『リオの男』@新宿武蔵野館(21/04/09(fri)鑑賞)
本日の映画『リオの男』@新宿武蔵野館に劇場入りしました。1963年公開。ジャン=ポール・ベルモンド主演。仏空軍パイロットの主人公が、アマゾンの秘宝を巡る大冒険に捲込まれるアクション・アドベンチャー・コメディ。60年代でこのスケール感とは、仏映画は侮れない……(^^;; #fr21_n pic.twitter.com/TfQvcvFKvo
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』観終わりました。かねがね60年代の邦画のスピード感とか、ドライな感覚の源流が気になってたんだけど、少なくともそれが同時代的に国際的なものだったことを確認する映画。同時に宮崎駿や大塚康生のアニメに至る基礎教養のひとつになったと確信するレイアウトや運動に満ちた映画。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:お話的には本作よりももっと前、戦前のパルプフィクションの秘境アドベンチャーで、おそらくこの時点でも古風に感じられたろうけど、特筆すべきは奥行きを活かした画面設計と運動でフィルムを埋め尽くしていることで、「映画」とは何か、という問いにひとつの解を示している点。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:手前から奥へ、奥から手前へ。広く、大きく、明るく、高精度の映画スクリーンなればこそ、消失点ギリギリまで引いた登場人物や車輌の識別がつく。それがTVやコミック紙面にはない映画の決定的な特徴で、それを描くことの映像的リッチ感をこの映画は徹底的に追求してくんだよね。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:それと展開が早い早い(^^;; これも説明よりも運動で話を繋いでく構成だからなのか、文字通り転がるように展開するので、休暇でパリ駅に着いたジャン=ポール・ベルモントが誘拐された婚約者を追って、あっという間に無一文で南米リオに放り出される(爆 このテンポの良さですよ。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:ただ「テンポが早い」と言っても、新海誠的な(あるいは庵野秀明的な)、ワンフレーム単位で無駄を省いて映像を繋ぐリニア編集的なものではなく、むしろワンシーンごとは長いんだけど、常に画面内で何かしら動き、次のシーンに繋がってゆく、「動きの高密度」のテンポなんですね。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:だから緊張感が途切れずに持続する。これは撮影前に相当入念にレイアウトと動きの設計が行われていた証で、それがクライマックスや決めのパートだけでなく、全編それで通すのは尋常ではありません。アクションやロケーション以上に、この映画のリッチさを示す要素です。#fr21_n
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『リオの男』:それとキャラ描写が60年代邦画、あるいは『ルパンIII世』的で、カラッとして我が強い。判りやすく言うと、人の話を聞かない(^^;; 「ここで待ってろ」と指示されたヒロインは、直後にすぐにどっか行くし(爆 主人公は「何でオレ、こんな女の言うこと聞いてるんだ」と頭抱えるし。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:コイツ、自分を利用してるだけかもなあ、と思いつつ、放り出せもせずヒロインの冒険に付き合う主人公とヒロインの関係性は、峰不二子とルパンの関係性とも通じる。60年代のヒーローとヒロインのこういう関係性は、互いの個を認め合えばこそで、むしろ現代的ですらあります。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:また本作でのジャン=ポール・ベルモントの身体を張ったアクションが凄い……というのはそうなんだけど、マルクス兄弟を思わせるちょっとコミカルな動きで、宮崎駿や大塚康生のアニメのオーバーアクトなアクションに似ている。というか、明らかにネタ元のひとつだよね(^^;; #fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:本作がすべて、という気はなく、本作のネタ元のマルクス兄弟等の更に古い実写映画も含めての話だけど、こうした映画類があの時代のアニメーターたちの基礎教養を形作っていたことは疑いなく、こういうのはアニメ史だけ追いかけてるとなかなか見えてこないよなあ、と。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
『リオの男』:勿論、冒険冒険また冒険のアドベンチャー映画として楽しい映画でしたが、奥行きと運動に楽しさを見出し、高密度な情報量に乗って駆け抜ける映画で、むしろ21世紀の現代に観てこそ「新しい」。現役で映像やってる人ほど学ぶところが多いんじゃないかな。そんな映画でした。#fr21_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2021年4月9日
■監督フィルモグラフィ:フィリップ・ド・ブロカ(1933年~2004年)