『ルック・オブ・サイレンス』@渋谷シアター・イメージフォーラム(15/7/10(fri)鑑賞)
本日の映画『ルック・オブ・サイレンス』@渋谷シアター・イメージフォーラムに劇場入りしました。昨年観た『アクト・オブ・キリング』に続く、インドネシアの虐殺についてのドキュメンタリーだそうで。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』観終わりました。1960年代、インドネシアで共産主義者(とされる)100万人の市民が虐殺されながら、その後、虐殺した側が権力を握り続けたため、虐殺を「正義」と語られ続けた国の、遺族のドキュメンタリー。 pic.twitter.com/wKb6uH4dg7
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:児童文学のひとつのジャンルとして、「逆さまの国」ってのがあるのね。「男の子と女の子の役割が逆さま」とか「大人と子どもが逆さま」とか、「正しいと悪いが逆さま」とか。『ドラえもん』でもあったでしょ。これは「虐殺が正しいとされる国」のお話。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:南の島の、豊かな緑と極彩色の果物たち。穏やかな農村で、孫と戯れる優しげなお爺ちゃんが、若い頃の武勇伝を語るかのように、いっそ誇らしげに笑いながら殺戮の手口を微に入り細に入り説明する。反省してる、後悔してる…せめてその気配でもあれば、遺族は許せるのに。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:その辺の基本的な状況は前作『アクト・オブ・キリング』と一緒なんだけど、この映画では自分が生まれる前に兄を惨殺された弟が、兄を殺した男たちに「あなたは何故、兄を殺したんですか」と静かに訊ね、虐殺犯たちが饒舌に言い訳を口にするのをじっと聞く。聞き続ける。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:虐殺を英雄的行為と誇りながら、誰もが自分の責任を認めない。「軍に命じられたから」。いや、確かにインドネシア軍は国際的批判を恐れて、虐殺を「市民が自発的に始めたこと」という体を取り、実行は「民家自警団」に任せていた。しかし、そんな言い訳が通用するのか。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:あと、こいつら気づいてないと思うが、虐殺現場を囲んでいた軍部隊は、虐殺部隊を守ってたんじゃなくて、殺される側が組織的な抵抗を始めたり、自警団の虐殺が暴走して制御できなくなったら、まとめて始末するために待機してたんだと思うぞ……。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:今回の映画では、前作ではあまり触れられなかった軍の関与について(匂わす程度にせよ)言及されていて、ろくでもない全体構造が垣間見えて興味深い。いずれ軍中枢の意思決定メカニズムについて暴くドキュメンタリーも期待したいところだけど……。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:あとは、どの虐殺話でもそうなんだけど、犠牲者の多くは、多少の抵抗はしたり、泣きはしても粛々と殺されてゆく。それはそこの至るまでに、暴力で抵抗心をへし折られているからなんだけど、逆に言うと、そういう状況下でどう意志を維持するかが、生存の鍵となる。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:この南の島の「逆さまの国」で起こった悲しい物語に触れ、私たちの社会はそこから何を学ぶべきかを考えてしまう。少なくとも私たちの国は、欧米諸国とともにこの虐殺の存在を無視し、あえて言えば生暖かい好意の目で眺めていた。共産主義の台頭を防げるという理由で。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:そこのメンタリティーは、自警団に虐殺をやらせて、自分たちは手を汚さずに眺めていたインドネシア軍と構造的には一緒だ。それがリアル・ポリティクスと言えばそれまでだが、社会の背後でそんな身勝手な構造やストーリーが、時に蠢くことがあるのだと銘記すべきだろう。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:前作では、虐殺犯のひとりが、まがりなりにも良心の呵責に苦しむ姿を映すことで、人間という存在への微かな希望のようなものが示された。だが、本作で示されたものは、もっと苦い断絶を、遺族がじっと受け留める結末で幕を閉じる。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
『ルック・オブ・サイレンス』:闇は深い。されど、どんな暗闇の中でも、諦めずに歩む人がいる。熱帯の「逆さまの国」に、それを学ぶ映画でした。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年7月10日
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