『潜水艦クルスクの生存者たち』@kino cinéma立川髙島屋S.C.館(22/04/14(thu)鑑賞)
本日の映画『潜水艦クルスクの生存者たち』@kino cinéma立川髙島屋S.C.館に劇場入りしました。2000年に北極海で起きたロシア海軍潜水艦沈没事故を巡る、艦内の生存者たちと乗組員の家族を巡る実話映画。どうもこの事件でマスコミから叩かれたプーチンが、メディア統制始めたという話もあり…。#fr22_n pic.twitter.com/oYIV96KqIN
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月14日
『潜水艦クルスクの生存者たち』観終わりました。史実通り、どうにもならなかった話を、それでもどうにかできたんじゃないかという想いを込めて、しかしどうにもならなかった事実を噛み締める映画。しかし、この権威主義的判断の悲劇は、今日のロシアの状況に繋がってるんだよね……。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月14日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:2000年8月12日、バレンツ海での大演習に参加していたロシアの原子力潜水艦クルスクは、演習用魚雷の推進燃料に起因する爆発事故により、艦首区画が大破。雪崩れ込む海水を阻止できず、艦は機能を喪失して海底に着底した。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:この時点でクルクス艦内では乗員118名の内、大多数の乗組員が死亡ないし行動不能に陥ったが、23名だけが艦尾のタービン室に逃げ込んで生き延びることに成功。艦内から打撃音に気づいた洋上の艦隊司令部は生存者の救出を試みる。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:だが、艦隊の保有する海難救助艇は整備不良で、救難ハッチとの接続ができず、代替えの潜水艇も用意できない。事態を察知したNATO海軍が協力を申し出るも、モスクワの海軍本部は機密保持と国の威信を理由にこれを拒絶する。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:その間も、艦内では、生存者たちが生き残りを懸けて、必死の努力を続けていた……というお話。まあ実話なのでネタバレを避けずにぶっちゃけると、最終的にロシア海軍は西側の救助チームを受け入れるも、時既に遅し、この生存者23名の救出には失敗しています。#fr22_n
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『潜水艦クルスクの生存者たち』:こういうご時世ではあるんですが、この映画自体は2018年制作で、監督のトマス・ビンターベア作品としては先日公開された『アナザーラウンド』の前になります。作中の言語は英語ですがフランス映画……というか、みんな大好きヨーロッパ・コープ作品ですね。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:艦内で死の恐怖と懸命に戦う乗組員たち、母港でその安否を案じて待つ家族、海軍本部の命令に反して西側の救難チームを受け入れようとする艦隊司令の葛藤などは思い入れたっぷりで描く一方で、海軍本部の官僚主義的非情さを批判的に描いています。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:海軍本部が当初、事故原因を「西側艦艇との接触事故」とかフェイクニュースでばっくれようとする辺りとか、今次ウクライナ戦争のロシア側広報の姿勢などとも繋がり、色々と生々しさい。そうこうしている間に、黒海艦隊旗艦モスクワまで沈んでしまいましたが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:事故が発生した2000年のロシアはまた微妙な時期で、冷戦後のボロボロの状態から立て直りつつある頃合い。このクルクスはその象徴で、ソ連崩壊後に進水した最新鋭艦でした。海軍本部の官僚主義的対応も批判され、後日、公式の事故調査報告も公開されています。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:乗組員家族が記者会見で、適当にお茶を濁そうとする海軍高官に喰ってかかるシーンがありますが、銃後の家族会が力を持ち始めたのもこの頃。映画内では言及ありませんが、就任間もないプーチンも事故後、5日間も避暑地から戻ってこなかったと批判を受けてます。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:だから、もしかすると、ひょっとすると、ロシアはこの悲劇をきっかけに、より民主的な社会と軍隊を建設できたかもしれないのです。…まあ、現実には、逆切れしたプーチンによってマスコミ支配が進み、フェイクニュースによる情報統制が強化されたわけですが。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:撮影時期を考えると制作陣がそこまで意識してこの映画を撮っていたとは思えないんですが、2014年のクリミア併合で垣間見せたプーチン体制の剣呑さとかは踏まえていたと思われるので、結果的に2022年の現在の状況の謎解きになってしまったのではと。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:それとは別に、この映画から垣間見える、欧州映画とロシアとの距離感も、ちょっと面白いですよね。ロシア海軍の硬直性への批判はあるとはいえ、乗組員たちをプロフェッショナルとして敬意を持って描き、乗組員家族の心痛に寄り添って描く。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:まるで「私たちの物語」だと言わんばかりで、ロシア人も「欧州人」の枠組みで同胞として捉えているかのようです。これは悲劇で終わった中国海軍の海難事故を、日本人が日本語で撮るようなもので、邦画では企画すら上げてこないでしょう。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日
『潜水艦クルスクの生存者たち』:日本人、に限らず、中国・韓国などのアジア映画が、いつかこの視座を獲得する日が来るのだろうか、と、映画と国家の在りようを考えさせられる映画でもあります。時事ネタ的な部分を除いても、優れた海難救助もの映画ですので、機会がありましたら、是非。#fr22_n
— 義忠@C99金曜 東ウ28「物語工房」 (@yoshitada_n) 2022年4月26日