『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』@地元のシネコン(22/06/04(sat)鑑賞)
https://www.netflix.com/title/80124040
本日の映画『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』@地元のシネコンに劇場入りしました。ファーストガンダム本放送時に捨て回とされたエピソードを、安彦良和自ら改めて2時間の外伝に仕立て直したお話。どうあっても割引効かないみたいなので、週末に観に来ました(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月4日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』観終わりました。実質20分の元ネタを2時間の映画に仕上げる安彦良和の手練手管に感嘆。それでも一切冗長に感じなかったのは、元ネタのテーマ性やプロットの骨格の良さに依るか。かつアムロにせよドアンにせよ、裏のエグみをちゃんと押さえつつね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月4日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:ジャブロー戦後、連邦軍のオデッサ攻略に合流すべくラス・パルマスで待機中のホワイトベースに、カナリア諸島アレグランサ島の偵察・掃討任務が下される。この島に向かった連邦軍部隊が、悉く消息を絶っているというのだ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:おそらくジオン軍の残置諜者がいると思われる。これを掃討せよという参謀本部の命令により、さっそく島に向かうアムロたちだったが、島には年端もいかない子供たちが住んでおり、更に謎のザクの襲撃によりガンダムが消息を絶つ……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:直前にNetflixでオリジナルの第15話を観てから鑑賞。便利な時代になりました。さて、その第15話の実質20分、前後のエピソードとも絡みが少なく、外部制作に廻して後に「作画崩壊」とまで評された話数です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:その20分の話を2時間に拡げるに当たり、しかしあまり無茶な再解釈がされているようには見えません。絶海の孤島に戦争を降りた脱走兵の男がいて、戦災孤児たちを守って暮らしている。そこにアムロたちがやってきて、一時暮らしをともにする。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:脱走兵というか、「勝手に戦争を降りた男」の話としては、『地獄の黙示録』の原作コンラッド『闇の奥へ』の名を出すまでもなく、古今東西によくある話で、安彦良和監督もインタビューで「抜け忍もの」と括ってましたね。普遍性の高いお話です。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:骨格が強固なので、主筋は弄らずともディティールを膨らませるだけで2時間持たせられる。まあ、初代『ガンダム』はこのエピソードに限らず各話の脚本が秀逸なんですよね。それも技巧の秀逸よりも骨太さで唸らされる話数が多い。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:そんなわけで、オリジナルから膨らませるに当たってのキモは、当然、今回のゲスト、ククルス・ドアンのキャラクターということになります。オリジナルでは凄腕ということと、子供たちの親を殺したということぐらいしか背景がない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:そこで、映画化に当たってオリジナルになかった「残置諜者」という用語を上手く使っていて、ジオン内部でドアンが戦争を勝手に降りてるのに任務遂行中であるかのように欺瞞できている理由であり、クライマックスの大ネタにも繋がってくる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:とは言え、ドアンの回想シーンが長々とあるわけでもなく、短い回想と後は彼自身の言動でのみ語られる。内面語りとかもなく、抑制的。この辺のストイックさは、最近の邦画より1960年代辺りの邦画の香りがしますね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:このドアンですが、戦災孤児たちのよき父親代わりとして振る舞い、また少年兵でもあるアムロに兵士ではない戦士としての生き様を示す一方、映画で追加されたディティールの行間を読むと、エグみのある業の深さも見えてくる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:オリジナル版では島に上陸した連邦兵の命まで奪っていないんですが、この映画版では逃げるジムを背中からばっさり。それまでも島に近づく連邦MSを悉く殲滅してきたことが示唆され、何より元から島に居た本物のジオン軍残置諜者どうしたんだ(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:任務の性質上、最低でも2〜3人はいたろうに、不意を衝いて殺したのか。それも定時報告用のコード聞き出すのに、拷問くらいやってる可能性すらある。更にかつての戦友との対戦でも、釈明しようとか説得する気ゼロ。黙って殺るだけである。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:いくら島の子供たちを守るためとは言え、覚悟ガン決まりすぎて引く(^^;; 皆の頼もしい父親代りの裏で悪鬼羅刹の貌(かお)を持つことが、明示的に語られずとも暗に示唆されており、この辺がラストのアムロの台詞に繋がってくるわけですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:その子供たちとの関係も、父親役として晩ごはん一緒に食べたりしつつ、不意に「コイツらの親殺したの俺なんだよな」みたいなこと思い出してる訳で、平和な日常を過ごしながら、裏でごりごりメンタル削られていると思われ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:で、そんな調子でガンダム倒してコックピット開いたら、自分が保護していたような年頃の少年兵だったわけで、「子供たちを守るため」と称して悪鬼羅刹に徹していた大義名分がぐらついた、というのがドアン側から見たこの話ですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:同様にアムロも、任務から外れて子供たちと触れ合う日々に緊張が緩んで年相応の幼さを見せる一方、事態が悪化して兵士としてのスウィッチが入ると、不意打ちでザクのコックピット刺し貫いたり、生身の兵士をMSで踏み潰したりできる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:まあ連邦の白い悪魔ですからね、この子も。その己の悪鬼羅刹の部分を自覚して、ラストのあの台詞を口にしたのか、よく判らないまま言ってるのかは、何とも言えませんが。この後、この子を待ってるのは、冥府魔道な修羅の道行きな訳だし。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:今回はロケーションや作中時間が限定されているので、安彦良和の作家性の中でも史観の確かさの部分はあまり前面には出ていませんけど、戦争のもたらすエグみを、こうして露悪に堕するぎりぎりでまとめて見せる手際はさすが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:と、同時に、ケレンたっぷりなクライマックスのガンダム登場からの、時代劇の名優どうしの剣戟を思わせるMS戦とか、地に足のついたドラマと大胆なケレンの共存は、安彦良和作品の真骨頂で、本作でも存分にそれを堪能できます。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
『機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島』:安彦良和もお歳で、これから他に映画撮る機会があるのか何とも言えないけど、監督のフィルモグラフィの集大成であることは間違いなく、劇場で観る価値のある映画です。本当はオリジナルの歴史ものとか、もっとスクリーンで観たいとこですけど。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月8日
■監督フィルモグラフィ:安彦良和(1947年~)
『冬薔薇(ふゆそうび)』@新宿ピカデリー(22/06/03(fri)鑑賞)
本日の映画『冬薔薇(ふゆそうび)』@新宿ピカデリーに劇場入りしました。伊藤健太郎主演、阪本順治監督。人気絶頂の最中に轢き逃げ事件で転落した伊藤健太郎の復帰作。若手ながら演技力に定評もあった彼でしたが、自身の境遇とも重なるようなお話をどう演じてくれるのか、ですかね。#fr22_n pic.twitter.com/67Kv8Kdswy
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『冬薔薇(ふゆそうび)』観終わりました。いつも自分のことでいっぱいいっぱいで、底が浅い。それで友だちや仲間関係が長続きしない……ということに、本人自身、ぼちぼち気付きつつある不良少年のお話。いや、自覚がある分、抜け出し方が判らないのは余計に辛いよね、というな。うーむ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:家族経営の砂利運搬船船長・渡口義一(小林薫)の息子・淳(伊藤健太郎)は、入学した専門学校にも通わず、不良仲間と連んで過ごす毎日だったが、その仲間たちからも喧嘩の怪我で入院したことをきっかけに縁を切られる。それでもその場の口先だけで日々を凌いでゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:しかし、そんな己の身勝手で浅い言動が周囲の人々を傷つけ、そのせいで人間関係が続かないことに、本人自身も薄々気づきつつあった。一方、苦しむ息子の姿を知りながら、義一もどんな言葉をかければいいか判らず、距離を縮められずにいた。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:その内に、不良仲間のひとりが行きずりの暴漢に襲われ、彼らはその報復のために捜索に躍起になる。やがて彼らが見つけた暴漢の正体は、意外にも淳の身近な人物だった……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:伊藤健太郎演じる淳は、基本的にいっぱいいっぱいなので、相手の事情やそれを聞いてどう思うかより、自分の身勝手な都合をぶつけてしまい、呆れられて周囲から人がいなくなる。まあダメな子です。それも薄々、自分で自分の悪いとこに気づきつつある。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:そこには気づいてきたんだけど、いっぱいいっぱいな部分も変わらないので、どうしたらいいか判らないままふらついている。まあ、よく見れば、まったく人がいないわけではなく、お父さんと一緒に船に乗ってる船員の石橋蓮司らのお爺ちゃんズとかもいるんだけど。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:いかんせん、同年代にメンターがいない。不良仲間のリーダーも本質的には主人公と同じタイプのろくでなしだし、まともな勤め人(のように見える)従兄弟も「アレ」だったわけで、結局いっぱいいっぱいなのは彼だけではなくてどいつもこいつも役に立たない…(-o-;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:そんなわけでお父さんとの関係性が、唯一の救いというか、そこに何か光明があるや否や。ただまあ、お父さんだってずっといっぱいいっぱいで、船の経営が曲がり角に来る中で、ようやくそこに気づき始めているという意味では、息子と一緒なのよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:残念ながらジャンル映画的なカタルシスを求めるお話ではなく、そうやって誰もがいっぱいいっぱいに生きている時代の中で、どうやって「大人」になってゆけばいいのか探る映画です。お父さん目線では、息子にその道筋をどうやって示せばいいのか、というか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:主演の伊藤健太郎は、ダメな子でありつつ、彼を見捨てた人でさえ彼のその後が気になるような、本当に微妙な匙加減の芝居を見事に演じていて、やっぱり上手い俳優さんですね。まあ、この映画の成り立ち自体が、彼自身の境遇と重ね合わせたものですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:先の『トップガン マーヴェリック』とトム・クルーズの関係性のように、実写映画の強みは、作品本体の物語(ナラティブ)に実在する役者の物語(ナラティブ)を重ねて、映画の物語(ナラティブ)が強化されるという機能にある限り、完全にCGに置き換わることはありません。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
『冬薔薇(ふゆそうび)』:アニメでそれを担保するのは、声優や監督、キャラデザインなどになるのだろうけど、物語(ナラティブ)の密度という点では、やはり実写映画の方に一日の長がある。俳優・伊藤健太郎の復帰をベテラン勢が全力で支えるようなこの映画を観て、そんなことを思いました。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月5日
■監督フィルモグラフィ:阪本順治(1957年~)
Netflix | 半世界
『夜を走る』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(22/06/02(thu)鑑賞)
本日の映画『夜を走る』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。足立智充&玉置玲央主演で男ふたりで車に乗って夜を行くお話……ぐらいしか予備知識入れてませんが、さて。#fr22_n pic.twitter.com/sC6CIeb3c8
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『夜を走る』観終わりました。地方都市の零細な金属加工会社のコミュニティに屍体いっこ放り込んだら、人もコミュニティも壊れるべくしてぐっずぐずに壊れてゆく、というお話。…にしては不思議な転がり方をしてゆき、あのラストは痕跡だけ残して主人公が俗世から消えたということかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『夜を走る』:地方都市の金属加工会社の営業職の秋本は、要領が悪く上司や取引先からもバカにされながら、淡々と日々を過ごしていた。ある日、後輩の谷口に誘われて呑んだ帰り、会社に営業に来ていた女性と呑み直し、彼女を車で送ることになるが、些細なきっかけで殴り殺してしまう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:一夜明け、屍体の処置に困ったふたりは、普段から秋本を怒鳴りつけていた上司・本郷の車に屍体を移す。それを本郷とともに発見した社長は、産廃業者に屍体の処置を押し付けた。こうして屍体は処分されたが、それ以来、秋本は罪の意識に苛まれ押し潰されてゆく……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:屍体押し付けもの、というジャンルがありまして(^^;; それはミステリーでもコメディでもあるんですが、そのドタバタは中盤まで。そこから先はどちらかというと、それによって壊れゆく者たちのお話になります。特に足立智光演じる秋本は、新興宗教のセラピーに取り込まれてゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:ただそこへ至る流れが現実なのか、秋本の妄想なのか判りづらい。意図があってやってるんだろうけど。ここ以降、秋本はどんどん「解放」されてゆき、やがてこのセラピーからも「解放」され、この浮世からも「解放」されるので、もうこの段階から現実から足を踏み外しているのか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:一方の玉置玲央演じる谷口は、妻子持ちで要領がよく若い浮気相手もいるが、奥さんの浮気も薄々勘づいている。それは「要領がいい」というより忙しなく動き続けていないと破綻するから走り続けているだけのような(^^;; なので屍体の隠蔽工作も「要領よく」立ち廻る。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:屍体も無事、上司に押し付けて、「実行犯」の秋本も出社しなくなり、谷口に平穏が訪れたか、というと、逆に精細を失っていく。そんな状態で、諸々「解放」されて吹っ切った秋本と再会して、地獄感が更に増してゆくという(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:先に触れたように、作中でリアリティラインが揺らぐ瞬間があって、そこを呑み込めるかどうかかな。自分はあそこから秋本が俗世からどんどん「解放」されて、(物語上の)精霊化してゆくお話だと捉えたので、なるほどそういう映画なのか、と。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
『夜を走る』:結局、「要領がいい」谷口だけが妻子との生活を守り切った、とも言えるし、「解放」されずに苦悩とともに浮世に取り残された、とも言える。どちらが幸せなのかは、観客の判断に委ねられる結末ですが、人生は苦く、今日も続く、と。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月3日
■監督フィルモグラフィ:佐向大(1971年〜)
『犬王』@立川シネマシティ/CINEMA TWO(22/06/01(wed)鑑賞)
本日の映画『犬王』@立川シネマシティ/CINEMA TWOに劇場入りしました。古川日出男原作、野木亜紀子脚本、湯浅政明監督。室町期に実在した能楽師・犬王が琵琶法師の少年とともに時代にブレイクしてゆくお話、だそうで。一応、アニメの『平家物語』と『鎌倉殿の13人』の前半を予習してきました。#fr22_n pic.twitter.com/n0zSnOfIX1
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『犬王』観終わりました。室町ロックオペラ。『平家物語』の残響(エコー)が現代より遥かに色濃く世に満ち満ちたる時代に、公史にはない異伝を自分たちの物語(ナラティブ)として「拾い」、京の都のスターダムを駆け上がる若者たちの物語。結末の苦さ込みで良質の青春歌劇ですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『犬王』:室町の世、平家の呪いで盲目となった漁師の子・友魚は、長じて琵琶法師となり京の都にたどり着く。その地で、近江猿楽の名家・比叡家に生まれた異形の子・犬王と出会う。ふたりはまだ世に知られていない新たな「平家物語」を「拾い」、自分たちの物語として世に問うことを誓う。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:友魚が琵琶を掻き鳴らしながら洛中のあちこちで舞台の開催を宣伝し、河川敷に造られた舞台(ステージ)で犬王と友魚が踊り、吟(うた)う。激しく、情熱的なその舞台は、京の民衆を熱狂させ、舞台を重ねる内に猿楽の奥義に開眼した犬王は人間らしい身体を取り戻してゆく。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:やがて、ふたりの評判が将軍家まで届き、将軍を前にした御前舞台に呼ばれことに。しかしその舞台は、犬王の父親であり、彼を嫌う比叡家現当主が妨害工作をして待ち構えていた。果たして、犬王と友魚の舞台と、ふたりの絆はどうなるか……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:本作の見所として、室町ロックオペラと言うべき、ダイナミックな歌謡と舞台のアニメ表現をまず誰もが挙げると思うので、そこは音楽に詳しい方にお任せするとして、観てて印象に残ったのが「創作活動」を「拾う」と表現している点でしょうか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:この世界では、「平家物語」がまずあらゆる表現の基盤として存在して、猿楽の名門や琵琶法師の組織などが内容や表現方法(スタイル)を規定している。そこから飛び出して自由を獲得するには、大衆に埋もれている未だ語られない「平家物語」の異聞を「拾う」必要がある。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:盲目の友魚の目には、その異聞が赤い光球として群れを成して世界に漂っているように見える。それを彼らは「平家の亡霊」と称しているけど、それは市井の人々の生活や言葉の中に溶け込んでいる、平家滅亡の哀しみや怨嗟の残滓のようなものかしら。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:同時にそこには、人々が現世を生きる辛さや怒り、哀しみ、喜びなども重なっており、友魚がそれらに耳を傾けて、異聞の曲と吟(うた)を紡ぎ出すことを、彼らは「拾う」と呼んでいる。自分たちの感情を乗せて、高らかに自由を吟うためには、まず真摯な心で「拾わ」なければならない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:これは「創作とはなんぞや」という話と繋がってくる。どんな超天才のクリエイターであっても、まったくのゼロから有を生み出すわけではない。創作や表現が見るものの心に働きかける機序を解き明かすならば、相手が共感する要素をひとつひとつ積み上げることから始まるのです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:文章で言えば、相手の知る言葉を積み重ね、知らない言葉は知ってる言葉を組み合わせて説明し、読者を緊張させ、弛緩させ、脳内に世界の大伽藍を構築し、揺さぶるだけ揺さぶって、伝えたい感情の境地へと引き摺り込む。その第一歩は、やはり相手が共感可能な言葉を「拾う」ことです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:けれど、既成の権威によって定められた歌舞音曲で伝えきれない、吐き出せないでっかい感情がその身に渦巻いてしまっているなら、それは新しい言葉を「拾って」「拾って」「拾いまくって」叩きつけるしかない。この物語の主人公たちがやっていることは、そういうことですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:同時に、いかな時代のパラダイム転換時に生じた巨大な悲劇とはいえ、鎌倉という時代ひとつを越え、百有余年を経てなお、「平家物語」の「亡霊」が市井に満ち満ちて、それによって人生を踏み誤り、ねじ枉(ま)げる者を産み続けるのだから、凄い話ではあります。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:勿論、そこから更に時代を経た私たち現代人は、その後に積み重ねられた時代時代のさまざまな物語(ナラティブ)の残響(エコー)の中にいる。時にそれは逆流し、現実の生活のリアリティを上書きして、奇怪な復古主義の形で噴出したりもする。強く惹かれると同時に、怖い話でもあるよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
『犬王』:ここで描かれた物語(ナラティブ)は、600年前の遠い昔の物語だけれども、正史に埋もれた異聞を「拾い」、万古普遍の強度を持つ哀しくも美しい青春の物語として紡がれて観るものの胸を衝つ。それは創作という行いの本質を貫く力強さが、この物語にあるからでしょう。そんな映画でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月2日
■監督フィルモグラフィ:湯浅政明(1965年~)
Netflix | きみと、波にのれたら
https://www.netflix.com/title/81253737
『東京湾炎上』@Amazon Prime(22/05/31(tue)鑑賞)
『東京湾炎上』@Amazon Primeを観終わりました。1975年公開。田中光司原作、丹波哲郎&藤岡弘主演のシージャックもの。特技監督に中野昭慶。他にも宍戸錠とか、テロリストに水谷豊もいる(^^;; かなり気合いの入った東宝スリラーですね(Wikiにはパニック映画とあるけど)。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:原油を満載して東京湾に戻ってきた20万トン級タンカー<アラビアン・ライト>は、遭難信号を拾って6人の漂流者を救助。だが、彼らは乗船するなり短機関銃などの武器を持ち出し、短時間で船内を制圧してしまう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:黒人を中心とするメンバー構成でありながら、全員が流暢に日本語を話すテロリストたちは、船内各所に磁気機雷を設置。鹿児島・喜山コンビナートを航空自衛隊により空爆てTV中継しなければ、タンカーを爆破すると日本政府に通告する。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:東京湾でタンカーが爆破されれば、流出して気化した原油と有毒ガスで関東一円が壊滅。喜山コンビナートが空爆されれば、鹿児島湾一帯が同じ事態となる。事態を憂慮した日本政府は、喜山コンビナート爆破の映像を特撮映像で作成して、偽装する計画を開始する……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:政府側対策本部長に鈴木瑞穂とか出てくると、本当に大事になってきた感があるな(^^;; 開始10分でテロリストがタンカーに乗船とか、序盤の展開も早く、テキパキ話が進みます。まあたった6人でタンカー制圧は、さすがに人数足りない気がしますが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:この手口は『キャプテン・フィリップス(2013)』と一緒だけど、あっちは5000トンのコンテナ船だしなあ。というか、犯人たちの乗るボートは、好天候の東京湾のど真ん中にどこから湧いて出てきたのか……とか、ツッコミ所は、なくはないですが(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:『ダイ・ハード(1989)』的なアクションというより、災害/犯罪シミュレーション指向なのかな。せっかく藤岡弘がいるんだから、彼がテロリストを斃してゆく展開でも良かったと思うんですが、『日本沈没(1973)』の後だけに、社会派シミュレーション寄りに引っ張られたか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:連合赤軍事件が1971〜1972年、73年には日航機がハイジャックされたドバイ事件など、時代は国際極左テロの季節。先進国の資源配分に異議を唱える犯人側の主張は、まあまあ説得力はありますが、あえてアラブ系にしなかったのは、現実的(アクチュアル)過ぎて生々しいと踏んだか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:このテロリスト達ですが、割と自分たちの主張を生真面目に捉えていて、80年代の『ダイ・ハード』のような「実は金儲けが目的でした」という展開にはなりません。この辺のテロリスト観の変化も、時代によって変化しているんですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:で、この映画の最大の見せ場は、鹿児島・喜山コンビナートの空爆大炎上…のフェイク映像。特技監督・中野昭慶渾身の大迫力映像ですが、特撮でフェイク映像作って犯人騙すのは『新幹線大爆破(1975)』と同じ。しかもこの両作品、公開日が1週間しか違わない(爆 何があった?(^^; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:どっちがパクったか、あるいは偶然なのかは定かではありませんが、少なくとも言えるのは、この時代の邦画界が自分たちの特撮技術に凄い自信を持っていたという表れでしょう。逆に言うと、ガンアクションとか格闘とかをそんなに推してる印象はないんですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:一応、終盤に海自特殊部隊(ダイバー隊)は出てくるんですが、テロリスト達はその前に内紛と船員の反乱であっさり壊滅してしまうんで、重装備の特殊部隊がじゃんじゃんバリバリぶっ放す絵面はないです(^^;; 特殊部隊の活躍シーンが見せ場になるという概念がまだ確立していない。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:SBS(英海軍特殊部隊)による客船に仕掛けられた時限爆弾解体を描いた『ジャガーノート』の日本公開が同年春ですが、あれも特殊部隊がじゃんじゃんバリバリぶっ放す話じゃないか(^^;; あえて言えば、SASによる強襲が世界中継された英イラン大使館占拠事件も1980年ですし。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:なので本作での海自ダイバー隊は、原油タンク内に落ちた磁気爆雷の回収機材を持ってくるだけに留まります。実際の回収も藤岡弘がやってるし(^^;; 映画の面白さはひとつひとつの発明を重ねられて形作られるものなので、その発明前の作品では期待される見せ場も違ってくる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:そういうこともあってか、例のフェイク映像のパート以外は、今ひとつドラマの軸が弱い。藤岡弘が日本で待ってる彼女を思い出すパートはあるんですが、それ以外の船員に家族とか回想の場面もない。ドライでいいとも言えるけど、感情移入の回路が薄いとも言える。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:同じようなテロとフェイク映像のお話で、ほぼ同時期に公開されたのに、『新幹線大爆破』の名前の方が映画ファンの記憶に残っているのは、その辺の違いなのかな、と思います。あっちの方が個々のキャラが立ってる気がするし(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
『東京湾炎上』:しかし、邦画でもこういうスケールの大きなテロ映画が撮られていた時代があったわけです。その一方で東映ではブルース・リーに乗っかって、千葉真一が身体性を重視した格闘アクションを撮ってたわけで、そこら辺の流れと合流してくれれば…という恨み節もあるわけですが(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年6月1日
■監督フィルモグラフィ:石田勝心(1932年~2012年)
『流浪の月』@TOHOシネマズ立川立飛(22/05/30(mon)鑑賞)
本日の映画『流浪の月』@TOHOシネマズ立川立飛に劇場入りしました。凪良ゆう原作、松坂桃李&広瀬すず主演。家出少女を拾った大学生との生活は、警察の介入により誘拐事件として終わり、それから15年後……というお話。公開から日が経ってますが、ようやく観に来れました(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『流浪の月』観終わりました。15年前の死人が出たわけでもない誘拐事件に、何でこんなに世間が興味津々なのか…というのは、作品を成立させる最大のファンタジーとして、外形的な犯罪性と当事者の意識する関係性のずれの中で、淡い繋がりの在り様とそれを求める切実さのお話というか。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『流浪の月』:家出した10歳の少女・更紗(広瀬すず)は、19歳の大学生・佐伯文(松坂桃李)の部屋で2ヶ月過ごした後、警察によって更紗は保護され、佐伯文は誘拐犯として逮捕。その報道が世間を騒がせてから15年後、更紗はたまたま立ち寄った喫茶店のマスターとして働く佐伯文を見かける。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:名を明かさず、喫茶店の常連として通うようになった更紗だったが、その挙動に不審感を抱いた更紗の恋人・享(横浜流星)との関係もぎくしゃくするようになり……というお話。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:先にも触れましたが、15年も前の死者が出たわけでもない田舎の誘拐事件に、今でも地域住民は興味津々で、一緒に働く職場の同僚にも「ああ、あの時の誘拐された小学生ってあなたなんだ」てな感じに知られている世界観です。無神経すぎるというか、なんでそんなに暇なの?(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:そもそも腕のいい弁護士がついたら、執行猶予で終わったのでは……とか思わないでもないんですが、外形的に反社会的と烙印(スティグマ)を押されたふたりの道行(みちゆき)を描くための道具立てなので、多少過剰に見えるのは呑み込んでください。話の本題はそこから先。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:欲望の薄い(ないわけではない)男と、欲望の対象として求められる事に傷ついた女が、それでも薄いなりに繋がりを求める関係性の話と自分は見ました。性欲なり物欲なり食欲なり、あるいは世間体を維持することへの欲求なりが、びっくりするくらい低い人っていますしね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:でも、世の中一般は最低限の欲望がある前提で組み上がっているので、欲望がなさすぎると踏み外す。本作の佐伯文も、「世間体的にまずい」という頭が働けば他の選択肢があったはずですが、そっちを守る欲求より、目の前の傷ついた女の子をほっとけないことの方を優先した。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:人並みの欲望があまりに薄すぎるんで、精霊か仙人みたいな存在と化しているこの佐伯文の側にいることに、幼い頃から欲望の対象とされることで傷ついていた更紗が居心地の良さを覚える一方で、それを求めてしまう更紗の「欲望」が佐伯文を傷つける。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:ここまで拗れた話でなくても、人はそれぞれ抱えている欲望の形も大きさも違うし、友人でも恋人でも、家族でも、その摺り合せがうまくいかなければ傷つけたり傷ついたりする。自分の欲望が好きな人を傷つけるのも悲しい。相手の欲望の在り様にうまく応えられないことも悲しい。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:まあ、悲しんでいるばかりでもいられない。結局、ぶつかり合って、よく話し合ってみないと、本当は相手が何に傷ついているのかも判らない。というか、そこで自分の方こそ傷ついている事に気づくことさえある。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:この映画は、そういう繊細な欲望の形を探りあう話なのかな。作中にでは、それに失敗して暴れるだけ暴れて退場する奴もいるけど。当然、要求される芝居も繊細で、特に松坂桃李のあの精霊じみた、しかし微かに人間として繋がりを求める佇まいは、あんな演技、よくできるよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:まあ、その松坂桃李の欲望の薄さの理由(エクスキューズ)はわざわざいらない気もするけど、あれがないと、映画として話が落ちないか。無理に落とさなくてもいいじゃないか、という意見はあるにしても。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
『流浪の月』:こういう繊細な話を、きちんと演じられるトップ俳優を連れてきてそれなりの興行規模に仕立て、興収や観客の評価も良好であるのは、今の邦画の豊かさの象徴であると思います。それは規模の大きい派手なエンタメ作品を量産することとは異なる豊かさですが、大切な豊かさですよね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月31日
■監督フィルモグラフィ:李相日(1974年~)
Netflix | 怒り
https://www.netflix.com/title/80156305
Netflix | 悪人
『狼たちの墓標』@シネマート新宿(22/05/28(sat)鑑賞)
本日の映画『狼たちの墓標』@シネマート新宿に劇場入りしました。2018年の平昌オリンピック直前、リゾート地の開発利権を巡って争う男たちのノワール抗争劇、だそうで。アレですよ、スーツ着たオッサンたちが陰々滅々と刺身包丁でさくさくと刺し合うやつ。……大好物やんけ(^^) #fr22_n pic.twitter.com/UHWedSQED6
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月28日
『狼たちの墓標』観終わりました。……いや、これ、「利権抗争」じゃなくて、ヤンデレBLヤクザが、対立組織の組長を闇落ちさせるためだけの抗争だったのでは?(爆 本来ヤクザはヤクザなりに落とし所を探りながら抗争するものだが、いきなりトップの首奪ったら、後は殲滅戦しかないしなあ(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月28日
『狼たちの墓標』:2018年、平昌オリンピック直前、リゾート地、江陵(カンヌン)では地元のヤクザ組長キルソク(ユ・オソン)によって、カジノ付きレジャーホテルの開発が進んでいた。そこへホテルの株式を入手した中国系新興組織のミンソク(チャン・ヒョク)が経営に参加させろと絡んできた。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:ミンソクの組織が地元で麻薬の取引を始めて、こちらの部下と揉めていることを耳にするキルソクはそれを止めるなら、と提案するが逆に拒絶される。それを境に、ミンソクはキルソクの親父筋の会長を殺害。警察の追及をかわしつつ、キルソクに血塗れの抗争を仕掛けてきた…。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:ヤクザというのは、暴力をツールにコミュニケーションする人たちなので、普通いきなり殲滅戦とか仕掛けません。度を越した暴力の行使は、治安当局の介入を招いて、抗争の双方が叩き潰されることにもなる。なので、揉めるにしても自ずから手順(プロトコル)が生じる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:ところが、本作のミンソクは、いきなり相手の親筋の親分を殺しちゃうし、組織内部に手を突っ込んで幹部を裏切らせて大勢の死人が出るような大攻勢を仕掛ける。手順(プロトコル)もへったくれもない。ちなみに韓国ヤクザ映画なので、獲物は刺身包丁と鉄パイプですw #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:対するキルソクの方は、強面ですが義理人情に篤く、警察や組織内の反主流派とも仲良くやってこうとする。まあ所詮、田舎でのんびりやってたヤクザなので、切った張ったはよくよくのことだ、くらいの意識でしかないんです。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:それがミンソクとの抗争の中で、どんどん険しい表情になり、冷酷非情になってゆく。というか、大恩ある親筋を最初に殺されたら手打ちの落とし所がないわけで、その時点でミンソク側が仕掛けているのが、通常のヤクザの抗争ではないことが判ります。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:この映画は、冒頭、ミンソクの韓国入国時の凄惨な状況から始まるんですが、常に誰かから奪い取ることで生き抜いてきたこの男は、話合いによる対話を鼻で嗤い、両手を血塗れにする以外のコミュニケーション手段を知らずに生きてきた。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:同時に魂の深層でその生き様に疲れているようにも見え、せめてその理解者としてキルソクを同じ場所に堕とそうとしているのではないか。……というわけで、この映画はヤンデレBLヤクザものではないか、と(爆。いやあ、普通に抗争仕掛けられた方がまだ気楽というか(^^;; #fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:まあ、あからさまにBLを主張する台詞とかはないんで、普通のヤクザ映画として観てもいいんですが、最近の韓国映画のヤクザものって、主人公周辺に女っけがないとか、男同士の関係性描写をねちっこくやるとか、絶対BL要素を意識してるよなあとかねがね睨んでいるのですよ。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日
『狼たちの墓標』:そんなわけで、韓国BLヤクザものの最新作<決めつけ。例によって刺身包丁でさくさくと刺し合う凄惨なお話ですが、相手の憎悪を臨界突破させてまで、自分の見ている風景を共感させようとする病みっぷりにこそ震えながら観た映画でした。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年5月30日