『野獣一匹』@ヒューマントラストシネマ渋谷(15/10/16(fri)鑑賞)
Ek Villain - New Official Trailer
監督:モーヒト・スーリー
主演:スィッダールト・マロートラー、リテーシュ・デーシュムク
2014年/インド/ヒンディー語/129分
原題:Ek Villain
本日のインド映画『野獣一匹』@ヒューマントラストシネマ渋谷に劇場入りしました。殺し屋ものなんだそうですが、さて。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』観終わりました。こんなタイトルなんで、男臭いバイオレンスものかと思えば、意外と哲学的。と言うか、インド映画でなければ、娯楽映画でこんな地平には辿りかないような結末に辿りつく。絶対設定盛り過ぎなんだけど、盛らなきゃここまで辿りつけなかった必然すら漂うという、な。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:悪鬼羅刹の如き殺戮を繰り返す組織の暗殺者グルは、底抜けに楽天的で陽気な女性アーシャと出逢うことで、堅気になることを決意する。だが、そのアーシャは通りすがりのシリアル・キラーの餌食となり、命を落とす。犯人を追うグルだが、彼は再び復讐者として野獣に戻るのか。それとも…。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:あらすじはそんな感じなんだけど、普通なら冒頭でさらっと済ます奥さんとのイチャイチャ話をたっぷりやるのがインド映画流w。しかし、それがあるから、後々、シリアル・キラーを見つけて以降の展開が活きてくる。犯人を殺してやりたい。しかし、死んだ妻の願いは、そうではないはず。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:一方、犯人は家庭で妻に馬鹿にされ、職場で女上司に罵倒されたストレスを通りすがりに自分を責めた(ように感じた)女を殺すことで発散してて、それが家庭円満の秘訣、とか言ってるような奴なんだけど、この辺の男らしさ(マチズモ)に追い詰められる過程も丁寧にやるという。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:出会うはずもないふたりの殺人者が激突する……とはいえ、犯人の方は殺人好きなだけのただアマチュアなので、速攻で発見されて主人公にボコられるw さぁ、ここからがインド映画の真骨頂で、主人公は犯人を半殺しにするものの、殺さない。殺さずに半殺しにし続けると誓うのだ。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:本当にそれが復讐の手段だと思ってるのもあるけど、奥さんとの想い出や約束が怒りに任せて一線を越えそうになるのを押し留める。それでも次々と主人公に試練が襲いかかって、野獣に戻れと促す。……何か、『ダークナイト』つーか、宗教の説話みたいだな(^^;;
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:しまいには、犯人から「俺を殺せ。お前に殺されれば、俺は救済される。そうすれば俺の勝ちだ」とか言われて挑発され、さらに意外な介入まであって、主人公は極限まで追い詰められてゆく……と言うね。インド人以外では、思いついてもこんな話にはしてないと思う(^^;;
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:設定盛り過ぎってのは、例えばこんな感じ奥さんひとり取っても、出会った時はヤクザものに無警戒に近づく不思議ちゃんで、ガンに侵されて余命幾ばくもなく(その後、奇跡的に治癒)、殺された時には妊娠してましたって言う……本当に全部盛りだな!(^^;;
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:一事が万事この調子で、インド以外なら冗長そのもの設定や描写をどんどん積み上げてゆくと、やがて不思議なグルーヴ感が出てきて、意味を持ち始める。何気ない描写が二度三度と繰り返されることで、死んだ奥さんや神様に導かれているかのような印象が浮かび上がってくる。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:まさにそれこそが、宗教性なんだよね。まるで煉獄のように試練を強いるこの世界にあっても、神の恩寵は始めからあまねく在り、それに気付き、自ら手を伸ばす者のところにのみ祝福は訪れる。そう言えば、この映画は至る所で神様の像が配置されていて、主人公を見守っているかのようだ。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日
『野獣一匹』:ロマンスあり、バイオレンスあり、サスペンスありの歌も踊りもある全部盛りで、人生の変転を丸ごと呑み込んで、そうであればこそ、辿り着ける地平がある。娯楽映画に徹し抜くことで、聖性すら帯びてくる映画なんて初めて観ました。まだ上映回あるのかな。機会がありましたら、是非。
— 義忠@夏コミ申込中「物語工房」 (@yoshitada_n) 2015年10月16日