『追龍』@新宿武蔵野館(20/08/01(sat)鑑賞)
本日の映画3本目『追龍』@新宿武蔵野館に劇場入りしました。1960年代香港。黒社会のヤクザ(ドニー・イェン)と警察署長(アンディ・ラウ)が手を組んでそれぞれのし上がる黒社会&警察もののノワール。そこに昨今の香港情勢の空気感を絡めてくるのか、こないのか……さて。#fr20_n pic.twitter.com/UQ1z3g5INk
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』観終わりました。ヤクザと警察官の内通もの……くらいに思ってたら、幹部級のキャリア警察官が香港の黒社会を実質管理してて、その手駒のドニー・イェンも大人しく飼われてるわけではないという(^^;; それで「悪いのは英国人」という結論に持ってくのは、香港というより本土の意向か。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:基本構造として、英国による香港支配の裏面として、警察を介して黒社会も間接統治してて、キャリア警察官のアンディ・ラウはその警察側代理人。ヤクザたちのショバの割振りや、ヤクザが力を持ち過ぎれば「間引き」もする。なので、「友情」と言っても一筋縄ではいかない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:1960年代の香港なら、当然いたはずの国民党軍残党系の14Kとか、その他の怪しげな人士が影も形もいらっしゃらないので、香港黒社会史としては話半分くらいに見といた方がいいのでしょう。北京に繋がる組織だってあったろうにねえ(^^;; まあだいぶ判りやすく整理された話ということで。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:そんなわけで、警察官僚のアンディ・ラウとヤクザのドニー・イェンは、互いに利用しつつ、出し抜き合いつつ、脅して牽制し、裏切って命を奪おうとしたり、いざとなれば肩を並べて戦って、身を挺して守り合う。男盛りの名優ふたりで、男の関係性、全部盛りですわ(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:その一方で、ドニー・イェンはチンピラ時代に英国人警察幹部を乱闘の中でボコって因縁がついて以来、人生の要所要所で、英国人やその支配構造によって大切なものを奪われてゆく。その憎悪は、やがて因縁の英国人警察幹部へと集約してゆく。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:そこら辺の民族ナショナリズム高揚に繋げてくのは、最近の香港映画でよく観る構図です。香港人がそれを望んでいるというより、本土の映画にかける時に受けがいいからでしょう。観客になのか、当局になのか知りませんが。オープニングのタイトル見る限り、本土資本入ってそうだし。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:ともあれ、アンディ・ラウが健在な内は抑えが効いてるんだけど、70年代に入って香港行政府内での腐敗追放の煽りを喰らって失脚。それまでにライバル組織もだいぶ片付いてしまっていたので、歯止めが効かなくなり、因縁の英国人警察幹部との衝突コースに突っ込んでゆく。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:この辺は、英国の香港支配の方針が転換して、その煽りってことなんだろうけど、何でこのタイミングで腐敗追放をやり始めたのか、は特に本編で言及されていないので、ちょっとよく判らない。まあこの辺の動きがあればこその、その後の香港の国際金融センター化なんだろうけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月1日
『追龍』:ああそうか。1970年代の香港政庁の腐敗浄化は、71年のニクソン・ショックと関連付けて捉えるべきなのか。これも本編中では言及ないけど、表の世界の政治的激動が、裏社会にも影響がないわけがない。が、この映画ではあくまで、民族資本ならぬ民族黒社会の勃興と挫折として語られる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月2日
『追龍』:そこは1960年代香港黒社会が本来持っていた多様性や物語的な豊かさの可能性を殺してしまっているんじゃないか、とは思うものの、判りやすいは判りやすい。でも北京の香港支配が進むと、こういう黒社会史の書き換えも進んでくんでしょうね。それを香港の人はどう思ってるんだろう。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月2日
『追龍』:ともあれ、アンディ・ラウの失脚で止める者のいなくなったドニー・イェンは、なりふり構わず英国人警察幹部の襲撃に突っ走る。いよいよそいつを追い詰めた時のドニー・イェンの表情は、これまで見たこともない凄まじい鬼の形相で、ファンならばこれだけでこの映画に5億点出せる(^^) #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月2日
『追龍』:ドニー・イェンがワルを演(や)る……というのが本作の見どころではあり、特に途中で片脚を潰されてからはアクションに制限が加えられる(まあそれでも暴れるけど(^^;;)。得意の武器をあえて封じて、黒社会で立身出世を果たしつつ、仲間たちを喪って孤独になってゆく男の哀しさに挑む。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月2日
『追龍』:とは言え、暴力や女の扱いで、共感できないくらいのどクズ野郎というわけでもないけど(^^;;、まあ新境地ではあるよね。アンディ・ラウとの愛憎半ばする関係性も併せて、そこは良かったですね。ドニー・イェン兄貴のファンとしては観ておくべき映画ではあると思います。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月2日
『追龍』:同時に、任侠や暗黒街の物語は、その土地に住む人々の民間伝承(フォークロア)の際たるものであって、多少の美化や整理はあるにしても、他所の土地の中央政権なんかの意向に沿って捻じ曲げていいものか、という懸念はあるんだよな。香港映画人の挟侍とか、本当に大丈夫なのかしら。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年8月2日
■監督フィルモグラフィ:バリー・ウォン(ウォン・ジン)(1955年~)
『ブラック アンド ブルー』@立川シネマシティ/CINEMA ONE(20/07/26(sun)鑑賞)
ナオミ・ハリス主演『ブラック アンド ブルー』7月24日(金)劇場公開
Netflix | ブラック アンド ブルー
https://www.netflix.com/title/81086524
本日の映画2本目『ブラック アンド ブルー』@立川シネマシティ/CINEMA ONEに劇場入りしました。腐敗警官たちの売人殺人現場を目撃してしまった女性警官が、口封じのために同僚であるはずの警官たちから追われてサバイブするお話だそうですが、さて。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月26日
『ブラック アンド ブルー』観終わりました。黒人で警官(ブルー)、加えて女性の新人警官のヒロインが、身内警官の殺人現場を目撃して追われるどベタなサスペンスの枠組みに、BLM(ブラック・ライブズ・マター)やハリケーン被害から復旧が進まない地方都市の荒廃などをうまく入れ込んだ佳作。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月26日
『ブラック アンド ブルー』:お話の組み立てが卒なく上手いのはともかく、隙間隙間に時事的な空気感を自然というか、必然として物語の推進力に組み込んでゆく手際が素晴らしいんだよね。エンタメにジャーナリスティックな視座を組み込む妙というか、ジャンル映画の枠組みの有効活用というか。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月26日
『ブラック アンド ブルー』:あと逆に、人種差別や貧困への視座をそうやって物語に組み込みながら、過度に煽らぬように注意を払っているのも随所に感じました。敵になる悪徳警官たちに黒人警官も含まれてるし、黒人居住区のギャングに白人のチンピラも混じってる。警察署長も黒人女性だしね。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月26日
『ブラック アンド ブルー』:この辺は、似たような構図の映画ながら、よりジャーナリズム寄りだったフランス映画『レ・ミゼラブル』が暴動の始まりを思わせる終わり方だったのと対照的で、それをハリウッドの知恵と見るか、退屈と見るか。迂闊な映画撮ると本当に暴動に直結しかねんしなぁ。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月26日
『ブラック アンド ブルー』:いずれにせよ、貧困と人種差別に喘ぐ米国社会の外縁で、警察と市民がどんな緊張関係を孕みながら日々を過ごしているのか、その一端を感じ取るのに非常にいい映画だったと思います。純粋にサスペンス映画としての出来もいいですしね。機会がありましたら是非。#fr20_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月26日
■監督フィルモグラフィ:デオン・テイラー(1976年~)
『劇場』@アップリンク吉祥寺(20/07/24(fri)鑑賞)
本日の映画2本目『劇場』@アップリンク吉祥寺に劇場入りしました。又吉直樹原作、行定勲監督、山崎健人&松岡茉優主演。劇団の演出家の男と、それを10年支えた恋人のお話。このまとめだと、美しい話のようにも見えるけど、さてそれで済むのかどうか……(^^;; #fr20_n pic.twitter.com/gHTNrjxhMH
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』観終わりました。ヒモでクズなくせに自己肯定感が薄いんで拗らせてる舞台系男子と、それを全肯定してくれる彼女。まあ褒められたカップルとは言えないし、結局、うまくいかずに壊れちゃうんだけど、しかし、アレは、あのラストは……そりゃ試写会でオッサン勢号泣するわ! 反則!(号泣 #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:まず観てて面白いなと思ったのが、この天使のような彼女と付き合ってる間、劇作家の主人公は作家として停滞してて、全然脚本書かなくなっちゃうんだよね(爆 かつ、一度舞台に上げた彼女の芝居の上手さにショックを受けて、以後、嫉妬で芝居から遠ざけようとする。最低だな、コイツ!#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:どんなにラブラブでも、基本的に互いに相手の才能や人格を高め合い、社会的にも人格的にも高め合うような方向には転がっていきません。その辺は男の側がクズだから…だけでもなかったことが、ラストで明かされされますが、何と言うか、こー、そういう恋愛もあるよね(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:人生の目標が成長だったり、前進だったり、社会的成功だったりする視点から見る限り、このふたりの10年間はものの見事に「停滞」しています。と言うか、そう言ったことからの逃避が目的の関係性で、共犯関係だったわけで、そこに逃げきれなくなって壊れちゃうまで、というか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:あちゃー、という話なのだけど、一概に突き放す気にもなれないのは、若い内の恋愛、特に失敗した恋愛なんて多かれ少なかれそういう要素は孕んでるものだし、そもそも「この娘と付き合ったらオレの人生の得になる」と思って始める関係が「恋愛」と言えるか、って話ですよ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:そんなわけで、オッサンになればなるほど、古傷が抉られる(爆 いや、オレはこの映画の主人公ほど酷くはなかった。と思いたい。多分、きっと。……一方でヒロインの方も根底で自己肯定感が稀薄気味で、そこにこの彼氏との組み合わせはマズかったとしか。まあDVしなかっただけマシか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:別れるまでも男の側が優柔不断なんで、年単位の時間が掛かり、挙句に友人からぐうの音も出ない説教受けて肚を括るといい体たらく(爆 ありがちありがち。……いや、オレの話ではないぞ。断じて、違うからな(^^;;)#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:そんなわけで、ヘタレなクズ男世界総集編(^^;;みたいに、恋愛ダメエピソードが後半特に続きます。それが男の側のモノローグ主体で進むので、女々しい言い訳を聞かされ続けるような状態に、共感するか、アホかと思うかは、結構、人によってはっきり別れそうな気もするけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:いやまあ、あそこまでヘタレだと、彼女側の事情も踏まえた「共犯関係」も、男が言い訳(エクスキューズ)として脳内ででっち上げんじゃねえの、という疑惑も出てきたけど……(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:ただ、そこら辺を差っ引いたとしても、ラストの男から彼女への長い語りかけに、全部のマイナスを帳消しにしかねないパワーがあったのは事実です。アレはすべての男たちが別れた彼女に、あの日あの時、伝えておくべきだったと抱え続けてきた言葉そのものですよ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:それを実際に伝えていたら、ワンチャン寄り戻せたかも…とかではなく(^^;; 貴女に出逢えたことで自分がどれほど救われたか、せめてそれくらい、最後に自分の口から伝えておきたかったってのはあるじゃない。しょーもない男のロマンチズムで、付き合ってる間に言え、って話だけども。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:実際の男女別れ際は、関係が拗れ倒してるピークなので、大抵そういう美しい話にはならないし、双方喧嘩腰くらいでないときれいに別れられなかったりするけどねー(-o-;; でも、いいんだよ。これは「映画」で、夢のお話なんだから。思いっきり綺麗事で語りきればいいのです。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:そんなわけで、そら、オッサンたちは泣くわなー、号泣するわなー、という映画です。でも同じオッサンが、自分の娘が下北沢の演劇崩れのチンピラと同棲始めたら、全力で殴りにいくだろうけど(爆 その両面性も込みで、男の恋愛ロマンチズム全開の映画というか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:ネタバレなので、最後の「仕掛け」の具体的な中身にまで言及したりはしませんが、そこまでひっくるめて、ぎりぎり「ファンタジー」として成立してると見るかどうか。女性目線だと、山崎賢人ならアリでも昔の彼氏だと思ったら、「ふざけんな」で終わりそうな気も(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
『劇場』:あと本作は、コロナ禍の影響で、Amazon Prime独占配信とミニシアター系での公開という変則的なスタイルでの公開となっています。とは言え、初回は劇場で観た方がいいかな。136分の長尺で10年の恋を描く本作は、劇場で集中して一気に駆け抜けた方が、本当の恋愛っぽいじゃないですか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月24日
■監督フィルモグラフィ:行定勲(1968年~)
『のぼる小寺さん』@ヒューマントラストシネマ渋谷(20/07/18(sat)鑑賞)
本日の映画2本目『のぼる小寺さん』@ヒューマントラストシネマ渋谷に劇場入りしました。吉田玲子脚本でボルダリング漫画原作の実写映画化。公開時から気にはなってましたが、やっとスケジュールの調整がついた(^^;; それにぼちぼち観た人のレビューも上がってきたようで、頃合いかな、と。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』観終わりました。小寺さんはボルダリングに夢中……というか、「のぼる」という行為に夢中な小寺さんが何となく気になってしまうクラスメート男女のお話。でもボルダリングのルールとか紹介して、みんなでボルダリングやろうぜ!と勧誘する映画ではないのね(^^) #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:小寺さん自身はひと昔前の少年マンガのスポーツものの主人公みたいな女子高生で、ボルダリングの競技……というか、「のぼる」という行為への集中力が異常に強い娘なんだけど、別に彼女の視点では物語は語られず、彼女の過去も語られない。ただ視線の先に、彼女はいる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:体育館の端のボルダリング部のトレーニング用の壁を一心不乱にのぼり続ける小寺さんが、教室で特に話したこともないあの娘だ、と気付いた時から、視線が彼女を追っている。それは彼・彼女たちがそれぞれ、小寺さんのように内発的な動機を見つけられないでいたから。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:ここで面白いのは、別に彼・彼女たちは、だからってボルダリング部に入るわけではないんだよね(約1名入部した男の子もいたけど(^^;;)。小寺さんの存在に刺激を受けて、共鳴するものがあったとしても、「小寺さんになりたい」わけじゃないから。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:あえて言えば、小寺さんの情熱のようなものが自分の中に在る(在った)ことを、その姿を見つめ続けていることではたと気づく。それでも小寺さんと話してみたい気にはなるようで、声を掛けてみると、そんなに変な子じゃない。…まあ、ちょっと物の見方が変な子だけど(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:小寺さん自身は、目の前の壁をのぼることしか「見て」なかったので、最初の内は自分を「見て」いる視線に気付かなかったのだけど、徐々に気づいて、声を掛けたり掛けられたりして、彼女の狭い世界も少しづつ広がって、豊かになってゆく。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:この映画は「見る」ことで世界が広がるお話なんですね。それも視野を広げることより、より深く、情熱を込めて視線の先を「見る」ことが、世界の豊かさに繋がってゆく。小寺さんを「見て」いた男の子も、「ずっと見てました!」って女の子に告白受けてたり(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:「見る」ことで繋がっても、別に同化したいわけでも、目標や課題を直接分かち合いたいわけでもなくて、でもその視線の先に貴方がいることが心強い…。不思議な距離感のようにも見えるけど、自分には心地良い関係性ですね。最後に「私を見てほしい」になる辺りまで含めて。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:あと特筆すべきは、この映画のヒロインの工藤遥の身体性を含む存在感ですね。周囲から浮いた不思議ちゃん……という訳でもなく、話せばちょっと視点が独特くらいで普通に話せるんだけど、いきなりするするっと校舎の壁をよじのぼってたりするという(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:先にも触れたけど、この映画は、ヒロインの過去も家庭環境も内面も語らずに、一心不乱にボルダリングの壁をのぼる小寺さんが「そこにいる」という一点だけで成立している映画です。このいそうでいない女の子がスクリーンに映っていることが、既に映画のミラクルなのです。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
『のぼる小寺さん』:新しい視座を持った青春映画として、観終わって後味の爽やかさな映画でした。恋愛云々は関係なくても、こういう形でお互いに相手をリスペクトしあえる関係性っていいよね、ていう意味で、自分は大好きな映画ですね。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月18日
■監督フィルモグラフィ:古厩智之(1968年~)
『KILLERMAN キラーマン』@ヒューマントラストシネマ渋谷(20/07/17(fri)鑑賞)
『ジョン・ウィック』の製作陣が放つ! 『KILLERMAN/キラーマン』予告映像
KILLERMAN Official Trailer (2019) Liam Hemsworth, Diane Guerrero Movie HD
本日の映画『KILLERMAN キラーマン』@ヒューマントラストシネマ渋谷に劇場入りしました。リアム・ヘムズワース主演。裏社会の資金洗浄屋が、記憶喪失になりながら、かすかに憶えてる相棒を救うべく、暗黒街を駆け廻るお話だそうですが、さて。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月17日
『KILLERMAN キラーマン』観終わりました。裏社会の生態系を縫ってサバイブする、タフな資金洗浄屋とボンクラな相棒のふたり組。預かった金を麻薬取引で増やそうという相棒の思いつきに乗ったのが運の尽き。取引を装った悪徳刑事たちの強盗計画だったが、資金も麻薬も逆に自分たちの手元に。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月17日
『KILLERMAN キラーマン』:奪った麻薬は警察の押収品で、当然、回収できなければ、刑事たちは組織ぐるみで身の破滅だ。しかし、追いすがる刑事たちを撒く途中で、資金洗浄屋は事故で記憶をなくしてしまう。頼りないボンクラな相棒に手を引かれて、記憶を取り戻しつつ、サバイブできるのか…。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月17日
『KILLERMAN キラーマン』:プロットが色々強引…というか、みんな目の前50センチくらいしか視野がなく、30分くらい先のことまでしか考えてなくて(^^;;、それが逆に裏社会の住民の余裕のなさらしく、次に何が起きるのか予想がつかずに肌がヒリヒリする。『不夜城』型のサバイバルものつーか。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月17日
『KILLERMAN キラーマン』:イケメンのリアム・ヘムズワースが、最初タフなプロフェッショナル然と登場したのが、記憶喪失で足手まといのボンクラ化し、最終的に狂戦士化(パーサーク)するという変転も面白かったけど、ボンクラな相棒が意外と意地を見せたりと思ったより活躍したのも良かった。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月17日
『KILLERMAN キラーマン』:あと、主人公ふたりのバックアップ役で日系のスズキという男が出てきて、裏で結構重要な仕事してるっぽいんだけど、画面にはあんまり出してもらえず(裏方だからね)、挙句に画面のフレーム外で拷問死するという扱いが面白……酷かったですね(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月17日
『KILLERMAN キラーマン』:まあ、あんまり映画として整ってもないし、立派でカッコいいキャラばかり出てくるわけでもないんだけど、視野の狭い小人どもが、足りない知恵をフル回転させてあくせくと生き急ぐ話は嫌いじゃないです。そういうダメな人たちのお話がお好みでしたら、是非。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月17日
『オールド・ガード』@Netflix(20/07/12(sun)鑑賞)
The Old Guard Vol. 1: Opening Fire (English Edition)
- アーティスト:Fernandez, Leandro
- 作者:Rucka, Greg
- 発売日: 2017/08/30
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The Old Guard #1 (English Edition)
- アーティスト:Fernandez, Leandro
- 作者:Rucka, Greg
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- メディア: Kindle版
The Old Guard: Force Multiplied #1 (English Edition)
- アーティスト:Fernandez, Leandro
- 作者:Rucka, Greg
- 発売日: 2019/12/18
- メディア: Kindle版
The Old Guard: Force Multiplied #2 (English Edition)
- アーティスト:Fernandez, Leandro
- 作者:Rucka, Greg
- 発売日: 2020/01/22
- メディア: Kindle版
The Old Guard: Force Multiplied #3 (English Edition)
- アーティスト:Fernandez, Leandro
- 作者:Rucka, Greg
- 発売日: 2020/02/19
- メディア: Kindle版
The Old Guard: Force Multiplied #4 (English Edition)
- アーティスト:Fernandez, Leandro
- 作者:Rucka, Greg
- 発売日: 2020/03/25
- メディア: Kindle版
The Old Guard: Force Multiplied #5 (English Edition)
- アーティスト:Fernandez, Leandro
- 作者:Rucka, Greg
- 発売日: 2020/07/15
- メディア: Kindle版
『オールドガード』@Netflixを視聴中。シャーリーズ・セロン姐さん率いる不死身の傭兵部隊に新人の女性海兵隊員が参加。不死の秘密を巡って製薬会社の傭兵たちと戦うお話。コミック原作のお伽噺だが、姐さんの貫禄で圧倒的な説得力が物語に満ちる。キャスティングの勝利だな(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『オールドガード』:ジャンジャンばりばりのアクションものだが、監督は女性でBLや百合(シスターフッド)要素ももあるという(^^;; 原作は2017年刊行というけど、『亜人』の影響とかあるのかな。まあ、そもそも『無限の住人』からという可能性もあるけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『オールドガード』:序盤のテンポの良さに対して、中盤ちょっとだれ気味かな。もっとも、動機やキャラの掘り下げを丁寧にやってるとも言えるけど。シリーズ化も視野に入れてるというから、映画よりもドラマ的な演出の方向性なのかもしれない。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『オールドガード』:不死身の傭兵4人組が姐さん筆頭に、全員ベッドに拘束されてる絵面はちょっと情けない(^^;; まあそこから新人が合流して、反撃開始なわけだけど。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『オールドガード』観終わりました。このネタで125分の尺は「映画」としてはちょっと冗長かな。ただドラマの第1話SPでキャラ立てと設定紹介編としては、必要な尺だったとも言える。意外とドッカン大爆発だのカーチェイスだのがないので、ちょっと落ち着いた印象はあるかな。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『オールドガード』:この辺の落ち着いたつくりが、女性監督だからなのか、原作者が脚本に参加してるからかは何とも言えないけど、SFドラマ好きには期待に応える作りではあると思う。あとセロン姐さんがタフな男ども+小娘を率いて暴れる絵面が見たい人には、是非(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
■監督フィルモグラフィ:ジーナ・プリンス=バイスウッド(1969年~)
『透明人間(2020)』@立川シネマシティ/CINEMA TWO(20/07/10(fri)鑑賞)
本日の映画2本目『透明人間』@立川シネマシティ/CINEMA TWOに劇場入りしました。トム・クルーズの『ザ・マミー』がぶっ転げたので仕切り直しを余儀なくされたモンスター・ユニバースのリブート第一弾。今度は脚本真面目に作り込んで評判良いようですが、ユニバース化するの、これ?(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月10日
『透明人間』観終わりました。今時タイトルでネタを割るオールド・スクールなホラー・タイトルで、しかもそれをテクニカルな仕掛けと事前情報まで出してどうするつもりかと思ってたら、ほほう、そうきましたか(^^)。ちゃんとホラーやってから、ノワール風味なミステリーに帰着したのは見事。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月10日
『透明人間』:富豪で天才起業家だがDV夫のエイドリアンの下から逃げ出したセシリアだったが、妹の友人の家に保護され、いつ夫が自分を連れ戻しに現れるかに怯えながら過ごしていた。しかし、その夫が自殺したとの報が届き、遺書に基づいて財産分与の手続きも行われた。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:当初は半信半疑だったセシリアだったが、徐々に警戒心を解き、社会生活に復帰しようと就職活動を始める。だが、それを待っていたかのように、彼女の周囲で不審な出来事が起こり始める……というお話。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:先にも触れたように、ある意味、タイトルでネタは割れてて、ヒロイン役のエリザベス・モスが迫真の演技で恐怖に慄いてみせても、「いつ透明人間に気づくのかなー」とか余裕かまして観てられるわけです。…途中までは(爆 そう。この話の本番は、そのネタを割ってからなのです。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:いやいや、そこまでも大概、ホラーとして良くできていて、冒頭からちょっと尋常じゃない怯え方をしているヒロインが、普段からちょっとしたことでも過剰反応を示しているのを描いた上で、事が始まってDV夫の追い込みが始まるので、妄想か現実か本人にも判らなくなる(^^;; #fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:しかし、DV夫のネタが光学迷彩スーツであることも掴んだ、生存の確信も得た。さあ、ここから反撃だ、と決意した矢先……ここから、スウィッチが切り替わる。アクセルが踏み込まれる。暴力のレートが跳ね上がる。物語がシフトチェンジして、ジャンルが変わる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:この映画がぐいっと切り替わる衝撃が見事。しかもヒロインが「見えてなかった(Invisible)」のは、DV夫の「外見」ではなく「魂の本質」であったという意味で、タイトル通りに物語の軸はズレることなく、超テクノロシーでびっくりドッキリ話から、サイコパスとの抗争劇に移行する。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:ここから先は観客にも情報的優位はなくなり、ヒロイン同様の崖っぷちサバイバルにすんなり移行する。そして知略を尽くした攻防の涯(はて)にたどり着くあのラストシーン……。キワモノのホラー映画かと思えば、上質のノワール・ミステリーの風格のある映画です。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:で、まあ、脚本・監督の見事さもさることながら、本作の一番の功労者は、ヒロインのエリザベス・モスの存在感ですよね。考えてみれば、「主役」の透明人間は見えないんだから(^^;;、その存在に気付いてわーきゃー騒ぐ役の方が重要で、観客はそれで何が起こっているのかを知る。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:この映画が誰のものか、と問われれば、ヒロインのエリザベス・モス、間違いなく彼女のものです。彼女が終始、険の強い、怯えを孕んだ表情で、観客に物語のトーンを示して誘導する。当初過剰に思えた彼女の怯えも、DV夫の本質が明らかになるにつれ、帳尻が合ってくる。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:CG技術なんかより、この役を演じきれる役者を見つけられるかどうかで、本作が成立をも決まる重要な役です。それを完璧にやってのけてるんだから、見事なものです。先に挙げた本作のキモというべき、物語の転換点も、まさに彼女の目の前で起きるわけですし。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日
『透明人間』:ホラー映画の古典を換骨奪胎して、大人向けの優れた現代スリラー映画に生まれ変わらせた手腕は、本当に見事という他はないです。まあ、あの落ちからユニバース化はまず無理だと思うけど(^^;; それでも、この路線でモンスター映画の古典リメイクをしてくれるなら大賛成ですよ。#fr20_n
— 義忠@C98月曜 南ウ40「物語工房」 (@yoshitada_n) 2020年7月12日