『ドラゴン 怒りの鉄拳』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(20/12/17(thu)鑑賞)
ドラゴン怒りの鉄拳 精武門 Fist of Fury Bruce Lee
胸アツ必至!ブルース・リーの4大傑作が4Kで蘇る!「ブルース・リー 4Kリマスター復活祭2020」予告編
本日の映画『ドラゴン 怒りの鉄拳』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。1972年本国公開、日本公開は1974年。20世紀初頭の上海で、師匠を謀殺した日本人武闘家への復讐を志すブルース・リーのお話。先週観損ねたリベンジ(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月17日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』観終わりました。既存シナリオを直して撮った前作『ドラゴン危機一発』と違って、ブルース・リー主導のオリジナル企画のためか、怪鳥音やヌンチャクなど、いわゆるブルース・リー映画のスタイルが確立した作品。まあ今観ると倫理観の落とし所が不思議ではあるけど(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月17日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:20世紀初頭の上海、修行の旅から戻った主人公(ブルース・リー)は、師匠の死を知る。悲しみに暮れる葬儀の場で、日系武術道場の者たちが弟子たちを挑発する。師の遺命により、師範代は軽挙妄動を慎むよう戒めるが、主人公は堪えきれず相手側道場に殴り込む。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:単身殴り込んで日本人武術家たちを叩きのめした主人公だったが、日本領事館の圧力を受けた租界警察は、師範代に主人公を出頭させるか道場を閉めるよう迫る。一方、主人公は道場内に潜入して、師匠に毒を持った裏切り者の正体を知る……というお話。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:いわゆる巷間に認知されているブルース・リー像の原型は、本作でほぼ固まったと見ていいでしょう。怒りと悲しみに愁(うれ)うマスク、ヌンチャク、目にも留まらぬ連続技を演じる身体性と、それを最初から最後まで魅せ切る編集センス。そして何より、あの怪鳥音!#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:あと今観ると、溜めをたっぷり取ってのアクションは、現代の香港アクションとは違いますね。そこはむしろ邦画時代劇の殺陣表現に近いかもしれない。市川雷蔵版『眠狂四郎』の円月殺法みたいな技のシーンもあるし(爆 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:逆に言うと、最近の香港アクションは、溜めを長めに置くくらいなら、小技を突っ込んで間を埋める傾向がありますね。やっぱり、ジャッキー・チェン以降かな。この辺の潮目がどこで変わったのかも、いずれ確かめてゆきたいところ。まあ、それはさておき。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:プロット的にちょっと変ちゃ変で(^^;; 師匠を殺されたブルース・リーが怒って復讐に走り、最後には単身、敵の道場に殴込む…のは、鶴田浩二や高倉健の任侠ものなんだけど、とにかく誰にも相談せずにひとりで突っ走って、その報復を道場の仲間たちが全部被るという(爆 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:師匠に毒を盛ったのが、道場に潜り込んだ敵道場の手先、と突き留めたのはいいけど、怒りに任せてその場で殺して往来に屍体を吊るし、相手側の憤激を買うし(そして報復として主人公不在の道場が襲撃される)と、やることなすこと事態を悪化させる事にしか繋がらない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:道場に居づらくなったら、師匠の墓の前で焚き火して野宿(カエルみたいなの焼いて喰ってる(^^;;)してるとか、どうも社会性に難ありというか、師匠も生前から手を焼いていた不肖の弟子だったのではと伺えます。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:同じ話でも、そういう面倒な部分なしで、主人公を単純なヒーローとして描いてハッピーエンドに持ち込んでもいいと思うんですけどね。主人公の暴力性の解放に対して、反対給付としてそういう負の部分を描かないと、作品中でバランスが取れなかったのかもしれない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:これは前作『ドラゴン危機一発』でも、敵をすべて斃した主人公が駆けつけた警察に両腕を掴まれてしょぼんと連行されるシーンで終わる(爆 のにも通じて、たとえ物語の中でもヒーローの暴力性が全肯定されるわけではない、というのは古い物語構造ではよくある構図です。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:儒教的な倫理観の反映なのかな。ちなみに戦後の邦画戦争映画に全滅エンドが多いのも、実際の戦争体験に根ざした日本人の倫理観の投影ではないかと思います。でも、これが米国再進出の出世作『燃えよドラゴン』では、屈託なく敵を斃してハッピーエンドですからね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:『燃えよドラゴン』までに、どこかでそうした古い物語構造を吹っ切ったのか、あるいは『燃えよドラゴン』は監督が西洋人なので、それでなのかはまだ何とも言えませんが。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:それとあらすじを読んでお気づきの通り、この映画は抗日映画的側面があります。作中でことあるごとに中国人として辱(はずかし)めを受け、その反発が主人公を行動に衝き動かす。戦前戦中の記憶がまだ新しい時代ですから、それが香港の観客の感情を掴むことに繋がる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:同時にブルース・リーの個人史として、米国での中国武道の啓蒙活動が、先行して北米に根を張る日本武道とそれを受け入れた白人社会に悉く阻まれた鬱屈がそこにあったのではないか。敵道場に白系ロシア人の乱暴者が唐突に助っ人で入ってくるのなんか判りやすい(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:とは言え、出てくる日本人にろくなのがいないんですが(^^;;、武術としての日本武術を殊更貶(おとし)めて表現している様子はないですね。まあ、正々堂々と打倒してこそ、中国武術の称揚に繋がるというブルース・リーの考え方が伝わってくるフィルムではあります。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:あと小ネタ的には、作中で出てくる相手道場とか日本庭園を組み込んだ家屋のセットとか、結構本格的に作り込まれてるんですね。この辺、当時の香港映画の美術スタッフが和風建築に精通していたのか、香港に流れた邦画スタッフの協力があったのか。どうなんでしょう。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日
『ドラゴン 怒りの鉄拳』:前作『ドラゴン危機一発』より、ブルース・リー作品として大きく整いつつ、まだ古典的な武侠映画の枠組みを残しており、それが独特の色合いを醸し出す作品でした。こうしてブルース・リー作品全体の中に位置づけながら観ると、色々発見があります。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年12月19日