『ダンス・ウィズ・ウルブズ』@池袋新文芸坐(20/03/21(sat)鑑賞)
本日の映画1本目『ダンス・ウィズ・ウルブズ』@池袋新文芸坐に劇場入りしました。1991年公開。意外と観たことなかった名作映画を観ようシリーズ。ケビン・コスナー監督/製作/主演で、南北戦争後にスー族の娘と結婚してインディアンと暮らす元北軍将校のお話。「エコロジー西部劇」だそうで。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』観終わりました。戦場で勲功を挙げた将校が開拓地の最前線勤務を希望したら、無人の砦で、現地にいるのはインディアンのみ。連絡も補給も途絶えて数ヶ月間報告も命令もなしでほっとかれ、その内に現地住民に取り込まれて、武器の横流しまでして完全に寝返る話(爆 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:まあ司令部がまずそんな状態で前線の砦放っとく方が問題なんだけど、当時の合衆国の人口密度や軍の規模に対して、国土が広すぎてそういうこともあり得ただろう、と。南北戦争が終息すると、軍の本格的な西部進出が始まることは、本映画終盤で語られていますが。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:本作の映画史的な意味づけとしては、西部劇を悪役だった原住民視点で描いた点でエポックメイキングな作品とされ、終盤に出てくる合衆国陸軍の対インディアン征伐部隊なんか、完全に話の判らないならず者扱いです(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:自国の歴史の負の側面を見直すお話ではあるのだけど、これは自虐というより逆に社会の正当性を高めるため。現在進行形の少数者(マイノリティ)へ「私たちの社会は、間違いがあれば正します」というメッセージを打ち出して、社会統合をもたらす効能がある。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:まあ、原住民から収奪し尽くした今になってそれを言い出すのはズルくないか、とも思うんですけど、現在進行形のホットな話題は手を付けづらいので、歴史の話をしつつ、寓話化して現代の問題に投影するのは、よくある手です。『仮名手本忠臣蔵』とか(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:本作では社会(ハリウッド)の主流派であり、加害者側でもある白人である主人公が、「あちら側」に越境して、被害者側である原住民と同化して、彼らの視座を得る。それにより、観客に原住民側の視座を自然にインストールし、感情移入を促す構造で語られます。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:いきなり原住民側の主人公だと観客の感情移入が難しいから、というのと、観客の意識を既存の西部劇のモードから原住民側視点のモードに移行してもらうのに、主人公の境遇の変転をなぞってもらうのが一番自然というのがあるんでしょうね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:この映画が3時間もある(ディレクターズカット版では4時間(^^;;)のはそのためで、そこを手を抜くと、ただの「裏切り白人将校」の話になってしまう。なのですごく丁寧に描写を重ねてゆくのだけど、物語のスタート地点と決着点の落差を考えるとほとんど無駄はない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:とはいえ、原住民サイドは近代社会じゃないんで、当然、非近代的で残虐な面もあったはずで、そこは主人公が接触するスー族とは別に、残虐な武闘派部族を設定して切り分けてたり、それをエンタメとしての判りやすさのためと見るか逃げと見るか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:まあねえ。そもそもこれを社会をより良き方向に導く作品と見るか、社会によって被支配階層の物語を「消化」して同化の総仕上げとする作品と見るか。たぶんその両方の側面があるけど、でも物語は語られないより語った方がいい。少なくとも批判はできますからね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:絵面としては、大西部の雄大な自然描写が圧巻で、特に地響きを上げて大陸を渡るバッファローの大群とそれを襲うインディアンの狩りのシーンは圧巻。CGもまだそれほど発展してなかったろうに、どうやって撮ったんだ(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日
『ダンス・ウィズ・ウルブズ』:あと、主人公に懐く狼が超可愛くて、その切ない最後は観客に「白人は皆殺しにすべし」という決意を抱かせます(爆 それはさておき、西部劇でさんざん原住民を敵役として「消費」したハリウッドの贖罪と見るか言い訳と見るか。その両義性も魅力的な映画でした。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年3月21日