『ジャスト6.5 闘いの証』@新宿K's シネマ(21/01/17(sun)鑑賞)
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本日の映画3本目『ジャスト6.5 闘いの証』@新宿K's シネマに劇場入りしました。警察と麻薬組織の仁義なき攻防を描くイラン映画。イラン映画というと繊細な文芸作品をイメージしますけど、中東の映画大国の名に恥じず、こういうエンタメ作品も盛んなんだそうですが、さて。#fr21_n pic.twitter.com/izznEEcYaI
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月17日
『ジャスト6.5 闘いの証』観終わりました。麻薬の蔓延するスラム街住民の一斉検挙から、販売経路を辿って麻薬王を検挙。そこから買収しようとする麻薬王と情報を引き出したい捜査官の駆引き、司法手続きを経て、麻薬王を絞首台に送り込むまでのお話。麻薬王捕まえてからが本番という(^^;; #fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月17日
『ジャスト6.5 闘いの証』:捜査官は買収に応じないし、すべては「犯罪は割に合わない」という結論に収束するしと、犯罪表現における体制側の統制の存在を窺わせます。その意味で、ジョニー・トーが大陸公安当局の全面協力下で撮った『ドラッグ・ウォー 毒戦(2014)』と位置づけが似てるかな。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月17日
『ジャスト6.5 闘いの証』:ジョニー・トーの『ドラッグ・ウォー 毒戦(2014)』と大きく異なる点のひとつは、銃撃戦とか残酷描写がほとんどない点で、この辺はそういうレギュレーションがあるのか。MP5っぽいサブマシンガン構えて、捜査官たちが売人アジトに突入するシーンはあるんですけどね。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:以前観たイランの戦争映画では、じゃんじゃんバリバリ銃火器ぶっ放してたんで、警察・公安ものでは禁止されてるのか、監督の考えなのか。他の警察ものの映画も観てみないと何とも言えませんが。あとカーチェイスもなかったな。建物の爆破シーンはあったけど。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:いずれにせよ、そういった刺激的表現を封じられた状態で、ではどう映画として勝負するか。まずモブの動員(^^;; スラム街の住民を総ざらえして留置場にぶち込むので、狭い空間にぎっしり人が詰め込まれるシーンがちょいちょい出ます。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:……そ、ソーシャル・ディスタンス(勿論、撮影はコロナ禍前(^^;;)。まあ予算不足もあって、コロナ前から邦画では画面狭しと密なモブシーンは珍しくなってましたし、コロナ後に見ると、なおのこと画面から受ける迫力が増して見えますね。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:で、ジャンキーやら売人やらのごった煮のスラム住民を片っぱしから事情聴取して、そこから中間クラスの売人の情報を掬い上げ、そいつの身柄を押さえて元締めへと繋がる糸を手繰り寄せる。基本、全部アナログ。ほとんど捜査チームの執念の仕事です。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:さらに元締めの存在を突き留めたら、親族やら元恋人やらを脅して透かして所在を吐かせる。麻薬犯罪という悪と闘うために、容赦なく人の弱みに付け込まねばならず、それが捜査官たちのメンタルもごりごりと削ってゆく、というのは本作の隠れたテーマです。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:そうやって、遂に高級マンションに住む元締めを逮捕拘束。めでたしめでたし……ではない。まだ上映時間は半分残ってる(^^;;。ここからがこの映画の本番です。劣悪な環境に放り込まれた元締めは、外に残る部下と連絡を取り、捜査官を買収しようとする。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:捜査チームも、元締めを拘束しただけでは、組織壊滅にはならないので、元締めから組織の全体像を明らかにしようと尋問を繰り返す。このギリギリのせめぎ合いが本作のキモ。互いの弱さを衝き、人間性を揺るがせながら、物語と尋問は進む。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:だから瞬間瞬間では、元締めの方が人間的にも見えてしまう。元締めが麻薬ビジネスに手を染めたきっかけが、貧しい家族の存在だったり、観客の同情を誘う部分もあるんですが、司法は頑として揺るぎなく悪を断つ。本作の「仁義なき戦い」とは、そういう戦いなのです。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:そうした物語を主軸として、イランの麻薬事情や社会背景などの情報が、凄まじい密度で語られる。いや、捜査官たちはプロですから、無駄なワード挟まずに、怒涛の勢いで台詞の応酬を交わすので(^^;; この辺、邦画並みに台詞過剰なんですが、勢いで押し切ってる印象。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:恐ろしいのは、この映画の監督、撮影時、若干30歳だそうで(爆 勿論、監督自身の才能もあるんでしょうけど、それをフックアップして、破綻なく映画を完成させるスタッフの厚みがイラン映画にあるということです。ジャンル映画の面でも、イラン映画は要注目です。 #fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日
『ジャスト6.5 闘いの証』:かくして元締めは「人間」としての弱さを曝け出して、絞首刑台の露と消える。しかし、観終わって悪が滅ぼされた爽快感はない。麻薬禍に苦しむイラン社会と捜査官たちの苦闘はまだまだ続くのです。観終わって苦味の残る、しかしだからこそ優れた麻薬戦争映画でした。#fr21_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年1月23日