュー紹介サイトと化している本ブログですが、元々ブログ主は小説同人者なのでした。 そんなわけで、今年の夏コミ(C90)では、小説サークル「カレードスコープ」主催の『アイドルマスター シンデレラガールズ』二次創作アンソロ本『TIERCE』に、…
■邀撃捜査線 カサンドラ・パラドクス http://ncode.syosetu.com/n9222m/ 2020年、東京── 街中に設置された監視カメラや上空を飛ぶ無人偵察機(UAV) からの映像情報、それをタイムラインに沿って蓄積・分類する大規模記録媒体(ストレージ)とデータベース・シス…
これまで、ここのブログでも小説を公開してきましたが、「小説家になろう」(http://syosetu.com/)さんでルビ表記や縦書き表示、携帯表示にも対応しているということで、そちらに何本か既存作品を掲載してみました。 ■棺のクロエ1 棺と少年 http://ncode.syo…
え〜、そんなわけで、連載に使える原稿も底をつきましたので、今週から改めて新作準備の状況をお届けするコラムをもうけることにしました。 で、今週は資料集め。 現実の未来予測技術について少し調べておこうと、密林さんで現実の未来予測技術関連の本を購…
0-15 その夜、私たちは星空の下で、いつまでも語り合い、時に肌を重ねて暖もりを確かめあった。 夜が明ければ現実が襲い掛かってくる。 私たちのささやかな誓いも、大きな世界のうねりの下では、荒れ狂う濁流に浮かぶ木の葉ほどの役にも立ちはしない。きっと…
0-14 「……何を言ってるんです? 貴女と結婚して、〈王国〉の力を背景にチャオ殿下や軍と対抗しろとでも? バカバカしい! そんなもの、あいつらにとっては何の意味も──」 「違います!」 フェリアはカオの両腕を掴んだ。 「どうして判って下さらないんですか…
0-13 違う! 違う! 違う! そんなことはない。絶対に、そんなことはない──そう言ってやりたいのに、そう言って叫びたいのに、咽が張り付いて声が出ない。暗闇が肩にのしかかって押し潰されそうだ。 その重圧を何とか跳ね退けて、フェリアは別の問いを口にし…
連載最終回。 「恋愛小説」を書いているつもりだったんですが、何だか辻説法みたいな話になってきてしまいました……orz それでも、ラストは頑張ってイチャラブ的な展開にしてみましたが、いかがでしょうか。 ……まぁ、この後、『花嫁強奪』で書いたように、こ…
0-12 「この辺でいいでしょう」 診療所を出て、松葉杖をつきながら数分ほど歩いた場所にある広場の真ん中で、カオは立ち留って言った。 辺りに人家はなく、言うまでもなく街灯もない。遠くに診療所の灯火(あかり)がぽつんと見えるだけだ。 本当に一切の灯火…
0-11 カオが入院しているという診療所に到着したのは、既に深夜に近い時間だった。 今にも倒壊しそうなその古びた診療所に駆けこむように足を踏み入れたフェリアは、診療所内に唯一設けられた病室にカオの姿を見つけた。 「やあ、ようやく婚約者(フィアンセ)…
連載第6回目。 カオ皇子との再会、そして明かされる真実……というお話。 今回は、第12回分の始めの方で明かされるカオ皇子の正体がキモと言えばキモなんですが。 いや、一応、この作品は「恋愛小説」なんですが、これを読んだ知人から、 「どこの世界にこん…
0-10 現地に向かう飛行船に乗るため、最寄りの空軍基地に全速力で向かうリムジンの車内で、フェリアは向かい合って座る中尉の襟章をつけた青年士官に喰ってかかった。 「それで殿下の容体は?」 「申し訳ありませんが、私の口からはお答えできません」 「何…
0-9 あの日、あの瞬間のカオが浮かべた一瞬の表情に意識を引き戻され、フェリアは表情を強ばらせた。 すべてが幻(まぼろし)と知っているかのような、ひどく老い、枯れ果てた表情。 だが、あの場で何故そんなものが、彼の表情によぎったのか? カオと過ごした…
連載第5回目。 テレサとの対話、その後編と旅先で事故に遭ったカオ皇子を追ってフェリアとテレサが辺境地域へ向かうお話。 この辺からお話のトーンが転調するキーポイントとなるエピソードです。 フェリアがカオ皇子への自分の感情に気づき、カオ皇子の事故…
0-8 「……何をやってるの、テレサ?」 「何って、お茶を淹れております」 「そうじゃなくて」フェリアは小さく唸りながら、教科書を詰めたバッグをテーブルの上に置いた。 「何で研究室(ここ)にいるのか、って訊いてるの」 その日、授業を終えていつものよう…
0-7 その日の内に〈帝国〉側、〈王国〉側の関係各方面に、フェリアとカオの婚約成立の知らせが通達された。 ただし、フェリアが自分がまだ学生の身であり、勉学の妨げになると強硬に主張したことによって、マスコミには伏せられたままだ。この辺、〈王国〉側…
連載第4回目。 婚約成立後のお話とテレサがフェリアの本当の気持ちを問いに研究室まで訪ねてくるお話。 本当はこの辺りもう少し膨らませて、フェリアがカオ皇子に惹かれてゆく下りを丁寧に描くべきなのだろうと思います。 いや、何度か書こうとはしたんです…
0-6 「……で?」 「どうしても嫌なら、別の相手を用意すると」 「はぁ」 「四三歳の第8皇子か、十二歳になったばかりの皇帝のお孫さんのどちらかを選べと言われました」 「それはまた大変ですねぇ」 目の前で大平楽な物言いを口にするカオに、フェリアは鋭く…
0-5 「いかがでしたか?」 ホテルに戻り、夕食を済ませてふたりっきりになった頃合いを見計らって、テレサが訊ねてきた。 予想通りの質問とタイミングに、フェリアは鏡台の前で髪を梳くブラシをテレサにゆだねながら、あらかじめ想定済みの回答を口にした。 …
連載第3回目。 フェリア王女とカオ皇子の婚約が成立するまでのお話。 で、またしても解説のパートがあるんですけど……。 う〜ん、でも両国関係の事情とかちゃんと書いておかないと、なんで二人が意に沿わない婚約をしなくてはならないのか、よく判らなくなっ…
0-4 ドアに張り付けられている「法学部第5研究室」の銘の入った木の板が、微妙に傾いている。文字のインクも掠れ気味で、少なくともそこに棲む住人がこういったことに頓着しない性格であることを物語っていて、「婚約者」としては軽い目眩を覚える。 だが、…
0-3 帝都貴族院大学は、大陸の過半を統べる大国〈帝国〉の首都〈帝都〉の郊外、行政区画的にはその最外縁部に広大なキャンパスを置いている。 元々、帝室所有の猟場として鷹狩などを行っていた場所なだけに、起伏に富んだ地形と鬱蒼と生い茂る森の木々に覆わ…
連載第2回目。 フェリア王女がカオ皇子に会いに行くお話。 ……いや、まぁ、それだけっちゃ、それだけなんですが。 さて、今回掲載分の冒頭で、帝都貴族院大学と<帝国>における皇族・貴族の立ち位置についてごちゃっと説明してて、知り合いからはまた例によ…
0-2 「おはようございます、フェリア王女殿下!」 「……どなた?」 翌朝、ペントハウスのテーブルで朝食を摂っていたフェリアは、目の前に勢い込んで現れた眼鏡の少女に向かって、とっさに率直すぎる疑問を口にしていた。 まるでカウンターをもろに喰らったボ…
0-1 「婚約者?」 侍女のテレサからその話を聞かされた時、フェリアが発した第一声はそれだった。 「誰の?」 「勿論、姫様の、です」 幼い頃からフェリアのそばに仕えるテレサの態度は、落ち着き払っていた。 「いや、ほら、テレサのって可能性だってあるじ…
新連載第1回目。 念願の<帝国>への留学を実現した<王国>第1王女フェリアだったが、実はそれは<帝国>皇族との婚約のカモフラージュだった……。 昨年の夏コミにて初出の作品。 『花嫁強奪』の前日譚でフェリア王女とカオ皇子の馴れ初めのお話です。 今…
16 「少佐!」 いくつもの雪を蹴る音が聴こえ、首を巡らすとフェリアを先頭に軍曹と国境警備隊員達がこちらに駆け寄ってくる姿が目に入った。 「少佐、どちらが勝ったの?」 「……私にそれを訊いている時点で、答えは明白だと思いますがね」 苦笑して、雪の上…
15 地を蹴って突っ込む大尉の右腰から銀糸のような斬光が奔(はし)り、少佐の喉元へと延びた。 それを少佐の左腰の軍刀(サーベル)から奔(はし)る、短い軌跡の銀糸が迎撃する。 金属が激突する音と火花が弾け、少佐と大尉は即座に互いに後方へと跳ね飛ぶ。 し…