『見えない目撃者』@TOHOシネマズ新宿(16/4/1)
本日の映画『見えない目撃者』@TOHOシネマズ新宿に劇場入りしました。韓国映画『ブラインド』の中華ローカライズ版。中国は外国映画の年間上映本数に制限があるので、こういうローカライズで対応してるんですね。…まぁ、でもオリジナル観てないので、比較とかできませんが(はは #fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』観終わりました。綾瀬はるかに(気持ち)似ている盲目のヒロインが、「目撃」した連続女性誘拐犯につけ狙われるお話。リメイク作品だけあって、プロットとネタの練り込みが徹底してて、普通に面白くてちょっと嫌味(^ ^;; …あと、生活水準高いな、今の中国人。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:警察学校生のル・シャオシンは、親の反対を押し切ってミュージシャンを目指す弟をライブ会場から無理やり連れ出す途中で、交通事故を起こして弟を死なせ、自らも失明する。それから3年後、盲目のシャオシンは、警察学校への復帰を目指すも果たせずにいる。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:そんなある夜、雨に降られて拾ったタクシーが人身事故を起こしたまま立ち去ろうとしていたところを咎めたところ、シャオシンを振り切って、タクシーは自ら轢いた被害者を乗せて逃げ去ってしまう。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:最寄りの所轄署で供述するシャオシンだったが、その鋭い「観察眼」に気づいた刑事班長のルーは、彼女の協力を得て捜査を開始。そこへ別の少年リン・チョンが、目撃者として現れる。しかし、賞金目当ての態度を隠そうともせず、シャオシンの証言とも微妙に喰い違う。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:ガセネタと見て一時は署から追い返されたリン・チョンだったが、自分の証言との差異の原因にシャオシンは気づく。彼は決してウソをついていたわけではなかったのだ。慌てて彼と連絡を取ろうとするも、既に犯人の魔の手がリン・チョンの身に伸びようとしていた。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:だいたいこんな話で、ローラーブレード大好きなきらきら美少年のリン・チョンをあちらのアイドルの男の子がやっていて、ラストでいかにもアイドル然とした格好でステージに立って歌い出します。……サービスカットなのかな、一応(^ ^;; #fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:お話的には、「このネタだったらこうなるよね」というお約束を一歩も踏み外さない代わりに、「このネタで拾えるものは全部拾っとく」というネタの練り込みが徹底していて、良くも悪くも遊びがない。まぁ、プログラム・ピクチャーとしては、ほぼ完成形ですな。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:例えば、目の見えないヒロインの日常から、健常者との関係性や距離感の描写なんかで、本当に隙間なくネタを詰め込んでくる。目の見えない障害者がスマホを使うとことか、想像できないでしょ?でも日常生活に根ざして利用する姿を見せて、健常者の観客ははっとする。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:この手のB級のプログラム・ピクチャーにとって、こういうネタ描写の詰め込みには二重の重要性があって、ひとつはネタの情報性によって観客の関心を引き続ける機能があるということと、視覚障害者の生活への観客の理解を促す啓蒙の機能があること。どっちも重要。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:本作では視覚障害者の生活をアシストするデジタル小物がいっぱい出てきて、それらの使い方に感心しているだけでも間が持ってしまう。クライマックスでは、それが犯人との対決を制したりもする。映画のジャーナリズム機能のお手本みたいな映画ですね。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:プロット的には、弟の死に自責の念を抱き続けるヒロインの心の傷の克服というテーマが根幹にゆるぎなくあって、犯人像がその鏡像(自ら殺した妹への過剰な愛情が犯行のきっかけ)、死んだ弟の代理的存在としてアイドル系男子を置く、と。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:脚本科か臨床心理学の教科書みたいな設定だな……(^_^;; 韓国映画は低予算のプログラム・ピクチャーほど、この手の基本に忠実な映画を撮るよなー。まぁ、映画学校の質が高くて、教育が行き届いてるとも言えるけど。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:この辺は功罪があって、今回みたいに脚本をぽんと別の国に持っていってもあっさり撮れちゃう普遍性がある反面、数観てリテラシーの高まった観客には先が読めちゃうんだよねー。この映画では、「視覚障害者のライフスタイルへの興味」で、埋め合わせをしてるけど。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:60年代にあれほど理詰めのプロット重視だった邦画が、70年代に入って破綻上等なパッション重視に雪崩れ込んだのは、その辺の理由が原因かもな、と。役者の情念過剰なパッションは予測効かないから、理詰めのプロットに飽きてそっちに行くのは判らんでもない。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:それはさておき、他に気付いた点として、生活水準の描写が、普通に日本より上(ー ー;)部屋は広いし、デジタル機器も多い。まぁ、ヒロインはお嬢様だし、犯人も資産家で、他に家庭や自宅の描写がないので、これが中国の家庭一般の生活水準とも思わないけど。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:バブル期のトレンディー・ドラマみたいに、実際にそういう生活してるわけじゃなくても、指標となる憧れのライフスタイルなのかもしれない。しかし、貧乏くさいとこ、全然描写しないなぁ。観客から反発喰らってないなら、少なくとも彼らの想像の範囲内なんだよね。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 1, 2016
『見えない目撃者』:少なくとも生活水準描写だけ観てる限り、日中韓で大して差は見られない。それはつまり、ローカライズの手間が最小限で済むという話だし、更に言えば本作のように、出来が良ければ再輸出も可能ということです。作品展開の可能性が一気に広がることになる。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 2, 2016
『見えない目撃者』:その意味で気になったのが、本作での暴力描写のレートで、実は意外と人死んでないんだよね。もしかすると、オリジナルでは大量殺人になってそうなとこも、さらっと犠牲者なしで済ますし。犯人の武器もメス一本だしなぁ。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 2, 2016
『見えない目撃者』:実は韓国映画は、数を観てくと意外とガンアクションは少ないんです。銃を使わずに、かなりハードなバイオレンスをやってる。この辺が香港映画と違うところで、輸出時のレイティングで銃描写が引っかかることが多いからかもしれません。#fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 2, 2016
『見えない目撃者』:さて、そうは言っても、観客としてはそれぞれのお国柄の出るローカライズが部分の面白みもあって(^_^)、路上の監視カメラくらいは日本にあっても、容疑者の条件指定したらたちどころに電話盗聴音声が大量に出てくるとか(爆、中国らしい描写もw #fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 2, 2016
『見えない目撃者』:あと、ヒロインが犯人に止め刺す獲物が「え? それ使っちゃうの?」というモノだったり、ラストの弟の追悼ライブでしっとりした想い出の曲をアイドル風ポップソングにして締めとかw、意図は判るが邦画ではやらなさそうなとこもちょこちょこ(^_^) #fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 2, 2016
『見えない目撃者』:総論としては、よく出来たB級スリラーだし、視覚障害者への理解も深まる映画でした。メインターゲットは、イケメン美少年に「姉さん」とか呼ばれてキュンキュンくる女性層かもしれませんが(^_^) #fr16_n
— 義忠@冬コミ落選中「物語工房」 (@yoshitada_n) April 2, 2016