『スカイガールズ』全26話
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、スカイガールズ Vol.9 [DVD]
6話くらいまでは本放送時に観ていたのだけど、そこから先をこの前の連休中に一気に視聴。
つか、CM抜きして、チャプターサムネイルまで付けて、PCを介して公式HPから持ってきたサブタイトルとあらすじ情報などまで番組情報として記入して、DVDに焼いてやりましたよ!
……いや、そこまでやるなら素直にDVD買えっつー話ではあるけど。
で、DVDのパッケージやら公式HPのイラストやらを見ていただければお判りのように、基本的には「美少女にロボット着せて空飛ばしちゃおう」という、懐かしのMS少女以来の系譜に連なる作品──というか、しょうもない一発ネタみたいな設定のお話。
基本設定を見聞きしただけで、切っちゃった人も少なくないのではなかろうか。
しかし、この所のコナミ企画のアニメって、『極上生徒会』『おとぎ銃士赤ずきん』『セイントオクトーバー』、本作、『ドラゴノーツ・レゾナンス』とこうして並べると、まさに「コナミ作品」としか形容し難い、曰く言い難い感触の作品群と化してますなぁ。
あえて言うなら、あまりにベタ過ぎてベテランのオタクならびびって手を出しかねるコンセプトに臆面もなく手を出し、しかしその一方でそのネタを独特のゆるい感性でまとめているあたりが特徴といえば特徴か。
ただそこから先は各作品の制作陣の腕の見せどころで、本作では「飛行外骨格」というこの大嘘を中心に据えながら、人間ドラマをきっちり作りこむことで思いのほか地に足のついた爽やかな作品に仕上がってます。
この辺の絶妙なバランス感覚は、実に見事な職人芸ですな。
たとえば、この手の美少女軍隊ものでよく陥りがちな失敗として、若い女の子たちだけで部隊を編成してしまい、そこに若い男が赴任して戦争そっちのけで大騒ぎという、心底しょうもない展開があるのだが、この作品では脇に人生経験を踏まえたしっかりした大人たちを配置しているので、過剰な浮つきを防いでいる。
また、いかにも男の子らしい熱血な青年整備士(谷山紀章が熱演!)をメインヒロインの機付長に配して、淡い恋愛模様を(あくまで淡く)繰り広げさせるなど、メイン視聴者層である青年男性層の感情移入がしやすい構造に設計されている。いや、元々、百合百合な関係性で完結した作品に素直に感情移入できるのって、「訓練されたオタク」だけなんですって。
で、これだけがっちり固めてまだ足りないとばかりに、前半1クールたっぷり掛けて、訓練と部隊編成のエピソードだけ。ああ、レスキューネタもあったかな。大海原を舞台にした派手な戦争は後半1クールでやったのだけど、それも戦後のエピローグに最終1話を残すという贅沢なシリーズ構成。
同じく序盤から中盤まで訓練ばっかやってた『魔法少女リリカルなのはStrikerS』には、ひどく停滞感があったのだけど、この作品ではあんまりそれを感じなかったのは、ドラマパートの部分であまりとっぴなことをせずじっくりキャラを掘り下げていたからだと思う。
その分、作品のスケール感がややこじんまりとした印象に収まってしまった感もあるものの、遂に最後まで崩れなかった作画にも支えられ、余計な背伸びをしないことが良質なウェルメイド作品として結実したのだろう。
しかし、あのちょっとでもパーツ間のバランスが崩れたら酷い見栄えになりそうな、きわどいバランスのキャラデザで、よくまぁ、2クールも通して作画のテンションを維持できたものですわ。品質管理という観点からも、おそろしく高度なことをやってのけている。
まぁ、きわどいネタの調理法として、実に優等生的な解答を見せてもらった感じですよ
そういった意味でも、久しぶりに職人の仕事を見せてもらいました。
スタッフの皆さん、おつかれさまです。