『さまよう刃』@角川シネマ新宿(14/9/10(wed)鑑賞)
本日の映画『さまよう刃』@角川シネマ新宿に劇場入りしました。東野圭吾原作で、日本でも映画化された作品だけど、原作も日本版も未見。しかし韓国映画って東野圭吾好きだね。向こうの感覚として、映画化しやすいのかもしれないけど。では、携帯の電源を切りますね。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』観終わりました。たったひとりの娘を無惨に殺された父親の、哀しき復讐行。事の始まりから、救いなど決してあり得ない物語を、やがてたどり着くその涯(はて)までしっかりと見届ける映画。確かにこれは、韓国映画向きですわ。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:自分は東野圭吾作品を小説として読んだ作品はほとんどないのだけど、エンタメ系の作品も含めて、作中の「事件」は割りと取り返しのつきそうにないものが多い印象がある。それを探偵役の「事件」との距離感で、作品の「重さ」を調節しているような感じ。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:本作では、主人公は娘を殺された父親で、「復讐」を動機として物語を駆動させてゆく以上、「事件」とはほぼゼロ距離。読者も観客も、「事件」が突きつける葛藤と真っ向から向き合う羽目になる。本作では、少年犯罪と遺族感情。言葉にするのは簡単だが……当事者には、地獄でしかない。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:近代法は遺族の復讐を否定する。当たり前だ、そんなことを認めれば、社会は簡単に崩壊する。本作でも主人公に殺された犯人の「遺族」が復讐を口にする。その横で、犯人に自殺に追い込まれた別の「遺族」が、また復讐を口にする。……まさに地獄の沙汰だ。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:この辺は原作の基本構造自体による部分も大きいのだろうが、そこを容赦なく抉り出す手加減のなさは、いかにも韓国映画らしい。原作よりかなり登場人物を整理して、主人公とそれを追う刑事の葛藤と懊悩にストーリーを絞り込んでいるらしいのだが、正解だったように思う。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:決して正しい答えなどない復讐行。その涯(はて)に主人公が選んだ結末に賛否はあれど、結局、こういう問題は、当の本人がそこに立ち至って下した答えであるなら是非もない。しかし、私たちは、私たちの社会の限界強度を問うような正義と倫理の問題として、心の片隅で意識すべきだ。。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:しかし、こうして改めて韓国映画化された作品を観て思うのは、国境を易々と越える東野圭吾作品の普遍性だよね。細部は脚色で変えられても、テーマの根幹は揺るぎなく現地の人々の抱える問題意識とシンクロする。それだけ、東アジアの社会が均質化しつつあるということなのだろうけど。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:そんなわけで、日韓コラボレーションでお送りする、妥協なき復讐劇。救いは一切ないけど、最後まで見届けることに意義のある作品です。これもまた傑作。お薦めデス!
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日
『さまよう刃』:ところで本作の宣伝記事類を読むと「日韓で増加傾向にある少年犯罪」という表現によく出くわすのだが、韓国は知らんが、日本の少年犯罪の発生件数って減少傾向にあったような…。まぁ、件数が減ろうと、個々の遺族の苦悩が安らぐわけではないので、本作のテーマは揺るぎはしないが。
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2014年9月10日