『血闘』@シネマート新宿(16/12/25(sun)鑑賞)
本日の映画1本目『血闘』@シネマート新宿に劇場入りしました。明清戦争に駆り出された朝鮮軍将兵3人が敵中で孤立して、互いに疑心暗鬼になって対立する話だそうですが、さて。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月25日
『血闘』観終わりました。朝鮮時代劇版『ヘイトフル8』。こっちの方が人数絞ってる分だけ、愛憎がより深いかも。まぁ、しかし、今の邦画なら、どんなに酷い話でも、一抹の救いを残すものだけど、韓国映画は本当に行き着く先の荒涼たる風景までたどり着いてしまうのだよなぁ(^^;; #fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月25日
『血闘』:李氏朝鮮第15代光海君の御代、勃興する清との戦いに苦しむ明の要請により派遣された朝鮮軍満州派遣部隊は、大兵力で迫る清軍の猛攻の前に壊滅。生き残った指揮官のホンミョンとその幼馴染で副将のドヨン、一兵卒のトゥスの3人は、吹雪に追われて荒野の一軒家に逃げ込む。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:凍死寸前でかろうじて命を繋いだ3人だったが、小屋にたどり着く直前、「もはやここまで」と覚悟したホンミョンは、眠るドヨンに、自らも父同様に慕っていた彼の父を、政争の中で裏切ったと告白していた。その結果、父は拷問死し、母も自裁してドヨンの一族は没落していた。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:その原因となった裏切者をドヨンが必死で探していることを、ホンミョンも当然知っている。「どうせ死ぬなら、お前の手で」と思い詰めての告白だったが、こうして助かってみれば、やはり命は惜しい。ドヨンはあの告白を聞いていたのか……? #fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:一方、先に小屋にたどり着いていた兵卒のトゥス。戦場を戦わずに逃げ廻って生き延びた彼は、自分がホンミョンの部隊にいたことを知られると、脱走の罪で処刑されるのではと恐れている。更に地元領主の両班(貴族)に騙されるように徴兵されたことで、両班を憎んでいる。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:郷里に残してきた家族も気懸りだ。3者3様に生き延びねばならない理由がある。殺さねばならない、理由がある。吹雪に押し込められて身動きが取れない小屋の中で、極限ぎりぎりの駆け引きを通じて、男たちの本音があらわにされてゆく……というお話。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:朝鮮時代劇版『ヘイトフル・エイト』……とは言ったものの、制作年次は2010年なので、こちらが先。まぁ、タランティーノのことだから、観てないとは断言できないけど、「吹雪で身動きできない小屋に、仇同士が呉越同舟」という基本アイデア以外は共通点はないです。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:あえて言えば、『ヘイトフル・エイト』は憎悪の関係性だけなんだけど、こっちは愛憎渦巻いて、より業が深いw 結局、ホンミョンとドヨンの関係は、幼い頃から小犬が甘噛みしあうように傷つけあってたのが、政争に捲き込まれたことで、殺し合う関係性になってしまったという。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:なので、何もかも全部剥ぎ取られた最後の最後には「お前、歳下のくせに生意気なんじゃ!」「歳上だからって、偉そうにすんな!」という殴り合いに(子供かw)。……まぁ、男の関係性の本質とはそういうものだし、それが政治とか仕事とかの外部要因で惑わされる悲劇っつーか。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:それとは別に農村から徴兵されてきた兵卒のトゥスがいて。臆病で、意地汚く、両班の前では卑屈に振る舞いながら、隙あらば両班のふたりを殺そうとする彼にも、生きて朝鮮に戻らなければならない理由がある。蓄えもない貧しい農家で、自分が戻らなければ、妻子はどうなる。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:みんなで本音を話して、一時休戦。助け合ってこの苦境を乗り切ればいい…のだけど、そうはならない。そうはならないのだ。この辺が、今時の邦画なら、たとえ全滅エンドでも多少は救いを残すんだけど、そんなものはない。観客には3人それぞれの事情が語られるだけに、切ない。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:結局、敵地のど真ん中で味方同士で揉めて殺し合ったらどうなるか、という当然の結末へ向けて物語は突き進む。回想で描かれる暖かな(しかし謀略と不信渦巻く)故郷の日々。凍てついた、過酷な現実。繰り返されるその双方のカットバックの涯(はて)に広がる風景とは……。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:ちなみに本作を撮ったパク・フンジュン監督は、『新しき世界』『隻眼の虎』の監督さんですね。(一応ヒロイン的なキャラはいるのにw)両班の男たちふたりが結局相手しか見てないという寸止めBLな構図とか、小品ながら以後のフィルモグラフィーを彷彿とさせる描写満載です。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日
『血闘』:ラストまで一切救いのない荒涼感といい、暗黒小説(ノワール)好きには非常に楽しめました。とは言え、クリスマスに独りで観る映画だったかと言うと…まぁ、それこそクリスマスに独りで映画観るような人間にこそお似合いだったかも知れない。<吹きすさぶ極寒の満洲の風。#fr16_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2016年12月26日